Cundallは、建築サービス・土木および構造工学・持続可能な設計などの専門コンサルティングサービスを提供しています。この領域における世界的なリーディングカンパニーです。イギリス、ヨーロッパ本土、中東、アジア太平洋の20か所以上で事業を展開しています。

Cundallは、ビジネスの成長をリードするポテンシャルとスキルを持つ人材を特定する必要がありました。SHLのハイポテンシャル(HIPO)ソリューションが、Cundallに強力なリーダーシップパイプラインを提供し、(最も有望な層だけでなく)全スタッフの能力開発の狙いを絞ることを支援しました。

競争の激しい人材市場に直面し、Cundallは社内で強力なリーダーを育成したいと考えていました。特に、国際的な成長を推進できる人材パイプラインが必要でした。

Cundallのパートナー(人事教育担当)のキャロル・オニール氏は、「我が社で最も有望な人材に対し、個人として成長しビジネスも成長させることに役立つような能力開発の機会を提供したかった」とコメントしています。

実際、オニールは会社のすべての人材をより効果的に配置したいと考えていました。「全従業員のスキルと能力をよりよく理解することが、彼らをより効果的に適切な役割に割り当てて、狙いを絞った能力開発を促すことにつながります。」

さらに、重要な人材データは、社外からの採用で埋めるべきギャップを理解することに役立ちます。Cundallは、しっかりしたHIPOプログラムを開発することが、会社が最高の人材を惹き付け、定着させるための鍵と考えました。

Cundallは、SHLに依頼して人事部門の成熟度を評価しました。 これは、「CundallがHIPOの特定と開発に特に焦点を当てる必要がある」というオニールの信念を確認することに役立ちました。

その結果がCundallの「ポテンシャルの最大化」プログラムです。Cundallは、125人のエンジニア、シニアエンジニア、プリンシパルエンジニア、およびアソシエイトを対象に、イギリスでの試験運用プログラムへの参加者を募りました。その後、パーソナリティ、モチベーション、能力についてHIPOアセスメントを実施し、結果を業界の傾向と比較しました。続いて、会社全体のキーパーソンにインタビューを行い、候補者のエンゲージメントを評価しました。

結果、Cundallは、今、リーダーになれるポテンシャルがある人々に特徴的な、高い志と高い能力を持つ個人を特定できました。また、適切な能力開発を行えば、明日のリーダーになり得る人々も特定しました。

オニールは次のように説明しています。「このプログラムは、一部の人材に対して私たちが持っていた仮定に疑問を投げかけ、社内の豊富な人材をどう能力開発するかに焦点を当てることに役立ちました。また、キャリアの初期から中期の段階の人々の能力開発計画をより構造化することに役立ちました。人々をどのように成長させるかについて、画一的なアプローチではなく、少し賢く対応できるようになりました。」

両方のグループに合わせた詳細な能力開発プログラムが作成されました。社員の既存コンピテンシーを活かし、短期・中期および長期でビジネスの成長をサポートできるようにすること、に焦点が置かれました。

「ポテンシャルの最大化」プログラムがイギリス全土で成功裏にスムーズに展開されたことで、Cundallは人材プールの状況をより良く把握できるようになりました。オニールが言うように、「このプログラムは、より強力なリーダーシップパイプラインを与えてくれ、『自ら育つ』人材戦略の浸透を助けています。どういう人がどこにいるかを、私たちが正確に理解することに役立ちました。」

プログラムはビジネスリスクの軽減にも役立っています。客観的な人材データを持ち、能力開発に強く集中することによって、エンジニアが適切なリーダーシップとマネジメント能力を持っていることを事前に確信できるようになったためです。

オニールは、人材ギャップを埋めるための社外採用についてより戦略的に考えることにも役立っていると述べます。「当面のニーズだけでなく、より幅広いスキルセットをどう採用するかを考えるための材料を与えてくれました。テクノロジー中心の会社として、私たちは技術的なスキルに集中しすぎる傾向がありました。特に中長期の採用において、それをマネジメントスキルとリーダーシップスキルに広げていきたいと思っています。」

オニールと彼女のチームはすでに、今後、SHLとの関係からどう一層の価値を得られるか、に目を向けています。「私たちは日常の評価にすでにSHLを多く使用しています。HIPOソリューションの試験運用が明確に成功したことで、私たちは今、SHLの助けを借りて、これをグローバル全体に展開しようとしています。」

原文はこちら。
https://www.shl.com/en/customers/success-stories/cundall/

HIPOソリューションは基本的に特定の対象者に向けた施策ですが、この事例では全従業員の能力開発プログラムの改善にも寄与しています。

若いリーダー志望者は相対的に、演繹的推理力を最も強みとすることがわかりました。一般的な原則を特定の状況に適用するタイプの問題を解決することが得意です。つまり、自分が世の中をどう認知処理するかに頼り、それを戦略的な課題に適用します。

下のグラフは知的能力3科目における得点の分布を示しています。選抜場面で平均以下の候補者は除外されましたので、期待される割合は、「平均より非常に高い」が14%、「平均より高い」が29%、「平均」が57%となることに注意してください。

全ての地域で同様の傾向が見られました。若いリーダー志望者がどのように問題解決を行うかについて、地域による差異はほとんどないことを示唆しています。

この結果は、エグゼクティブレベルのリーダーが通常、帰納的推理力(特定のルールを一般的な状況に適用するタイプの知的能力)に秀でていることと対照的です。この違いはシニアリーダーと若い世代の知的能力に多様性があることを浮き彫りにしており、「シャドーボード(影の取締役会)」でその多様性を活用できると言えます。

SHLユニバーサル・コンピテンシー・フレームワーク(UCF)を用いて、職場における行動面での強みを調査しました。UCFは妥当性が検証されたフレームワークで、20のコンピテンシーで構成されています。世界中のあらゆる職務・レベルについて、すべての職務行動を網羅するように作成されています。このフレームワークによって、若いリーダー志望者たちについて、どこに強みがあるのか、より助けを必要とする点はどこかを調査することが可能です。全般に、彼らは次の領域で強みを示しています。

  1. テクニカル面と学習――徹底的で正確なアウトプットを含む
  2. 戦略的思考――価値主導のマインドセット
  3. 計画を立てて断固とした行動を取る――着実に進むやり方につながる

一方、彼らは現状に異議を唱える傾向があり、消費者ニーズを超えた行動をとることを好みます。さらに変化や障害への対処について学びが必要かもしれません。また、ソフトな関係を築くことよりもビジネス上のメリットに重点を置く傾向があります。新しい関係を構築したり部門の枠を超えて仕事をしたりすることは彼らにとって容易ですが、他者を介して結果を出すことは学習が必要なポイントです。

知的能力と同様に、すべての地域で同様の傾向が見られました。これは、強みと能力開発が必要な領域に地域間でほとんど違いがないことを示唆しています。

これらの行動面の傾向は、私たちがどのように彼らの強みを活用し、能力開発が必要な領域についてバランスを取るか、という重要な問題を提起します。心理的に安全な環境で、彼らの強い仕事倫理や戦略的思考、並外れた意欲をどのように引き出すか。私たちは、若いリーダー志望者に、レジリエンスを鍛えて障害に対処し、役に立つ仕組みを作り、他者を介して結果を出す方法を学んでもらう必要があります。

過去20年間のグローバリゼーションと技術の進歩、そして現在のパンデミックが、地理的に分散した労働力、よりマトリックス化された組織構造、そして、より高い生産性への依存度を高めています。これらの変化は、経済の混乱と絶え間なく変化する政治情勢と相まって、職場に前例のない量の変動性と不確実性をもたらしました。したがって、リーダーは、絶えず変化し、斬新で、なじみのない状況で舵取りをする必要があります。これらは興味深い疑問を引き起こします:「では、誰が最高のリーダーなのか?」「リーダーに必要な特徴は何か?」。

85の企業から9000人近くのリーダーを対象に実施されたSHLとGartnerのリーダーシップ研究の中で、考慮すべき鍵はリーダーが活動する『コンテキスト(文脈)』であることが示されました。職場の行動面での強み、経験、能力はすべて、リーダーが直面する課題、すなわち、彼らのコンテキストに関連するというのが結論です。私たちはこのリーダーシップ研究を使用して、リーダーシップ課題の解決にあたって、若いリーダー志望者がどう対処するかを明らかにしました。

リーダーシップ課題は全部で27個あり、4つの分野に分かれています。下のグラフは、その4分野に対する若いリーダー志望者のポテンシャルを示しています(27個の課題全ての結果は本稿最後の附録にあります)。また、特に興味深い2つの課題を抜き出し、結果を円グラフで表示しています。グローバル比較集団で予想される割合は、適合度「低」が30%、「中」が40%、「高」が30%です。

全体として、彼らは、リーダーシップのさまざまな課題に直面したときに成功するための強みを根底に持っています。特に、「変化をリードする」ことが強みです。これは、彼らが「決断・率先垂範」コンピテンシーを強みとすることを考えれば、驚くことではありません。能力開発が最も必要なのはリスク管理です。「リスクを避けるコンテキスト」と「リスクを取るコンテキスト」の円グラフの対比を見ると、Z世代に対して、私たちがどう、仕組みや心理面のサポートをしなければならないかがわかります。

結果2で、彼らは、「現状に従うこと」「レジリエンス」「障害への対処」が比較的苦手であることが明らかになりました。リスク回避的なコンテキストで仕事をする場合、意味のある仕組みがあり、かつ変化に柔軟に対応する環境の利点を生かして、彼らは成功する可能性が高いです。境界がなく、高いリスクを取るような環境では、レジリエンスを育成するための心理的安全性を提供することはできません。

したがって、現在のリーダーには、彼らのこうした強みを表現できる環境を作る責任があります。さらに、フィードバックの文化、意味のある境界と価値観を構築するための仕組み作りに投資し、彼らの意欲とイニシアチブが社内の他のメンバーに伝播する機会を作る責任があります。

記事内で示されたZ世代の特徴は、皆様が持っているZ世代への印象と近いでしょうか。
原文はこちらから入手できます(ダウンロードにはお名前や社名などの入力が必要です)。
https://www.shl.com/en/resources/the-promise-of-gen-z/

Axis Bankはインドで3番目に大きな民間銀行です。従業員は5万人を超え、大企業から小売を中心とする中小企業まで、多くのお客様に金融サービスを提供しています。同社の収益は110億ドルです。

Axis Bank Young Bankers(ABYB)プログラムは、将来の業界リーダー育成のために設計された1年間のプログラムです。

プログラムは急速に拡大し、33の都市で年間2万人以上の応募があります。Axis Bankは、優秀な候補者を迅速に選抜するために、信頼性が高く、標準化された、拡張可能なソリューションを必要としていました。

ソリューションには以下のことが求められました。

SHLグループのAspiring Minds社は、標準化された効率的なアセスメントがABYBにとって最も重要であることを理解し、次の4つのオンラインアセスメントツールを組み合わせた選抜ソリューションを提供しました。

この多角的なソリューションによって、Axis Bankはわずか10日の間に、33か所で同時に同じ評価プロセスを展開することができました。

今回より偶数回の記事翻訳を担当する廣島と申します。どうぞよろしくお願い致します。

今回で本年の更新は終了です。今年はコロナウィルスの影響でビジネスのやり方にも大きな変更が余儀なくされました。オンラインによる面接もその一つでしょう。今回ご紹介した事例にある商品では面接の評価にAIを活用しています。現在対応言語は限られておりますが、今後拡充される予定です。

来年は皆様にとってよい年になりますよう。