既存社員のかかわり方は、インターンシップ実施中や選考過程といった入社以前からとても重要です。内定段階から入社を決めるポイントにもなりますし、入社直後のオンボーディング期間でも同様です。
既存社員の中でも、後輩である新入社員に対する感覚はいろいろなはずです。自分の後輩であり、将来は部下上司の関係になるから親身になって職場に馴染めるように協力しようという社員もいれば、自分の仕事で忙しいなか、なんで面倒をみなければいけないのか。それは人事部の仕事でしょ。と考える社員もいるはずです。
まずは、すべての社員に同レベルの協力を期待することを止めましょう。面接官やリクルータを依頼するときに、その人に適性があるかどうかを考えて依頼するのと同じです。
新入社員を「仲間として迎え入れる意識」が持てない人に無理にお願いしてもだめです。新入社員の方が気をつかってしまい萎縮してしまいます。
自分も先輩に育ててもらったのだから、今度は自分が恩を返そうという気持ちがある人、一緒に頑張っていく後輩を応援していきたいという共感性をもつ人がいいでしょう。
社内で、こうして応援して下さいといった具体的な内容を示してあげることも必要ですし、新入社員からのお世話になったお礼や感謝の言葉を社員に伝える仕組みがあるとより効果的ではないでしょうか。
先輩後輩の自然な声がけができる社内の雰囲気と、業務上の具体的な内容を質問できるメンター制度とを両面にしてうまく回して下さい。

トランプ大統領の相互関税発動発言によりグローバルに大きなショックが伝わっています。特に米中の報復的対立が激しくなると双方との経済的結びつきが強い日本には相当の影響が出ると思われます。トランプ大統領や周辺閣僚の発言により市場も揺れ株価も乱高下しています。この先は不透明で、このまま長期の景気低迷に向ってしまうかはまだわかりません。いましばらくは、様子見でしょうか。
そもそも新NISAは「長期保有での非課税枠活用」が前提です。短期的な上げ下げに過剰に反応しては、もったいないです。ここは慌てることなく状況を見守るスタンスでいきましょう。もちろん現状の不安定要素や下落要因などをしっかりと理解することも大切です。
むしろ、投資先内容を見直す機会にしてはいかがでしょうか。特定の国や業種に偏っていないか、リスク分散ができているかどうかを確認して、必要であれば積立金額や投資対象を見直します。
株式投資は長期で必要のない余剰資金で投資していくのが理想ですが、どうしても不安でストレスがたまるようであれば少額でもいいのでリスク資産を減らしてみましょう。

「中堅はほとんど変わりませんし福利厚生の一部がカット」とお書きです。すべての企業が同じだとは申しませんが、新卒給与を上げている会社は、概ね会社全体では調整をはかっているはずです。原資は限られているはずですから。この前の春闘での満額回答にも、実現できている背景があるはずです。社員全体で給与アップできる会社はごく一部でしょうし、限られた時期だけかもしれません。
新卒採用が売り手市場になっており、優秀な人材獲得のために、初任給がどんどん上がっています。少子化による人材不足を考えればこの傾向は続くと思いますが、中堅層の給与の伸びを抑えるということになれば、結局は中堅層から不満が出てきて人が流出してしまいますので、元の木阿弥ではないでしょうか。
中小企業は、初任給競争自体に付いていけません。
このまま賃金(初任給)競争が続いても、企業はもちません。給与以外に働くモチベーションをもってもらうための要素を考えていく時代に来ているということでしょう。
働きがい、成長機会、年齢に関係なく能力を活かせる働き方、などでしょうか。

CXOとは事業における各業務組織の最高執行責任者ですから、サクセッサーは次世代の最高幹部候補者ということでしょうか。
候補者に対してフィードバックの際に気分を損なってはいけないなどの忖度をする必要はないはずです。候補者になっているということは会社からの期待の大きさも十分に感じているはずですし、これまでの実績もあり能力的にも高いはずです。
それだけに候補者が受け入れられやすい具体的な形で説明することが大切ですし、フィードバックのタイミングや伝える環境にも配慮してください。弱みや改善点を指摘するだけではなく、強みや期待したとおりの成果を示しながらこうするとさらによいのではという提案型です。
またフィードバックして終わりではなく、進捗を確認し、成長を見守る姿勢を示すことも大切です。
こうした配慮をすることでCXOサクセッサーとしての自覚と自尊心を傷つけることなく、前向きな成長を促すことができます。

人事の立場からいえばやはり労務管理上のリスクでしょう。本業と副業の労働時間の管理をどのように行うか、難しい点があります。過剰労働による疲労、パフォーマンスの低下や健康面へのマイナスの影響をどう防げばいいでしょうか。
本業での経験を活かし近い業種での副業を望む場合は、競業避止の義務をルール化しておかないと取引先情報の漏洩、自社ノウハウの流失といったリスクを生じます。
通常は社員の事前申告や許可制を取るケースが多いですが、どこまで認めるかの判断基準作りが難しいです。一部社員だけ認めることになれば、不公平感が生まれます。
副業を積極的に進める企業からは、「優秀な社員が副業・兼業を経験し社外との交流の中でスキル向上を成し遂げてくれる、さらにはこれまでにはなかった形でイノベーションを社内にフィードバックしてくれる」というプラス面を強調しています。一方で、力をつけてくれば違ったフィールドでチャレンジしたくなり退職していく社員も当然いるはずです。本業と副業が逆転し、副業の方に力を入れてしまうこともあるでしょう。収入面で補填をするために副業をせざるをえず、無理をして体調を壊してしまう場合もあるかと思います。
社員からの副業解禁要望の内容、理由をヒアリングして貴社としてのご対応を検討してください。

富士通のこのニュースは大きな反響を呼んでいるようですが、すでに他社でも同様な流れは出てきています。通年採用型へのシフト、ジョブ型採用枠の拡大、中途採用枠の拡大などの大手企業の流れです。
背景には、少子高齢化の中で、初任給値上げ競争に表れているように、総合職、専門職で一律の給与体系での新卒一括採用では優秀な人材が確保できなくなっているという現状がありますが、加えて企業の事業変革のスピード感が加速していく中で、イノベーション人材をいかに採るかが企業の今後の成長に関わってくるという人材戦略の転換、危機感があるからです。製造業界特に電気機器・通信業界ではハードからソフトへの事業構造の変革が進んでいます。既存社員にリスキリングを実施し配置転換を行っていくことも必要となってきています。富士通のような大手IT企業では、他社もこうした流れになってくるでしょう。
ただ、通年採用やジョブ型採用にはデメリットもあります。通年採用にすれば、一括集中型採用より企業側の採用業務の負担は時間面、コスト面で当然増えますし、ジョブ型採用となれば会社都合での部門間での配置転換が難しくなり人材配置の柔軟性が薄くなる面もあります。
こうした点も踏まえながら各企業が工夫を凝らして対応していくことになるのでしょう。

工場勤務の従業員が多いということはエンジニアが多いということだと思います。必要な技術・知識といったスキルは明確になっていると思いますが、それ以外にも能力開発できるスキルはあります。
上司や同僚との円滑なやり取りをするうえでもコミュニケーション能力は必要ですし、リーダーシップ・マネジメントスキルは、グループ、チームをまとめるうえで欠かせないスキルです。
生産管理といった現場に近いリーダー研修以外にも安全管理上のリスク管理、労働災害防止のための意識向上の研修も考えられます。
また問題解決力、改善思考力を身に着ける研修やロジカルシンキング研修も有益です。
もちろんこうした能力開発研修がキャリアパスにつながるものであることを明確にして下さい。ジョブローテーションなどもキャリア選択の一つとして捉えていただいて下さい。

このコラムでも何度か取り上げていますが、必要なのは、トップからの明確なメッセージとして伝えることです。そのためにも、まずは現状をしっかりと把握して、課題は何かをトップとすり合わせて下さい。トップを含めた経営層の考え方と現場を指揮する管理者との間で、認識にギャップがあっては、トップからのメッセージも形ばかりになります。
そのうえで、「目指すべき組織風土」を明確化して下さい。最近では、「パーパス」として言語化して会社全体の方針として示す企業が多くなっています。
目指すべき姿が明確になれば、次はそのための仕組み作りです。従来の評価、制度、各種の仕組みを変えることになります。そうして、この変化を体験させ成功事例を積み上げていきます。ポイントは、上からの指示だから、決まったことだからと他人事のような流れを作らないことです。そのためにも現場を指揮する管理職をしっかりと巻き込み、継続的に改善する仕組みを作って下さい。社員が、少しだけど変わってきたなと感じるようになれば成功です。

当社についてのことでしょうか。規模的に大きくないですし、採用もコンサルタント職主体で、他部署への異動は少ないです。もちろん社員は採用時に適性検査を受検していますので、適性をみて配置しておりますが、異動の際はそれまでの部署での業績、評価を参考にしながら判断しています。規模が小さい場合は、本人の希望や適性よりも人員のバランスや経営上の必要性が優先される場合も多いですし、異動後に適応できるかどうかが課題となります。

新卒採用がインターンシップ実施の前倒しにより早期化、長期化していることもあり、企業側の負担も大きくなっています。企業の採用担当からも「他社はどうやってリクルーターや面接官への参加要請の協力を社内に通しているのか」というご質問を度々受けます。 やはり、経営陣からのメッセージをまず発信していただくことが重要です。「採用が会社全体の課題であり、現場の協力が不可欠であると考えている」と伝えてもらいます。 現場の社員の方々も、日々の仕事の中で人手不足感を感じているでしょうし、新聞やネットでも度々話題になっていることは知っています。会社の成長には「採用が重要であり、人手不足が続くと自分たちの現場にも影響がある」と理解してもらうことです。優秀な人材の採用は、自分たちのチームの将来にもプラスになることだと理解してもらいましょう。 かといって強制的に協力させては、抵抗感がつのり反発が起こります。OB・OGとしての座談会や質問会など参加しやすい形式から協力してもらい、協力的な社員の中で徐々に面接官を増やしていくといった段階的なかかわり方はどうでしょうか。 「現場の社員が採用に関わってくれたので良い人材が採用できた。採用に協力した結果、新入社員や若手への指導がやりやすくなった。」などの成功事例を共有していくことも効果的です。 まずは全社挙げて総力戦でいき、非協力的な人を外していくか、一部の社員を巻き込んで成功体験から広げていくか、御社にはどちらが良いでしょうか。