CXOとは事業における各業務組織の最高執行責任者ですから、サクセッサーは次世代の最高幹部候補者ということでしょうか。
候補者に対してフィードバックの際に気分を損なってはいけないなどの忖度をする必要はないはずです。候補者になっているということは会社からの期待の大きさも十分に感じているはずですし、これまでの実績もあり能力的にも高いはずです。
それだけに候補者が受け入れられやすい具体的な形で説明することが大切ですし、フィードバックのタイミングや伝える環境にも配慮してください。弱みや改善点を指摘するだけではなく、強みや期待したとおりの成果を示しながらこうするとさらによいのではという提案型です。
またフィードバックして終わりではなく、進捗を確認し、成長を見守る姿勢を示すことも大切です。
こうした配慮をすることでCXOサクセッサーとしての自覚と自尊心を傷つけることなく、前向きな成長を促すことができます。

人事の立場からいえばやはり労務管理上のリスクでしょう。本業と副業の労働時間の管理をどのように行うか、難しい点があります。過剰労働による疲労、パフォーマンスの低下や健康面へのマイナスの影響をどう防げばいいでしょうか。
本業での経験を活かし近い業種での副業を望む場合は、競業避止の義務をルール化しておかないと取引先情報の漏洩、自社ノウハウの流失といったリスクを生じます。
通常は社員の事前申告や許可制を取るケースが多いですが、どこまで認めるかの判断基準作りが難しいです。一部社員だけ認めることになれば、不公平感が生まれます。
副業を積極的に進める企業からは、「優秀な社員が副業・兼業を経験し社外との交流の中でスキル向上を成し遂げてくれる、さらにはこれまでにはなかった形でイノベーションを社内にフィードバックしてくれる」というプラス面を強調しています。一方で、力をつけてくれば違ったフィールドでチャレンジしたくなり退職していく社員も当然いるはずです。本業と副業が逆転し、副業の方に力を入れてしまうこともあるでしょう。収入面で補填をするために副業をせざるをえず、無理をして体調を壊してしまう場合もあるかと思います。
社員からの副業解禁要望の内容、理由をヒアリングして貴社としてのご対応を検討してください。

富士通のこのニュースは大きな反響を呼んでいるようですが、すでに他社でも同様な流れは出てきています。通年採用型へのシフト、ジョブ型採用枠の拡大、中途採用枠の拡大などの大手企業の流れです。
背景には、少子高齢化の中で、初任給値上げ競争に表れているように、総合職、専門職で一律の給与体系での新卒一括採用では優秀な人材が確保できなくなっているという現状がありますが、加えて企業の事業変革のスピード感が加速していく中で、イノベーション人材をいかに採るかが企業の今後の成長に関わってくるという人材戦略の転換、危機感があるからです。製造業界特に電気機器・通信業界ではハードからソフトへの事業構造の変革が進んでいます。既存社員にリスキリングを実施し配置転換を行っていくことも必要となってきています。富士通のような大手IT企業では、他社もこうした流れになってくるでしょう。
ただ、通年採用やジョブ型採用にはデメリットもあります。通年採用にすれば、一括集中型採用より企業側の採用業務の負担は時間面、コスト面で当然増えますし、ジョブ型採用となれば会社都合での部門間での配置転換が難しくなり人材配置の柔軟性が薄くなる面もあります。
こうした点も踏まえながら各企業が工夫を凝らして対応していくことになるのでしょう。

工場勤務の従業員が多いということはエンジニアが多いということだと思います。必要な技術・知識といったスキルは明確になっていると思いますが、それ以外にも能力開発できるスキルはあります。
上司や同僚との円滑なやり取りをするうえでもコミュニケーション能力は必要ですし、リーダーシップ・マネジメントスキルは、グループ、チームをまとめるうえで欠かせないスキルです。
生産管理といった現場に近いリーダー研修以外にも安全管理上のリスク管理、労働災害防止のための意識向上の研修も考えられます。
また問題解決力、改善思考力を身に着ける研修やロジカルシンキング研修も有益です。
もちろんこうした能力開発研修がキャリアパスにつながるものであることを明確にして下さい。ジョブローテーションなどもキャリア選択の一つとして捉えていただいて下さい。

このコラムでも何度か取り上げていますが、必要なのは、トップからの明確なメッセージとして伝えることです。そのためにも、まずは現状をしっかりと把握して、課題は何かをトップとすり合わせて下さい。トップを含めた経営層の考え方と現場を指揮する管理者との間で、認識にギャップがあっては、トップからのメッセージも形ばかりになります。
そのうえで、「目指すべき組織風土」を明確化して下さい。最近では、「パーパス」として言語化して会社全体の方針として示す企業が多くなっています。
目指すべき姿が明確になれば、次はそのための仕組み作りです。従来の評価、制度、各種の仕組みを変えることになります。そうして、この変化を体験させ成功事例を積み上げていきます。ポイントは、上からの指示だから、決まったことだからと他人事のような流れを作らないことです。そのためにも現場を指揮する管理職をしっかりと巻き込み、継続的に改善する仕組みを作って下さい。社員が、少しだけど変わってきたなと感じるようになれば成功です。

当社についてのことでしょうか。規模的に大きくないですし、採用もコンサルタント職主体で、他部署への異動は少ないです。もちろん社員は採用時に適性検査を受検していますので、適性をみて配置しておりますが、異動の際はそれまでの部署での業績、評価を参考にしながら判断しています。規模が小さい場合は、本人の希望や適性よりも人員のバランスや経営上の必要性が優先される場合も多いですし、異動後に適応できるかどうかが課題となります。

新卒採用がインターンシップ実施の前倒しにより早期化、長期化していることもあり、企業側の負担も大きくなっています。企業の採用担当からも「他社はどうやってリクルーターや面接官への参加要請の協力を社内に通しているのか」というご質問を度々受けます。 やはり、経営陣からのメッセージをまず発信していただくことが重要です。「採用が会社全体の課題であり、現場の協力が不可欠であると考えている」と伝えてもらいます。 現場の社員の方々も、日々の仕事の中で人手不足感を感じているでしょうし、新聞やネットでも度々話題になっていることは知っています。会社の成長には「採用が重要であり、人手不足が続くと自分たちの現場にも影響がある」と理解してもらうことです。優秀な人材の採用は、自分たちのチームの将来にもプラスになることだと理解してもらいましょう。 かといって強制的に協力させては、抵抗感がつのり反発が起こります。OB・OGとしての座談会や質問会など参加しやすい形式から協力してもらい、協力的な社員の中で徐々に面接官を増やしていくといった段階的なかかわり方はどうでしょうか。 「現場の社員が採用に関わってくれたので良い人材が採用できた。採用に協力した結果、新入社員や若手への指導がやりやすくなった。」などの成功事例を共有していくことも効果的です。 まずは全社挙げて総力戦でいき、非協力的な人を外していくか、一部の社員を巻き込んで成功体験から広げていくか、御社にはどちらが良いでしょうか。 物価の上昇が止まりません。特に食料品は必要不可欠ですから大変です。食べ盛りのお子さんがいる大人数のご家族はもちろん、一人暮らしでも切実な問題でしょう。 まずは、節約(削減)しづらいものは何かから考えます。若いとはいえ、食事を抜くことや安価だからと偏った食事ばかりすることは、健康に悪い影響が出ます。こうした健康に関わる食事や病気の際の医療といったものは、節約しすぎないようにしましょう。また、将来に対する自己成長のための投資は継続させてこそ効果が上がります。勉強や資格取得、スキルアップというものは、可能な範囲で継続しましょう。 そうなるとこれ以外の生活に関わる費用をどう節約するかです。住居費も遠隔地であれば下げることができますが、一番は、交際費や娯楽費といった費用ではないでしょうか。仲間や友人と過ごす時間は楽しいかもしれませんが、過度に付き合っていては、散財となります。ひと月の枠を決め、守り切りましょう。独りで過ごす時間も工夫次第で有意義なものにできます。 若い人には必需品のスマフォ代もそれなりの支出です。格安スマフォへの切り替えや契約内容の見直しもまめにやりましょう。他にもあるはずです。 そしてこうした節約を意識した生活をしたうえでこそ、毎月の貯金をおすすめします。これは、どちらか一方を選択すれば良いという問題ではありません。御社の事業成長に必要な人材戦略を踏まえながらバランスを考えた採用をお考えになるべきです。 就活中の学生や新入社員対象の意識調査でも「ライフバランス」を重視する傾向は強くなってきています。ただ、これは「遊びに比重を置き働きたくない」ということではありません。むしろ将来の自分の成長を考えるからこそ、自分を大切にしてワークバランスを大切にしたいと考えているということです。成長につながるキャリア機会の重要性は理解しています。 現場管理職世代の「若いうちは経験を積むように」という考え方も当然です。経験値を身につけた方が、将来のキャリアへの選択肢、チャレンジできるフィールドが広がるはずですから。 会社としての理想は、若いうちから自己成長を考える人とワークライフバランスを大切にしながら仕事もしっかりやっていきたいという人をバランス良く活用していくことです。 マイペースの人ばかりの集団では、事業の成長や革新は期待できないかもしれませんし、自己成長ばかり考える人の集団では組織としてのパワーの発揮や持続性が期待できないかもしれません。 採用時にこうした多様な人材を受け入れる土壌のある会社であるか、どの程度のバランスをとっていくか社内で議論をして下さい。

従来の採用基準をどのように見直した結果として、パフォーマンスが落ちてきているのであれば、新たな採用基準、採用プロセスに問題がないか見極める必要があります。
問題の原因を明確にし、具体的にどこを改善すべきか探りましょう。

採用基準の変更がパフォーマンスの低下に関連性があるのか、まずパフォーマンスが低いとされる理由を考えて下さい。スキル不足なのか、ポテンシャルはありそうなのにモチベーションが低く成果につながらないのか、そもそも仕事とも適性があるのかなどです。

過去の採用基準で採用された既存社員のパフォーマンスとも比較し違いを洗い出します。
採用基準を変えたものの採用プロセスが従来のままで、適性が正しく測れていない場合もあります。
また選考から採用、入社後のオンボーディングプログラムが新たな採用基準に対応していないケースも考えられます。新しい採用基準で採用された人材でありながら受入れ側が、従来型の人材として扱えば、採用された側の間でミスマッチが生じてしまいます。

パフォーマンスが確実に上がっていくには時間がかかる場合もありますし、定着性とパフォーマンスの両立は難しいものです。採用と育成の両面から考え、その効果を定量的に把握し、継続的に見直していくことで経営陣にも理解をしていただきましょう。