工場勤務の従業員が多いということはエンジニアが多いということだと思います。必要な技術・知識といったスキルは明確になっていると思いますが、それ以外にも能力開発できるスキルはあります。
上司や同僚との円滑なやり取りをするうえでもコミュニケーション能力は必要ですし、リーダーシップ・マネジメントスキルは、グループ、チームをまとめるうえで欠かせないスキルです。
生産管理といった現場に近いリーダー研修以外にも安全管理上のリスク管理、労働災害防止のための意識向上の研修も考えられます。
また問題解決力、改善思考力を身に着ける研修やロジカルシンキング研修も有益です。
もちろんこうした能力開発研修がキャリアパスにつながるものであることを明確にして下さい。ジョブローテーションなどもキャリア選択の一つとして捉えていただいて下さい。
このコラムでも何度か取り上げていますが、必要なのは、トップからの明確なメッセージとして伝えることです。そのためにも、まずは現状をしっかりと把握して、課題は何かをトップとすり合わせて下さい。トップを含めた経営層の考え方と現場を指揮する管理者との間で、認識にギャップがあっては、トップからのメッセージも形ばかりになります。
そのうえで、「目指すべき組織風土」を明確化して下さい。最近では、「パーパス」として言語化して会社全体の方針として示す企業が多くなっています。
目指すべき姿が明確になれば、次はそのための仕組み作りです。従来の評価、制度、各種の仕組みを変えることになります。そうして、この変化を体験させ成功事例を積み上げていきます。ポイントは、上からの指示だから、決まったことだからと他人事のような流れを作らないことです。そのためにも現場を指揮する管理職をしっかりと巻き込み、継続的に改善する仕組みを作って下さい。社員が、少しだけど変わってきたなと感じるようになれば成功です。
当社についてのことでしょうか。規模的に大きくないですし、採用もコンサルタント職主体で、他部署への異動は少ないです。もちろん社員は採用時に適性検査を受検していますので、適性をみて配置しておりますが、異動の際はそれまでの部署での業績、評価を参考にしながら判断しています。規模が小さい場合は、本人の希望や適性よりも人員のバランスや経営上の必要性が優先される場合も多いですし、異動後に適応できるかどうかが課題となります。
新卒採用がインターンシップ実施の前倒しにより早期化、長期化していることもあり、企業側の負担も大きくなっています。企業の採用担当からも「他社はどうやってリクルーターや面接官への参加要請の協力を社内に通しているのか」というご質問を度々受けます。 やはり、経営陣からのメッセージをまず発信していただくことが重要です。「採用が会社全体の課題であり、現場の協力が不可欠であると考えている」と伝えてもらいます。 現場の社員の方々も、日々の仕事の中で人手不足感を感じているでしょうし、新聞やネットでも度々話題になっていることは知っています。会社の成長には「採用が重要であり、人手不足が続くと自分たちの現場にも影響がある」と理解してもらうことです。優秀な人材の採用は、自分たちのチームの将来にもプラスになることだと理解してもらいましょう。 かといって強制的に協力させては、抵抗感がつのり反発が起こります。OB・OGとしての座談会や質問会など参加しやすい形式から協力してもらい、協力的な社員の中で徐々に面接官を増やしていくといった段階的なかかわり方はどうでしょうか。 「現場の社員が採用に関わってくれたので良い人材が採用できた。採用に協力した結果、新入社員や若手への指導がやりやすくなった。」などの成功事例を共有していくことも効果的です。 まずは全社挙げて総力戦でいき、非協力的な人を外していくか、一部の社員を巻き込んで成功体験から広げていくか、御社にはどちらが良いでしょうか。 物価の上昇が止まりません。特に食料品は必要不可欠ですから大変です。食べ盛りのお子さんがいる大人数のご家族はもちろん、一人暮らしでも切実な問題でしょう。 まずは、節約(削減)しづらいものは何かから考えます。若いとはいえ、食事を抜くことや安価だからと偏った食事ばかりすることは、健康に悪い影響が出ます。こうした健康に関わる食事や病気の際の医療といったものは、節約しすぎないようにしましょう。また、将来に対する自己成長のための投資は継続させてこそ効果が上がります。勉強や資格取得、スキルアップというものは、可能な範囲で継続しましょう。 そうなるとこれ以外の生活に関わる費用をどう節約するかです。住居費も遠隔地であれば下げることができますが、一番は、交際費や娯楽費といった費用ではないでしょうか。仲間や友人と過ごす時間は楽しいかもしれませんが、過度に付き合っていては、散財となります。ひと月の枠を決め、守り切りましょう。独りで過ごす時間も工夫次第で有意義なものにできます。 若い人には必需品のスマフォ代もそれなりの支出です。格安スマフォへの切り替えや契約内容の見直しもまめにやりましょう。他にもあるはずです。 そしてこうした節約を意識した生活をしたうえでこそ、毎月の貯金をおすすめします。これは、どちらか一方を選択すれば良いという問題ではありません。御社の事業成長に必要な人材戦略を踏まえながらバランスを考えた採用をお考えになるべきです。 就活中の学生や新入社員対象の意識調査でも「ライフバランス」を重視する傾向は強くなってきています。ただ、これは「遊びに比重を置き働きたくない」ということではありません。むしろ将来の自分の成長を考えるからこそ、自分を大切にしてワークバランスを大切にしたいと考えているということです。成長につながるキャリア機会の重要性は理解しています。 現場管理職世代の「若いうちは経験を積むように」という考え方も当然です。経験値を身につけた方が、将来のキャリアへの選択肢、チャレンジできるフィールドが広がるはずですから。 会社としての理想は、若いうちから自己成長を考える人とワークライフバランスを大切にしながら仕事もしっかりやっていきたいという人をバランス良く活用していくことです。 マイペースの人ばかりの集団では、事業の成長や革新は期待できないかもしれませんし、自己成長ばかり考える人の集団では組織としてのパワーの発揮や持続性が期待できないかもしれません。 採用時にこうした多様な人材を受け入れる土壌のある会社であるか、どの程度のバランスをとっていくか社内で議論をして下さい。その人が御社に入社して期待通りの成果を出せる人材であるかをきちんと見極めることが必要という点では、日本人の採用と同じです。
もちろん、いざ採用することになれば就労ビザの取得が必要ですから業務内容に適したビザの種類や要件を確認することが重要です。
また働き方や仕事内容についての理解にどの程度の日本語能力が必要となるか、共通言語として社内で英語が使われているのであればどの程度の英語力が必要となるか採用基準を明確にしておく必要があります。
面接は、日本人の面接と基本的には変わりません。ただ外国人の面接の際には、こちら(採用する側)の外国人採用の狙いと目的を明確にして、応募者にきちんと伝える必要があります。「外国人として日本人とは異なるミッションのもとで仕事をしてもらうのか、日本人と同様に仕事を覚えてもらいながら適性をみながら柔軟な配置を考えているのか」を決めずに面接を行うと相手側の具体的な仕事内容やキャリアパスについての質問に答えきれない場合が出ます。この点を不明瞭にしたまま採用すると入社後にミスマッチからすぐに退職ということになります。
「細かいことは入社後に話し合いながら決めていきましょう」といったあいまいさは外国人には通用しません。勤務条件、仕事内容・範囲、処遇などの雇用条件をきちんと書類にまとめ、双方で確認をします。お互いが、具体的な条件を提示しながら確認していくぐらいの進め方が大切でしょう。
採用決定から入社後もしっかりとサポートする必要があります。言語の壁や文化の違いなど相手から話をしてもらってこちら側が気づくことも多いです。不安や孤立感を与えないように定期的にコミュニケーションを取って下さい。
子育て全般というのではなく、子供にどうスマフォを使わせればいいのかということですね。世界的にSNSが子供に与えるマイナスの影響が深刻な問題になっているのは、ご存じだと思います。昨年にはオーストラリア政府が、16歳未満の子供たちによるソーシャルメディアの利用を禁止する、「世界に先駆けた」法案を提出する予定だと発表して大きなニュースになりました。
子供のスマフォ利用については、各キャリアでスマフォを契約するとキッズ対策の簡単なパンフレットをくれますが、その通りにしてもなかなかうまくはいきません。我が家でも、使用時間の限定ルールやアクセスするコンテンツ制限を実施し、親のスマフォから子供のスマフォの使用状況のわかる監視アプリを入れてみましたが、結局うまくいきませんでした。
子供同士のスマフォについての情報交換やSNS利用がある限り、家庭だけで対策するのは難しいというのが素直な感想です。
お子さんがおいくつなのかわかりませんが、小学生ぐらいと仮定しますと、基本は、守れる範囲でルールを明確に設定してお子さんに約束させることです。ルールを破った場合は、いったん取り上げるなどの処置も盛り込みましょう。逆に試験前に一定期間使用しないで我慢できれば、試験明けには長く使わせるというご褒美も効果があるかもしれません。
大切なことは、単に許可する、取り上げるということではなく、子供にスマフォ使用のリスクとメリットをしかりと意識させることです。SNSでの書き込み、ネットゲームにのめり込むことがいかにリクが大きいかを理解させましょう。
親がスマフォやPC・テレビ画面に見入っていて、お子さんとの会話がないようでは、困ります。
スマフォに頼らなくても楽しい時間を過ごせること、読書やスポーツ、音楽などお子さんと一緒になって時間を過ごしましょう。
依存になりそうかどうかは使用時間の変化、増加傾向でわかります。
子供部屋にスマフォを持ち込んで長く使用させるのは、依存のリスクが高まります。寝不足など体調面にも悪影響をもたらします。スマフォは、リビングに置いておくようにさせましょう。
高学年になれば、自分でバランスを取れるようになります。お子さんを信頼しながら、温かく見守ってあげて下さい。
会社都合で異動や配属を一方的に決定できる時代ではありませんが、全社的観点から異動や配置転換が必要な場合も当然あります。「本人の希望・適性・現場からの要望」の3点のどれを優先事項とするかは、その会社の人事に関する方針や事業や組織の状況などによって異なりますが、異動や配属は「適材適所を踏まえ、その人が成果を出すことを期待して行うもの」であるはずです。
その点からは、まずは「本人の希望」を可能な限り考慮すべきでしょう。特に家族や生活環境など個人的な事情がある場合は、配慮を欠くとそのまま離職につながるケースが多々あります。
社員がどのような点にモチベーションや満足度を感じているのか、どのようなキャリアを築いていこうと考えているかなど、しっかりとヒアリングすることが必要です。
もちろん、異動先、配属先で本人が成果を出せるかどうかは、適性があるかどうかが大きく関わってきます。本人がモチベーションを高く持って強みを活かせる場所でこそ能力を発揮でき、かつチーム全体のパフォーマンスも向上するはずです。
長期的な視点からも、適性がない部署では成長が停滞したり、組織にマイナスの影響を与えるリスクが生じます。これまでの業績成果とアセスメントデータを活用してしっかりと適性を判断して下さい。
会社ですから、現場からの要望も当然あります。彼、彼女がほしい、あの人材なら即戦略として期待できるといった要望からの異動もあるでしょうし、将来の成長のためにこの仕事を経験させたいという場合もあるでしょう。この場合は、本人、現場に対して異動や配属についての理由を明確にして、適切な説明を行い、納得をしてもらい実行することが大切です。異動理由には、本人の希望や適性を考慮し、できるだけ近い部署への異動ができれば不満も和らぎます。
どのような観点を優先するかはバランスを取っていくしかないのですが、大切なことは短期的な異動・配属理由ではなく、その社員が5年後、10年後にどう成長しているかを考えることです。
この異動が、この先にリーダーとなるための本人の成長機会となるとなれば、社員も安心して異動できるのではないでしょうか。
従来の採用基準をどのように見直した結果として、パフォーマンスが落ちてきているのであれば、新たな採用基準、採用プロセスに問題がないか見極める必要があります。
問題の原因を明確にし、具体的にどこを改善すべきか探りましょう。
採用基準の変更がパフォーマンスの低下に関連性があるのか、まずパフォーマンスが低いとされる理由を考えて下さい。スキル不足なのか、ポテンシャルはありそうなのにモチベーションが低く成果につながらないのか、そもそも仕事とも適性があるのかなどです。
過去の採用基準で採用された既存社員のパフォーマンスとも比較し違いを洗い出します。
採用基準を変えたものの採用プロセスが従来のままで、適性が正しく測れていない場合もあります。
また選考から採用、入社後のオンボーディングプログラムが新たな採用基準に対応していないケースも考えられます。新しい採用基準で採用された人材でありながら受入れ側が、従来型の人材として扱えば、採用された側の間でミスマッチが生じてしまいます。
パフォーマンスが確実に上がっていくには時間がかかる場合もありますし、定着性とパフォーマンスの両立は難しいものです。採用と育成の両面から考え、その効果を定量的に把握し、継続的に見直していくことで経営陣にも理解をしていただきましょう。