国内の一部の大学の学部卒業者や海外の大学卒業者を除けば、4月入社がほとんどです。またジョブ型採用も広がってきてはいますが、総合職採用がまだまだ一般的です。
卒業が確定するのは2月下旬以降ですから、企業側も確定したうえで配属先を検討し通知します。このため従来は入社1ヶ月前から入社直前までに通知をするのが一般的でした。地方配属の場合は、引っ越し準備等もあるので、もう少し早めという配慮はあります。
もちろん、入社後の3ヶ月あるいは6ヶ月の研修期間中は配属しないかあくまで仮配属として研修後に正式に配属通知を出し決定という流れもあります。大手家電メーカーでは、工場での実務研修と系列販売店での販売研修を経て正式配属先を決定している時代もありました。
ただ、ここ数年は内定中に学生本人と面談し希望を聞いたうえで配属先を決めている企業が増えています。
これは、「就社」ではなく「就職」つまりどの仕事ができるかで入社先を決める学生が多くなってきているからです。「入社した以上は会社の指示に従え。どんな仕事でも経験と思って頑張れ。」という企業寄りの考え方は、受け入れられなくなってきています。
新人の配置を希望する部署の社員が自分の部署の仕事の面白さをPRして、内定学生に選ばせる逆ドラフト制を敷いている企業もあるくらいです。
選考中、内定後に本人の適性を考慮しながら希望の部門をヒアリングして、きちんと話し合う、会社側の期待を説明しながらフィードバックする機会を設け、できるだけ早い時期に通知するのが良いのではないでしょうか。
研修直後に、「これでは期待した仕事ができそうもないので辞めます」という早期退職を防ぐことにもつながります。
特定の部門で離職が続いているということですが、まずはその要因を正確に把握する必要があります。マネージャーに原因があるかもしれませんし、その部門がおかれた状況や組織構成に関係があり、必ずしもマネージャーに起因するものでもない可能性もあるからです。マネージャーだけに離職要因の責任を負わせるような先入観を持つことは避けて下さい。
マネージャー自身がもっとサポートを必要としている状況かもしれませんしマネジメントとは別に社員側に仕事に対するエンゲージメントが低下する要因があるのかもしれません。
まずは、人事部門が離職率の高い部門の社員と直接コミュニケーションをとり意見や不満をヒアリングしてみて下さい。360度評価を実施しマネージャーのマネジメントに関するパフォーマンスを客観的に評価できるデータを収集することも有益です。
360度評価のデータがあれば、研修時にマネージャー自身がリアルに自分の課題に向きあうことができ、改善に向けた意識改革やその後の計画設計など研修効果も期待できるものになるはずです。
任されたチームにおいて会社からの期待値をはるかに越える成果を継続的に達成でき、かつチームメンバーの成長を促すことができるマネージャーでしょうか。
期待以上の成果をコンスタントに出し続けるのは非常に難しいことです。常にそれまで以上の結果を望まれますし、メンバーにもそれだけの負荷をかけることになります。そうしたミッションを理解したうえでサポートしつつ、部下が自律的に成長できるように指導できているかが評価のポイントです。
なお、ここまで優秀なマネージャーであれば、あっというまにディレクターやそれ以上の経営幹部候補に昇格していきます。優秀なマネージャーと評価されていても長くそこに留まっているようでは、実はそれほど優秀ではないということですね。
必ずしも入社後何年目までという基準はないでしょう。
業界や業務内容によっても違いますし、規模によっても異なります。その会社が、新入社員や途中で加わった社員に対して成長度合いをどの程度の期間でどこまで期待するのか、将来的にどのような役割を果たしてくれるのかを期待し、またそのためにいつ頃まで会社として継続的な研修が必要かを判断して決めるべきものでしょう。
もちろん事業の変化や会社の方針の変更によっても対応が必要となります。
新卒が一人前になるのに3年はかかる、「石の上にも三年」の辛抱などのように言われますが、
3年間から5年間が一般的でしょうか。
それ以降は、成長した結果として主任やマネージャー以上に昇進昇格していきますので、それぞれのポジションに合わせた階層別研修になっていきます。
研修は、会社側のこうあるべきという押しつけではなく、社員自身が自己成長やキャリアの向上のために学びの機会をしていかなければなりません。継続的に学ぶ習慣をつけていって下さい。
一般的な効果的なオンボーディング施策は、新入社員や中途入社者が円滑に組織に馴染み早期に成果を出すように支援する取り組みです。
当然場当たり的なものではなく、事前の計画と準備が必要です。特に新入社員や中途入社者に何を期待しているのか、どういう役割を果たしてもらいたいのかを明確にし、目標達成のためのタスクを共有します。もちろん各自の目標が組織(会社)としての目標達成に貢献するものであるという点も伝えなければなりません。また目標に必要なスキルや知識を習得するためのトレーニング、システム加えてメンターシッププログラムといったサポートが必要です。
こうしたオンボーディングプロセスの進捗を会社側と当人たちとが確認できるようにフィードバックを行いフォローアップをしていくことができればさらに有効です。
当社には特に特徴的なオンボーディング施策があるわけでもありません。入社直後から目標達成のために相互認識を深めること、メンター的な役割の先輩社員に積極的にコミュニケーションを取ってもらうようにお願いをしています。
まず、上司の仕事として部下の育成も含まれていると会社から明確に伝えているのでしょうか。育成内容に対する評価が上司(管理職)としての評価につながると明確になっていますか。
プレイヤーとして優秀だった人を高く評価し管理者にした場合に、往々にして部下に対してもしっかり指導をしてくれるだろうと期待しがちですが、自分のことと部下のこと(面倒)を管理するのはまた別です。またチームの成果が優先で部下個々人の育成に目がいかないことも多いのです。上司にする際に、管理者としての心構え、果たすべく業務内容をしっかりと研修、指導して下さい。
積極的で前向きな上司は、部下との目線合わせが上手です。目指すべきビジョン、目標を部下と一緒になって考え共有し部下のモチベーションを高めます。後ろ向きの上司は、場あたり的な指導に留まり目指すべき方向性が不明確です。
前向きな上司は、部下の成長をサポートし育成計画をフィードバックを交えながらともに考えますが、後ろ向きの上司は、成長や学びを後回しにして、結果のみを求めます。
後ろ向きの上司は、部下とのコミュニケーションが苦手、不足している場合が多く、指導内容もネガティブになる傾向があります。こうした上司の場合は、トレーニング、教育をしっかりと実施してあげる必要があります。リーダーシップトレーニングやコーチングプログラムに参加することも有益ですし、部下や同僚からの意見を上司本人にフィードバックして自身の指導法を見直す機会を提供してあげて下さい。
後ろ向きでも変われる可能性は十分にあります。
在宅ワーカーの採用ということですが、業務請負契約を結んでの個人の採用ということでしょうか。もしかなりの人数を採用する計画であるなら、在宅ワーカーを多数抱えている会社と契約するか業務自体をまるごとアウトソーシング会社に委託した方が効率的かとも思います。
御社で在宅ワーカーを直接採用するということであるなら、リモート前提の仕事ですからコミュニケーション能力が高い人が望ましいです。報連相は当たり前ですし、必要な情報共有もできないといけません。在宅勤務ですから、自己管理能力が高くスケジュール管理ができ自主的に仕事を回せる人が適切です。サボらずノルマをこなせる人をということですが、目標達成意欲の高い人を選び、さらにこれまでの目標(ノルマ)達成の実績を具体的に示してもらい確認しましょう。
もちろん在宅ワークに必要なスキルや技能が備わっているか、採用後の追加研修や訓練でカバーできる範囲かもチェックして下さい。
以上の適性は、アセスメント検査でも確認できますので、アセスメントを実施し、面接の際に確認ポイントの資料としてご活用下さい。
定量的に把握することは難しいことです。具体的な業績指標(KPI)を設定しその達成度合いをモニタリングできれば理想的ですが、そのためにも、次のようなアプローチを試みてはいかがでしょう。
サーベイの実施です。社員や関係者にアンケートを行い、MVVについての理解度、共感度を尋ねます。回答者がどれだけMVVについて理解しているか具体的な質問をすることがポイントです。また、インタビューを通じて直接的なフィードバックを集めます。チームごとにワークショップを開催しMVVについての議論やアイデアの共有をはかります。
社内のコミュニケーションツールがあるのであれば、MVVに関するトピックス、キーワードがどの程度出てくるか、どのようなコメントが関連付きしているかなどを分析してみることも有効です。
各階層ごとに実際の行動を観察し、MVVに基づいた行動ができているか、上長は課員にMVVに基づいた指導ができているかなどを評価します。
これらを組み合わせることでMVVについての理解度、共感度を定量的に把握することができるのではないでしょうか。
効果的も何も、これでは上長としての仕事をしていないのと同じことです。「忙しい」は理由になりません。部下が「忙しいので、できませんでした」と言ってきたらどうするのでしょうか。
まずは、上長自身が自己変革できるように会社としてサポートしてください。何ができていないのか、何故できないのかを認識させ主体的に改善策を考えさせてください。もちろんスキル開発やトレーニングを提供することも大切です。
一方で課員とのコミュニケーションをしっかり取れるように指導してください。課員たちがどのように仕事をし、どんな課題に苦労しているか理解し、サポートすることの重要性をわからせてください。
もちろん本当に忙しさが理由の一つである可能性もあります。上長の勤務状況も会社として把握し対応する必要があります。上長がワークライフバランスを尊重できる環境でなければ課員も安心、信頼して仕事ができませんし、双方のコミュニケーションを強化させることもできませんから。
一つの会社に定年まで居続けるのではなく、自分のキャリア形成のためにも転職することが当たり前になりつつあります。そうは言っても前職の勤務先での年数があまりに短い場合は否定的に受け取ることが多いとは思います。たまたま前職でミスマッチが生じたのだろうと気にしない企業もあるでしょうが、複数回(複数社)そうした転職経験を繰り返している場合は、別でしょう。もちろん企業によって考え方は様々ですから、新しい経験や技術の獲得、違う環境に対応できる柔軟性を高く評価し、短期間の勤務であってもその人の実力次第という企業もあることでしょう。
当社の場合もそうした短期間での繰り返し転職では慎重にならざるをえませんので、アセスメント結果を参考にしながら充分時間をかけて面接を行います。ご本人からはご自身の仕事観や前職での物足りなりなさから、だらだらと居続けることはせず短期間で転職の決断をしたことに何ら後悔していないといった発言が聞かれますが、第三者からみるとそうした考え方と本人の行動とに大きなギャップを感じることが多いです。
御社への転職をチャンスと捉えて応募しているとは思いますが、御社にとって必要な人材か、御社の組織風土になじんで実力を発揮してもらえるか、じっくりと時間をかけて判断して下さい。