大学3年生/修士1年生の夏のインターンシップからはじめれば問題ありません。学生は就職活動のために生活しているわけではありません。就職は重要事項ですが、大学生には大学でやるべきより重要なことがあります。また、大学生はどんどん成長し変化します。先手必勝はおそらくその通りだと思いますが、早く接触しても成長著しい若者はどんどん変わってしまいます。多くの学生が就職活動を開始する時期を見定めて、早過ぎず出遅れず、活動すべきだと考えます。
キャリア自律支援は概ねエンゲージメントを高め、定着を促す効果のある施策です。この取り組みが退職の誘因につながるケースは限定的です。転職活動をして明らかに高い待遇で望んだ仕事ができる会社から内定がもらえるケースが該当しますが、そんな都合の良い話はそうそうありません。
このご説明は、キャリア自律支援が退職につながることを懸念する方に対する説明です。一方、中小企業こそローパフォーマーを部署異動させてうまく活用できる可能性が低いので、本人が納得して自ら進んで退職する状況を作る必要があるという考え方もあります。中小企業にはうまく活用できない社員を抱える余裕はないからです。
キャリア自律支援を退職勧奨のために行うのは間違った行為ですが、結果的により活躍が期待できる他社に従業員が目を向ける機会となるのは望ましいことだと考えます。
クリエイティビティとは新しいものを生み出す能力です。クリエイティビティを発揮する上で最も重要なのは新しいものを生み出したいという欲求です。この欲求が何によって生まれるかは人により様々です。人との関わりの中で欲求が生まれることもありますのでこの点でもコミュニケーションは重要です。また、様々な知識や考え方、視点、アイデアはクリエイティビティの要素です。これらの要素を問題解決のために柔軟に組み合わせたり、統合したり、部分を抜き取ったりしながら、今までにないものを生み出します。
他の人が持っているものを取り入れるためにコミュニケーションは不可欠です。コミュニケーションの相手がクリエイティブな人である必要はありません。出来るだけ多様な人とコミュニケーションをとることをおすすめします。
はじめに
今の時代に理想的なリーダーとはどのような人だと思いますか?今までに様々な学者がリーダーシップに関する膨大な研究を行ってきました。本当にたくさんのリーダーシップモデルが存在する今日、リーダーシップは多様であるためリーダーの置かれた環境に最適な行動をとることが最も優れたリーダーシップの発揮方法と考えてしまうのが最適解かもしれません。リーダーも適材適所と私は考えています。
さて、これからご紹介するエンタープライズリーダーはSHLが定義した新しい時代のリーダーシップモデルです。エンタープライズ・リーダーシップとは何か、なぜ今エンタープライズリーダーが求められるのかご説明いたします。
エンタープライズリーダーとは
エンタープライズリーダーとは、SHLが定義する新しい時代に求められるリーダーのことです。新しい時代といっても未来のことだけを言っているのではなく、大きく素早い変化の渦中にある現在に求められるリーダーを指します。定義は次の通りです。エンタープライズリーダーとは、個人の業績目標を達成し、他者の業績向上に貢献し、他者の業績から力を引き出し、チームにも同じことをするよう促すリーダーです。
エンタープライズリーダーは自分の担当領域だけでなく他部門を含めた企業全体に貢献し、加えてチームが自チームの業績だけでなく他チームを含めた企業全体に貢献できるようにします。
複雑さを増す環境
今、世界中で働く人々の意識が変化しています。大きな影響を与えた出来事は新型コロナウィルスの世界的流行です。リモートワーク、多様性、公平性、包括性、帰属意識、意義、目的を仕事や職場に求める動きが世界中で起きています。SHLの調査は、これらの変化がリーダーに以下の影響を及ぼしたと報告しています。・意思決定をするために、多くの同僚や部下とコンセンサスを築かなければならない
・責任範囲が広がり、部下の専門知識に頼らざるを得ない
・不慣れな人間関係に対して新しい組織文化を浸透させなければならない
・チームの日常を見ることができないため、メンバーを完全に信頼しなければならない
・指示をしなくても、メンバーが自律的に動けるようにしておかなければならない
・メンバーがお互いに指導や支援、能力開発し合う文化を築かなければならない
加えて、多くの企業が今のリーダーに対して以下3つの問題意識を持っていることがわかりました。
1. 組織の将来ニーズに対応する準備をしているリーダーが少ない
2. 経営・事業レベルのコラボレーションを主導できるリーダーが少ない
3. 自部門だけでなく会社全体を考慮して意思決定しているリーダーが少ない
これら調査結果を踏まえ、今日のリーダーに求められる役割行動を次の通り要約しました。

今日のリーダーに求められる10の役割行動
リーダーに求められる役割行動は10あり、三つのグループに分類できます。一つ目はビジョンを描き戦略を立てることに関するもの。以下の5項目です。
1)長期ビジョンを設定する。革新性と創造性を発揮し、「what-if」を問う。
魅力的なビジョンを描き、みんなの共感と賛同を得ることが重要です。リーダーがどのように世界をよくしていきたいかをメンバーは知りたがっています。
2)楽なことより正しいことをする。意味、目的、理由を明確にする。
パーパス経営という言葉が流行っています。ポストコロナの現代において、儲かるだけの会社では選ばれません。どのような存在意義があり、どのように社会に貢献するための組織なのか。そしてその社会貢献のあり方は正しいものなのかを人々は見ています。
3)人々を組織の目的に結び付け、みんなの考え方を変える。
各従業員の価値観、人生観、キャリアプラン、生活環境、個人的事情などと組織方針や戦略を結び付けることによって、全メンバーの意欲を引き出し、適材適所の配置によって才能を引き出します。すべての従業員を生かす組織の在り方を示すことでみんなの考え方は変わっていきます。
4)事業の戦略的意図を浸透させる。
いくら優れた戦略を立案しても、全メンバーが戦略を理解していなければ何の意味もありません。笛吹けど踊らずの理由は、これがうまくできていないからです。
5)組織文化を明確にして、行動と価値観のモデルを示す。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのクレド、アマゾンのプリンシプル、ネットフリックスのカルチャーデックは有名な成功事例です。多くの企業でミッション、ビジョン、バリューを持っていると思いますが、行動規範としては抽象度が高いものが多いように感じます。バリューを実践するためのコンピテンシーがあれば、具体的な行動モデルを示すことができます。
二つ目は戦略を実行することに関するもの。以下の3項目です。
6)積極的に意思決定し、組織課題の解決策を見出す。
リーダーは速やかに意思決定しなくてはなりません。環境の変化が早く大きいからです。意思決定のタイミングを逃せば、問題解決はより困難さを増します。小さな組織課題が組織戦略を崩壊させるきっかけとなる可能性もあります。
7)権限委譲し、信頼する。インクルーシブアプローチに従い、共創する。
権限移譲できなければ、大きな組織をリードすることは不可能です。また多様性を受け入れるだけでなく、積極的に活用することがイノベーションを生みだす起爆剤となります。同質なメンバーによる密室での議論、リーダーによる独裁的な決断が、世界をゆがめていく様子を私たちはよく知っています。
8)人の成功を支援し、人を通じて成果を出す。
マネジメントの本質は「人をして事をなさしむ」です。執行型のリーダーとしての役割を端的に述べています。
三つ目は人との関りを作り出すことに関連するもの。以下の2項目です。
9)人を鼓舞し説得することで、社内外でパートナーシップを築く。
リーダーはその権限によって部下に対する支配力を持つと考える人がいますが、おそらくその人は自分が部下をマネジメントした経験がないか、部下をコントロールできていない人です。人は権限に従うのではありません。ビジョン、情熱、勇気、誠実さ、優しさ、感謝、知性などを示すリーダーの人の魅力に従うのです。真のリーダーは組織のヒエラルキーや権限に関わらず、社外であっても同じように影響力を行使できます。
10)変化への順応性と開放性。組織の枠にとらわれず、外部の人と関わる。
今いる従業員だけで対応できる変化だとしたら、その変化は些細なものです。現在起こっている環境変化は、組織に対して新しい能力、知識、技術を求めます。外部の人とのコラボレーションを抜きにして環境変化に対応するイノベーションを生み出すのはかなり困難なことと言えるでしょう。
エンタープライズ・リーダーシップの役割とコンピテンシー
最終的にSHLはエンタープライズリーダーの役割を四つに要約し、それらの役割遂行に求められる12項目のコンピテンシーを定義しました。役割の一つ目はリーダー・タスク・パフォーマンス。自分自身のタスクを遂行し、目標達成する役割のことです。二つ目はリーダー・ネットワーク・パフォーマンス。他の人の業績を改善し、その人に貢献してもらうことで自分の業績を向上させる役割。三つ目はチーム・タスク・パフォーマンス。チームが自らのタスクを遂行し、チーム目標を達成できるようにする役割。最後がチーム・ネットワーク・パフォーマンス。チームが他部署の業績を改善し、その他部署に貢献してもらうことでチームの業績を向上させられるようにする役割。つまり自らがリーダー・ネットワーク・パフォーマンスでやっていることをチームに求めること。

これらの役割を遂行するために定義された12項目のコンピテンシーは変革、執行、ネットワークの3グループに分類されています。以下の通りです。
1.変革のためのリーダーシップコンピテンシー
方向性を示し、変化を促すために他者を鼓舞する。組織の使命、文化、戦略を形成し、組織全体に変化を促し、期待以上のパフォーマンスを発揮できるよう、他の人々の意欲を高める。
・創造と構想
・交流とプレゼンテーション
・指導と決断
・進取の気性とパフォーマンス
2.執行のためのリーダーシップコンピテンシー
戦略を効率的に実行するために従業員を組織し、指揮する。目標を設定し、業績を監視し、社員の仕事を管理し、報酬を分配する。
・分析と解釈
・適応と対処
・支援と協力
・組織と実行
3.ネットワークのためのリーダーシップコンピテンシー
組織内外の幅広いネットワークを構築し、連携させ、有効化することで、強力なネットワーク・パフォーマンスを確立する。
・ネットワークの構築
・ネットワークの活性化
・相互依存の創造
・ネットワークの有効化
おわりに
以上がSHLのエンタープライズ・リーダーシップです。エンタープライズリーダーは理論的に優れているだけでなく、実際に売上と利益の成長率にプラスの影響を与えることがSHLの調査でわかっています。個人として優れたリーダーよりも、優れたエンタープライズリーダーはネットワークの力を使って、企業の業績を向上させることができるのです。この調査についてはまた別の機会でご紹介いたします。また、今回ご紹介したエンタープライズ・リーダーシップはパーソナリティ検査OPQによって測定できます。ご興味のある方はお問い合わせください。
私は大学時代で中国哲学の授業で陰陽道を勉強しました。そこで易を習い、筮竹の実技も行いました。一般の方の中では真面目に占いを学んだ方だと思います。
で、どのくらい信じているかといわれると、当たるも八卦当たらぬも八卦、というくらいに信じています。
最も効果的であったのは、隣にお世話役の先輩社員を置くことです。お世話役は業務サポートと精神的なケアのいずれも行います。とにかく新入社員にとって話しやすく頼りになる存在であることが重要です。お世話役の選抜基準は、仕事を自らマネジメントできること、人に共感を示せることの二つです。
仕事のルーティーンは特にありません。仕事以外であれば、1時間のランニング、1時間のギター練習、30分の英語勉強がルーティーンです。ルーティーンによって楽しい時間を過ごせます。
業務に必要なスキルの洗い出しにはアセスメントデータを用いる必要はありません。職務分析を行うことで必要なスキルを定義します。
各個人のスキルを評価するためには、スキルアセスメントを活用します。近年は欧米を中心にエンジニア職の採用でスキルアセスメントを実施する企業が増えました。スキルベースの採用は流行になっています。
コスパのよい分析の切り口というご質問です。ここだけの話ですが、実は社員の傾向を分析するだけでは、パフォーマンスの向上は期待できません。世界中がピープルアナリティクスで盛り上がっているところに冷や水を浴びせる発言と重々承知しておりますが事実です。
単に社員の傾向を分析するのではなく、社員や組織のパフォーマンスを最も効果的に向上させられる人事施策を作るためのヒントとなる情報を見つけるために分析を行います。
適性テストを利用した分析が条件なら、まずはパフォーマンスの個人差に注目します。手あたり次第やるのではなく、個人のパフォーマンスが会社業績に与える影響が大きく、パフォーマンスの個人差も大きい職種、部署、部門、地域などを見つけてください。もし、そういうグループはいないということでしたら、適性テストを用いた分析ではパフォーマンスの向上に結び付く発見はできないと思います。そのようなグループを特定できたら、個人のパフォーマンスに影響を与えているパーソナリティやコンピテンシーを見つけるための分析を行います。
私は仕事だけが生きがいではないですし、今でも休日を埋め尽くしてしまう趣味を持っていますし、まとまった時間ができたらやりたいことが既にたくさんあるため、新たにやることを準備する必要はないと思っています。ただ、引退後の活動に今の仕事と同じ水準のエネルギーを投入できるよう健康と体力の維持向上は必要だと考えています。将来のためではなく日々の生活のためなのですが、日頃から適切な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を続けています。強いて定年後の準備といえば、これくらいです。