開催レポート
2025年6月24日、弊社主催の採用シンポジウム「新卒採用 各社の挑戦」がライブ配信されました。当日は、アクセンチュア株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社ニコン、三井物産株式会社の4社の人事ご担当者にご登壇いただき、自社の人材獲得戦略の取り組みをご共有いただきました。現状の課題や今後の展望についての講演とパネルディスカッションを実施し、視聴者の皆さまからのご質問にも数多くご回答いただきました。※ 社名・部署名・役職等はシンポジウム開催当時のものです。
4名のパネリストの皆様には、まずそれぞれのお取り組みについてご講演いただき、その後休憩をはさみ、「インターンシップ」「コース別採用」「面接」という3つのテーマについてパネルディスカッションを行っていただきました。最後に視聴者から寄せられたご質問にご回答いただきました。

ゲスト講演・
パネルディスカッション
牧村 夕貴 氏(アクセンチュア株式会社 人事本部 リクルーティング 新卒採用統括 マネージャー)

当社は、設立以来一貫してテクノロジーコンサルティングを手がけており、5つの事業本部を縦軸とし、横軸に業界別の専門チームの組織が存在し、これらをクロスして連携させながら、お客様のビジネス変革を支援しています。これはグローバル共通の体制です。
新卒採用では、職種別採用を行っており、2026年採用においては、11職種で募集しています。学生の皆さんは本エントリーの時点で希望職種を選択し、選考を進めます。本部をまたいで配属する職種もあります。求める人材像は、社内で活躍する社員へのインタビューや経営陣・現場の声をもとに定義しており、未来のアクセンチュアに必要なDNAとして重視しています。全国に拠点を拡大しており、東京・関西を中心に各オフィスで採用を進めています。
選考は、通常選考、英語選考、キャリアフォーラムの3本立てです。エントリーシートと適性検査の後にグループディスカッションと面接2回が基本です。一部職種ではスキルテスト等も実施します。
今期は、学生接点の強化とオペレーションの効率化に注力しました。インターンシップは対面開催を増やし、学生との接点を強化。面接は原則オンラインでの開催ですが、一部対面も取り入れました。面談ツールを活用し、OBOGとの接点機会も増やすことでフォローアップを強化しています。適性検査はテストセンターに切り替え、公平公正な選考を実現しました。地方拠点については、まだ認知度が低い状況であるため、来期は各地域でのイベント開催や露出拡大など認知度向上に注力します。また、生成AIなどのテクノロジーも活用し、書類選考の効率化を図りながら見るべきポイントに注力できるよう、より質の高い採用活動を目指してまいります。
笹倉 由衣 氏(大日本印刷株式会社 人財開発部 採用グループ)

来年創業150周年を迎える当社は、「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントのもと、暮らしを豊かにする新しい価値の創出に挑戦しています。この理念に共感し、より良い「あたりまえ」の実現を共に目指してくださる方を求めています。
当社はBtoB企業であるため、学生の認知度が就職活動初期には高くありません。そこで、外部イベントへの積極参加や採用サイトの情報充実を通じて、早期からの認知獲得に力を入れています。また、当社は幅広い事業領域を持つため、多角的な情報提供と学生自身がキャリアを選べる仕組みづくりを意識しています。インターンシップやオープンカンパニーを通じて、職場のリアルな姿を伝えることで、ミスマッチの解消を図っています。
2026年採用では、ビジネスコース・技術コースでインターンシップやオープンカンパニーを拡充。特に現場社員と深く関わる5日間インターンシップは好評です。また、事務系総合職(総合職、スペシャリスト、地域限定)、技術系総合職(オープン、部門別、地域限定)共に応募コースを多様化し、キャリア志向に応じた選択を可能にしています。
アセスメント精度の向上にも取り組み、特に面接を相互理解の重要な場と位置づけて、面接官ガイダンスを実施しています。内定者や辞退者へのアンケートや分析を通して、採用活動の改善にも努めています。
今後は、人材獲得競争が激化する中で、より相互理解を深めた採用選考の実施と、会社全体で正しく魅力的な広報を行うことが課題として挙げられます。多様な事業で活躍できる可能性を伝え、キャリア自律を促すとともに、現場社員の協力を得ながら職場理解の浸透と社内の協力体制を強化していきます。
古澤 健太 氏(株式会社ニコン 経営管理本部 人事部 採用課)

2030年のありたい姿として「人と機械が共創する社会の中心企業」を掲げ、当社では「好奇心」「親和力」「伝える力」という三つの心がけを持つ人材を求めています。
新卒採用は毎年約150名を採用し、技術系・事務系ともに「オープンコース」と「職種確約コース」の二種類の応募コースを設けています。「オープンコース」は特定の職種に限らず、複数の職種に興味がある方向けのコースです。「職種確約コース」はやりたいことが明確で、特定の職種で挑戦したい方向けのコースです。このコースは初任配属の職種が確約されます。
広報活動では、春から冬にかけて段階的に会社理解が深まるプログラムを体系的に用意しています。春は若手社員による就職活動体験談、夏はオンラインでの新規事業立案・プレゼンテーション、秋は組織や職種ごとの説明会、冬は対面での職場体験など、時期ごとにプログラムの目的を変えています。
採用活動の課題として、「カメラだけの会社」というイメージの固定が挙げられます。この課題に対して、SNSを活用したブランディング強化や採用サイトの全面刷新、ブース装飾品の制作などを実施しました。年々、当社を志望する学生の興味がカメラだけでなく、様々な事業に向けられていると感じています。
今後は、さらにミスマッチの少ない採用活動を実現するために、職種理解を深めるコンテンツの拡充やインターンシップから本選考への導線強化、リクルーターの役割拡大などを実践予定です。
村田 祥太郎 氏(三井物産株式会社 人事総務第一部 採用企画室 新卒採用チームリーダー)

当社は「世界中の未来をつくる」をミッション、「360°business innovators」をビジョンとして掲げ、多様な事業領域でグローバルにビジネスを展開しています。組織文化は「挑戦と創造」「人材主義」「自由闊達」を重視し、社員一人ひとりが挑戦の主体者となり、互いに意見を交わし成長できる環境を目指しています。
三井物産のキャリアは、偶発的な機会を捉え経験を広げる「川下り型」と、目標に向かって進む「山登り型」を繰り返すことで、社員が主体的にユニークなキャリアを築けるのが特徴です。多様な事業や専門性を経験しながら、自身の意思で異動や海外研修、転勤などを選択できる制度も導入しています。「好奇心」「挑戦心」「多様性を力にできる」人材であればこうした当社の環境の中で独自のキャリアを形成できると考えております。
新卒採用は年間約110~140名程度で、キャリア採用も増加傾向にあります。採用スケジュールは二期制で、海外大選考も実施しています。
採用理念として「脱内定ゴールと丁寧なマッチング」を掲げています。この理念を実現するために、①応募書類に2000字の自分史を導入し、学生の人物特性を多面的に理解し ②選考プロセスに3日間程度のインターンシップを組み込み、会社と学生の相互理解を促進 ③配属希望面談等を通じて丁寧に配属先を決定。採用後も社員が活躍できるよう、データ活用によるメンター選定、重層的なメンター体制・研修で入社後の成長をサポート を行いながら理念の実践を図っています。
今後も就職活動や採用活動のあり方を追求し、施策に取り組んでまいります。