パーソナリティ検査を用いた自己理解研修をする企業が増えていると聞きますが、過去に似たような研修に参加させられた身としてはあまり意味を感じず、なぜ実施されるのか不思議です。スキルを身に着ける研修をした方が社員の実益に繋がると考えているのですが、パーソナリティ検査を用いた研修をする意味は何でしょうか。
自分は大きく分けて2つのメリットがあると考えています。
一つは自分を知ることで得るものが大きいということです。長所と短所は裏返し。自分自身の長所短所を把握することでデメリットを減らす、協力を得てカバーすることができます。わかりやすい例ですと、大胆な交渉が得意な人が緻密な計画も得意としているケースはほとんどありません。自分が得意な方を担当して、苦手なことは得意な人に任せる方が組織としての成果を最大限に近づけられます。
そんなこと当たり前と思うかも知れませんが、自分の感覚では8割の人がそれを実行できませんし、理解もしていません。特にマネジャーは何でもできると勘違いしている人が多いので、自分自身を見直す意味が大きいのです。
二つ目はスキルの研修についてです。スキル研修の方が有効であることは否定しませんが、スキルを持っていても有効に使えていない人が非常に多く存在します。EXCELに詳しくても、EXCELを業務に有効活用できない人は存在します。
ここでメタスキルに広げるとややこしくなるので割愛しますが、課題を見つける能力や人を動かす能力が無ければ、いかにEXCELのスキルがずば抜けていても有効には使えません。そういう人に「自分の何が欠けているのか」を理解してもらう為には自己理解研修が有効です。
研修受講者の100%にメリットがあるわけではありませんが、仮に10%でも伸びる人がいるのであれば会社としては十分メリットがあると思います。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役