優秀層の獲得のため、現場配属ではなく本社配属を始めました。ただ現場から不満の声が出ており、「現場の納得感」と「学生への魅力づけ」のバランスで悩んでいます。解決策や工夫があれば教えてください。
はたして本当に「本社配属」が優秀層の獲得につながるものなのでしょうか。少々疑問が残ります。「本社」と「現場」という対比ですが、何が違うのでしょうか。本社社屋は大都市の真ん中にあり、現場は周辺地域や郊外で工場・研究所に併設されているのでしょうか。
こうした環境の差ではなく、「本社=選ばれた社員」「現場=選ばれなかった社員」というイメージで語られてしまうため、不満が出るのでしょう。本社配属ならば「自分のキャリアの幅が広がりそう」「成長機会が多そうだ」という期待や「優秀層として選抜された」という気持ちを学生は持てますが、現場にしてみれば「現場を軽視しているのではないか」「大変な仕事は現場に押し付けている」「現場の皆は損をする仕組みになっている」と感じてしまいます。
まずは、本社配属・現場配属について、特権的な扱いではなく役割分担であり、それぞれが明確なミッションを与えられていると定義してください。本社配属者には、現場の課題収集と改善策を推進する役割を持たせ、現場配属者には、現場の課題を本社に報告し改善のために協力していく役割を持たせ、両者に同じ方向を向かせることが大切です。その上で、本社と現場との距離感をなるべくなくす工夫をしましょう。現場とのローテーションを定期的に組む、現場プロジェクトに参加させるなどして、現場を知らない本社人材を作らないようにすることです。本社と現場との間で人材が行き交うルートを設けてください。配属先は固定ではなく、選抜制度や公募制度などで現場配属者にも本社へのルートがあると示してください。
危険なのは、優秀層へのアピールということで「本社配属」を売りにしすぎることです。社内に歪みを生じさせます。配属に関する説明では、入社後の成長物語として「本社配属で見えるもの」「現場配属で見えるもの」を具体的に説明し、どちらでも成長できることを示してください。
このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長