中途で優秀な人材を採るために前職並みの給与を提示すると、生え抜きのプロパー社員より高くなってしまいます。入社後に実力が周囲に認められるまでの「不公平感の火種」をどう管理すべきですか。
優秀な人材を採用するために、プロパー社員より高い金額を提示することは致し方ないです。採用するのが目的ですから、前職並みで採るのに不公平感をゼロにすることは無理でしょう。大事なことは、不公平感が広がらないように設計をしておくことです。
まず、「高い」ことを社員に納得させるだけの理由を説明できる状態にします。その人材の市場価値が高い、役割を果たせる希少な人材である、期待される役割に応えてくれる人材であるということを一貫して説明できれば、納得してもらえるはずです。ここが曖昧では、不公平感が広がります。また、あくまで短期的な不公平であって、長期的には公平に対応するということを示すべきです。あくまで中途採用の入口での差であり、その後は既存社員と同じであるということです。評価、昇給は既存社員と同じ基準ですし、成果が出なければ是正される場合もあるということです。これは、既存社員がきちんと成果を出せば追いつき、逆転できるということにもなります。
金額差もありますが、むしろ不公平感は、見え方で増幅します。中途採用者への期待値を明確に言語化しておく、早期に成果を出させる、既存社員がフォロー役に回ることのないように周囲への依存を減らす設計をしておく。こうしたことで「給与が高い理由が行動と成果で見える状態」を早くつくることができると、周りの雰囲気も落ち着いてきます。
このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長