コラム

人事コンサルタントの視点

事例:ヒルトン・インターナショナル

公開日:2011/10/04

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「SHL News」、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回ご紹介するのはホテルにおける採用選抜の事例です。

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課題

優秀な大卒者を確保する競争が激化する中、ヒルトン・インターナショナルはマネジメント・トレーニーの採用・選抜方法を徹底的に見直したいと考えていました。新規採用者がインターナショナル・ホテルの総支配人のレベルに到達するために通常要する15~20年という期間を大きく低減するような教育訓練プログラムを導入することもまた、事業の長期的成功にとって重要です。

解決策

ヒルトンはSHLおよび他2つのコンサルティング会社と協力し、ポテンシャルの高い新卒者の採用・能力開発策を設計・開発しました。それが、ヒルトン・エレベーター・プログラムです。

まず、対象グループのニーズや期待を正確に理解するために、コンサルティング会社がホテル学校や大学の最終学年の学生にインタビューを行いました。次に、SHLコンサルタントがヒルトンの上級幹部に広範な職務分析インタビューを実施し、対象役割で優れた業績を上げるために必要な重要スキルや行動、特性を明らかにしました。

その結果得られたコンピテンシー・プロファイルを用いて、採用広告が再設計され、採点可能な応募用紙が開発されました。後者は予備選考プロセスで貴重なマネジメント時間を節減します。

その後、SHLが、難度の高い24時間のシミュレーション・テストに焦点を置いたアセスメントセンターを設計しました。受検者が没頭できるよう、現実感高くカスタマイズされたものです。職務で要求されるものや、期待される能力開発のスピードを受検者が実際に垣間見ることができるよう、アセスメントセンターの構成要素は極端に難しいものとなるよう故意に設計されています。

アセスメントセンターで優秀な成績を収めた受検者のみが採用され、18ヶ月間の集中能力開発期間の開始時に、センターの結果が本人にフィードバックされます。

成果

担当者が驚いたことに、アセスメントセンターは受検者に大変好評でした。かなり厳しいプロセスだと思いながらも、ベストの人材を発掘して能力開発したいというヒルトンの熱意が表れていると受け止められたようです。別の会社の採用試験を受けた受検者は、「エレベーター・プログラムははるかに優れたもので、職務で求められるものを実際に経験できると同時に、トップ学生としての自分たちの真の実力を発揮できる機会である」とコメントしました。しかし、もちろん、このプロセスが最終的に吟味されるべき点は、受検者の認知ではなく、合格者のパフォーマンスの質です。この点について、ヒルトンのプロジェクト部長マリア・バノン氏は次のように述べています。「選抜された受検者の能力について各方面から非常に肯定的なフィードバックを受けています。彼らは組織目標に沿った期待をはるかに上回る業績を上げ、急速に成長しています。」

ヨーロッパ大陸やイギリス、中東におけるプログラムの成功に引き続き、同じものがアメリカのヒルトン・インターナショナルのマネジメント・トレーニーの選抜・育成で直ちに採用されました。

客としてホテルを選ぶ際、立地や設備はもちろんですが、従業員のホスピタリティやプロフェッショナリズムはかなり重要な条件です。人材が要である組織で当社のツールが活用されていることを誇りに思います。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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