事例:ゼロックスU.K.
公開日:2011/01/25
このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「SHL News」、HPから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆皆さまのお役に立てればと願っております。
2011年スタートのニュースは事例紹介です。
背景
2009年度売上220億ドル、従業員数約13万人のゼロックスは、世界トップのドキュメント・マネジメント技術サービス企業です。ドキュメント業界として最も幅広い製品ラインアップを提供しています。ゼロックスのサービスは比類ないもので、それらの中には、オンラインによる文書記録管理システムの開発、文書や知識を社員間で共有する方法をいかに効率化できるかの分析、社内の印刷センターやメールルームの運営、個人宛のダイレクトメールや請求書やパンフレットなどのWEBベース・プロセスの構築、などが含まれます。
チャレンジ
イギリスでは、ゼロックスは毎年100人の大学生を採用しています。職種は財務、マーケティング、人事、営業、技術です。以前は、候補者がアセスメント・センターに呼ばれ、まず、計数と言語のテストを受けていました。続いて1対1の面接が実施され、テスト結果が追加情報として面接官に渡されます。しかしながら、面接で合格した候補者の中にテストの成績が低い人がいました。
そのため、テストの成績の優れた人だけを面接して、費用対効果の高い一貫したやり方を全事業部で実施することによって採用水準を大きく向上させることが、採用統括チームにとっての課題でした。
解決策
SHLのVerify計数・言語能力テストとOPQが、StepStoneのE採用プラットフォームに組み込まれ、ゼロックスに、費用対効果が高く、扱いやすい採用システムが提供されました。
その結果、2008年以降、候補者はオンラインでSHLの能力テストとパーソナリティ検査を受検し、「合格ラインに達した」候補者のみがアセスメントセンターに参加します。人事担当者や面接を担当するラインマネジャーは、E採用システムの中で、候補者のテスト結果や履歴書を入手し、アセスメントセンターでのコンピテンシー面接で使います。アセスメントセンターではグループ演習やプレゼンテーションも行われます。
メリット
ゼロックスU.K.の採用マネジャーであるニック・グレイ氏は次のように述べています。
『統合されたソリューションが我々の採用プロセスの一部となって以降、アセスメント当日の候補者の質はかなり高くなりました。応募者の7割ほどがテスト結果で落とされます。弱い候補者を面接する必要がないため、ラインマネジャーの時間とコストが大きく節減されます。また、面接に現れる学生の質が一貫していることに、ラインマネジャーがかなり感心しています。
我々の目的は、大卒採用において上位10~15%の学生をゼロックスにもたらすことです。このプロセスを継続し、ラインマネジャーからのフィードバックをもとに、毎年さらに改善していくつもりです。』
新しい年を迎えました。今年は兎年です。4日の東証大発会での金融担当相のコメントではないですが「兎年は飛躍の年」。跳ねすぎかな?と思うくらいでちょうどいいのかもしれません。
本年もどうぞよろしくご愛読のほど、お願い申し上げます。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社