コロナ禍で学生の活動が制限され、面接でいいエピソードの引き出しが難しくなってきたように思います。面接を円滑に進めるためのヒントはありますか?
エピソードが引き出しづらいのではなく、実際にエピソードが無いということもあります。エピソードが無い場合には情報がありませんので評価のしようがなくなります。
二つの考え方があります。
一つ目は、コロナ前の学生とは異なる経験をしているだけでその経験に関する情報を収集できれば問題ないとする考え方です。この面接では、同じように学生時代に最も力を入れてきたことをたずねます。出てくるエピソードは主にインドアやオンラインでの経験となります。それでも、目的、目標、客観的な努力の量、挫折や失敗の克服、支援者、独自の工夫、人との関わりなどを詳細に確認することで、一見地味に見えるエピソードから豊かな情報を得ることができます。面接官には自分の経験と比較することなく、事実を客観的に捉える姿勢が求められます。
もう一つの考え方は、経験や履歴に基づく面接をあきらめ、シチュエーショナルインタビュー(模擬課題への考えを述べる面接)に変更するというものです。シチュエーショナルインタビューは、模擬的な業務の状況を設定し、そこであなたならどのような言動をとるかとたずねる面接手法です。実際の仕事場面で発生する難しい状況を問題として出します。例えば、このようなお題です。
「あなたは入社1年目の営業社員です。今日はあなたの最も重要なクライアントに対する提案の日です。先方担当者も今回を重要な機会と認識し、先方の社長と部長の同席を調整してくれました。こちらも営業担当役員と上司の課長が参加します。アポイントの1時間前、営業担当役員からあなたに連絡が入りました。体調不良でミーティングに出ることができなくなったそうです。その30分後、上司の課長から連絡が入りました。ひどい交通渋滞でミーティング終了までに到着できない可能性が濃厚だ。さて、この時あなたならどのようにこの状況に対処しますか?」
面接ですので回答は様々ですが、自社の高業績者の回答を参考に妥当解を定義します。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員