コンピテンシーとパーソナリティの違いが混乱してしまいます。コンピテンシーを能力として捉えてしまうきらいがあります。OPQはパーソナリティを測っているのに、能力特性の得点が出てくるので混乱してしまいます。
コンピテンシーを能力と捉えるのは適切な考え方です。能力というのは、出来る時に発揮されているものですので、概ねコンピテンシーといえます。コンピテンシーは能力の中でもある条件に合致しているだけと考えてください。その条件とは、仕事の成果創出のために発揮されたものであることです。特定の職務におけるコンピテンシーとは、その職務で成果創出するにあたってたびたび発揮しなければならない良い考え方や行動のまとまりなのです。例えば、円周率を10万桁覚えることができる人がいるとします。この人は優れた記憶力という能力を持っていますが、自分の仕事ではこの記憶力を使うことがありません。この場合、この能力はコンピテンシーではありません。
パーソナリティは、考え方、感じ方、行動のくせです。パーソナリティそのものには善し悪しはなく、単なるタイプを表すものに過ぎません。OPQはパーソナリティからコンピテンシーのポテンシャルを予測します。コンピテンシーそのものを測定しているわけではありませんので、算出している得点はコンピテンシーではなく、そのコンピテンシーが発揮される可能性の高さを表しているに過ぎません。誤解を恐れずわかりやすい表現をすると、同じ様なパーソナリティの人がそれぞれのコンピテンシーをどの程度発揮しているかを表しているものと考えてください。OPQでコンピテンシーを評価してはいけません。その結果はコンピテンシーではなく、あくまでもポテンシャルだからです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員