組織が高い生産性をもってパフォーマンスを発揮するには、個々人のスキルや専門性だけが重要なわけではありません。チームメンバーをどのように構成するかによって、チーム、そして組織のパフォーマンスは大きく影響を受けます。
今回は、ベルビンの8つのチームタイプの概念をご説明するとともに、OPQのデータからチームビルディングでおさえるべきポイントついて考察します。
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ベルビンのチームタイプ
1981 年にメレディス・ベルビンが行った「チームタイプ」に関する調査があります。チームタイプは後述する8つのタイプがあり、それぞれがグループ全体の成果に重要な役割を担っています。メンバーのタイプが分散しているチームのほうが、ある1つのタイプばかりのチームよりも、チームとして高い成果を上げる傾向があります。OPQでは、各チームタイプの可能性をパーソナリティから予測することが可能です。
- チームとしての目標を設定し、役割を決める。
- チームのメンバーをまとめ、議論の進行を陰で支える。
まとめ型リーダー
- メンバーの競争心に刺激を与え、目標達成に向けてチームを引っ張る。
- 何らかの局面をもたらすが、メンバーにはネガティブな印象をもって受け取られることがある。
引っ張り型リーダー
- 創造力と知性があり、独自のアイデアを生み出す。
- 問題の本質に目がいく。
アイデアマン
- 適切かつ冷静で分析的な意見を提示する。
- 議論が誤った方向に進まないよう、軌道修正をする。
点検確認型
- 積極的にメンバーに働きかけ、妥協点を探る。
- チームの外で得た知識を議論に応用できる。
人脈・情報提供型
- 問題点によく気がつく。細かいことに注意を払うことができる。
- 妥協を許さない。仕事を完遂したがる。
まとめあげ型
- チームの和をつくる。他人の意見をよく聞き、それを踏まえた発言をする。
- 強烈な自己主張はせず、人あたりがよい。
協調型実務者
- 決定事項や戦略を実際の作業手順に落とし込むことができる。
- 目的遂行のための論理的で秩序だった方法をチームに提示する。
実務管理型
OPQから考察するチームビルディングでおさえるべきポイント
構成メンバーが8つのタイプにきれいに分かれれば理想的ですが、現実にはそううまくはいきません。チームやプロジェクトのメンバーが8名未満であることも往々にしてあるでしょう。加えて、一人の人間がたったひとつのタイプに属するということも現実にはあまりないことです。OPQから算出するチームタイプの尺度得点を見ても、複数のタイプに該当する場合があります。当社で、OPQから算出される尺度得点の内部相関を検証したところ、以下のような傾向が見られました。
- まとめ型リーダーは人脈・情報提供型も担いやすい
- まとめあげ型は実務管理型も担いやすい
- 点検確認型は実務管理型も担いやすい
正の相関があったことから
※この逆も言える
- ひっぱり型リーダーと協調型実務者は相反する
- 人脈・情報提供型と点検確認型は相反する
- 人脈・情報提供型とまとめあげ型は相反する
負の相関があったことから
- ✔ まとめ型リーダーのチームには、実務を助ける点検管理型、実務管理型を入れる
- ✔ ひっぱり型リーダーのチームには、参謀のいずれかのタイプと協調型実務者を入れる
- ✔ どのチームにもアイデアマンを入れる
これらの結果をふまえて、チームメンバーの構成は以下を意識するとよいでしょう。
おわりに
「チームタイプ」は分かりやすい概念ですが、タイプ分類による特徴の単純化という落とし穴があります。チームビルディングにうまく応用するには、タイプにあてはまるか否かの二択で判断するのではなく、それぞれの役割をどの程度担う可能性があるかというアプローチが重要です。OPQは、パーソナリティは個人の特性の組み合わせであるという考えに基づき開発されています。複数のチームタイプの可能性を予測したい場合は、OPQが有用ですので、チームタイプの得点を搭載する万華鏡30やOPQのオプションリポートCHXをぜひご利用ください。
このコラムの担当者
水上 加奈子
マーケティング課 課長
10年以上にわたりHRコンサルタントとして顧客と向き合う現場の最前線に立ち、大手企業の採用要件定義やデータ分析、育成研修等に従事。2016年に「イノベーション人材」をテーマに産業・組織心理学会で論文を発表。 その後、2020年のマーケティング部門立ち上げより現職。チーム責任者として科学的根拠に基づく発信を統括しつつ、現場知見を活かした多岐にわたるコンテンツ制作を指揮している。国家資格キャリアコンサルタント。