コラム

人事コンサルタントの視点

ケーススタディ:3M

公開日:2009/07/28

このコーナーは、イギリスのSHLグループが配信している「SHL Global Newsletter」やHPから記事をピックアップ、日本語に翻訳してご紹介するものです。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回は採用に関する事例です。

3Mは世界で最も著名な会社のひとつです。この産業社会で、3Mの製品を見つけることのできない家やオフィスはないでしょう。世界のリーダーとしての3Mの地位を維持・発展させていく人材の採用は、3M採用チームにとって決定的に重要な意味を持つ活動です。SHL(客観アセスメントにおけるリーダー)とPPS(応募者の事前選考とコンピテンシーに基づいた電話面接の専門家)と協力し、イギリス3Mは2002年からオンライン大卒採用システムを運用してきました。このシステムによって、3Mは、公平で客観的かつ効率的な方法で、最高の大卒人材をひきつけ、選抜しています。

3MとSHLがオンラインシステムの開発に着手した目的は、大卒採用のスピードを速め、大卒人材の質を向上させて、革新とテクノロジーに関する3Mの価値観を強化することでした。さらに、事務管理にかかる時間を低減し、経営情報を向上させたいとも考えていました。その解決策が、イギリス3Mのウェブサイト内に置かれた、オンラインによるテスト実施機能のついたSHLオンライン採用プラットフォームです。システムは、SHLの応募者トラッキングと受検者管理モジュールを使って、PPSによって管理されます。また、社内の特定事業分野で検討中の大卒者に関してより多くのことを見つけ出すことができるよう、採用マネジャーもこのシステムにアクセスすることができます。

最初の解決策は成功し、2004-2005年の大卒採用シーズンに向けてさらに改善されました。応募者に途切れのない採用活動を提供し、採用担当者やマネジャーがすぐに応募書類にアクセスできることはもちろん、新しいシステムは費用対効果が向上しました。このプロジェクトのもうひとつの成果は、3MとPPSの担当者が、SHL採用プラットフォームを経由して協力して仕事を進めることができるようになったことです。

3MのHRマネジャーであるジェニー・クレスポ氏はオンライン採用プラットフォームについて次のように述べています。『今や、オンライン採用は3Mで大卒者を採用して配置するやり方の一部として確立されています。オンラインシステムを持っていることが、革新的・技術的という会社のイメージを映し出しています。特にオンラインによるテスト実施は、より早期の段階での応募者のふるい分けを可能にしました。その結果、選抜プロセスのスピードは向上し、かつ、アセスメント当日、会場に現れる応募者の質が純粋に向上していると実感しています。また、共通のプラットフォームを経由してリアルタイムでPPSと一緒に仕事できることも有益です。我々にとってのもうひとつの大きな利点は、オンラインシステムから得られる経営情報の正確さと価値です。将来、宣伝広告や採用の戦略を推進する際に役立つことでしょう。プロジェクトの途中途中にはいくつかの反省もありました。今もなお、経営情報を引き出すプロセスやシステムの継続的な強化に関連して、検討すべき点がいくつかあります。SHLとのよいパートナーシップを継続して、システムをさらに強力にしていきたいと楽しみにしています。』

オンラインを活用した採用選考は世界の主流になりつつあります。さらに、3Mではそれらのデータを採用場面だけでなく、経営情報として入社後の人事管理に活用しようとしており、この点、先進的な事例と言えましょう。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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