採用業務アウトソーシング
公開日:2010/06/15
このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループのネット配信「SHL Newsletter」や広報誌「Newsline」、HPから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回は広報誌Newsline2009年冬号からの記事をご紹介します。
人事業務アウトソーシングのうち、採用プロセスのアウトソーシング(Recruitment Process Outsourcing;RPO)は急成長しています。最近のCIPD(Chartered Institute of Personnel and Development:人事教育協会)の調査によれば、現在RPOを活用している企業の74%は、2009年にアウトソースしたものから増加または維持する計画であることが明らかになりました。
今年の失業者数は過去最大です。募集一件あたりの応募数が増加しているため、組織にとってその役割に適切な人材を見つけて測定することがより困難になっています。
採用プロセスにおける予備選別や選抜のニーズはいっそう重要になっており、人事リーダーには以下の点で具体的な結果を出すことが求められます。
- 新規採用にかかる費用
- 人事部門が事業戦略に沿った解決策を出しているかどうか
- 人事部門が短期的長期的な企業目標をサポートするより戦略的な施策に集中できるよう、別の資源を使って現在のプロセスを遂行できるかどうか
人的資源アウトソーシング協会(Human Resources Outsourcing Association)による2009年グローバルRPO報告書によれば、RPOの主な優先事項は次の3つです。
- 採用期間の短縮
- 採用費の低減
- 複数の調達経路の統合
多くの企業が、採用エージェントやE採用ソフトウェアプロバイダー、RPOへのアウトソーシングなどの組み合わせで実行されるような、統合された採用プロセスを求めています。「RPO会社は、自分たちが、アセスメント導入によってコストを節約しながらより速い高品質の雇用を顧客に提供できること、投資への見返りの大きい差別化されたオファーができることに気づいています。」SHL提携パートナーであるアレクザンダー・マン・ソリューションズ社のジョナサン・ブラウン氏は述べています。
SHLアセスメントも人事プロセスで活用され、高いレベルの客観性と予測性を組み込むことによって同様なビジネス課題を達成しています。
統合された解決策を提供し、社員のライフサイクルを通しての人事課題解決への投資に対してお客様が最大の見返りを受け取ることができるよう、SHLは、多くの、採用・応募者管理・人材マネジメントのシステムやRPOとパートナー契約を結んでいます。
RPOすなわち、社員の募集・採用にかかわる実務を実際に採用する企業に代わって行う採用業務代行サービスがイギリスでポピュラーになりつつあることを伝えた記事です。本文にあるCIPD調査は2009年、同協会員315名を対象にしたものです。報告書によればこのうちRPOを使ったことがあると回答した人は55名(17.4%)。この数字は日本と比べてどうでしょうか。
日本では新卒一斉採用という形をとることを考えると、直感的に日本のほうが利用率は高そうです。募集媒体の提供、広告やHPの作成、応募者の履歴管理など、一日の長があるように思えます。ちなみに、少し前ですが2006年に厚生労働省が実施した「労働者の募集・採用に関する実態調査報告書」によれば、アンケートに回答した1870社中約4割が利用していました。従業員数300名以上の企業に限れば約6割でした。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社