Purple TuesdayとSHL のニューロダイバーシティ研究プログラムの最新情報
公開日:2022/11/14
このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回はSHLグループHPのブログから、以前にもご紹介したニューロダイバーシティ研究プログラムに関する記事をご紹介します。ニューロダイバーシティとは、日本語にすると「神経学的な多様性」です。自閉症や多動性、失語症などの神経疾患を、病気や障害ではなく、脳の違い、すなわち個性であり才能であると見る考え方です。
2022 年は、SHL のニューロダイバーシティ研究プログラムにとってエキサイティングな年でした。私たちと一緒に変化をもたらすために重要なポイントをお読みください。
クレア・モットラム
2022年 11月 9日
Purple Tuesdayはグローバルな社会運動で、障害をもつ人とその家族の顧客体験を向上させるために、認識や理解を促進し、アクセシビリティの改善を促すことを目的としています。SHL は、先週ロンドンで開催されたPurple Tuesday UK の祝賀会に参加し、米国でもミネアポリスオフィスで初のイベントを開催しました。
難聴者として、また最近注意欠陥多動性障害 (ADHD) のために学校からサポートを受け始めた幼い子供の母親として、このトピックは私にとって非常に重要です。世界保健機関(WHO)は、世界人口の 15%、つまり10億人以上が障害をもつと推定しています。また、ヨーロッパやアメリカにおいては、人口の約 20% が障害をもつ人の介護者であると報告されています。
SHLのニューロダイバーシティ研究プログラムは、Recruitment Industry Disability Initiative (RIDI)による『Making a Difference – Private Sector』賞の最終候補に選ばれました。
私はSHL で 12 年近く働いていますが、その間、SHLがニューロダイバースな人材も含めて、公正な人事決定のためにすべての受検者に包括的でアクセスしやすい受検体験を提供することへ取り組む様子を見てきました。ニューロダイバーシティ研究プログラムを立ち上げるきっかけとなったのは、Purple とのパートナーシップでした。この研究プログラムは、最近、Recruitment Industry Disability Initiative(RIDI) による「Making a Difference – Private Sector」賞の最終候補に選ばれました。研究チームの私たちにとって非常に喜ばしいことです。
先月のPurple Tuesdayのグローバルオンラインカンファレンスでは、様々な組織が社会的リーダーシップ、アクセシブルな受検体験、アクセシブルなマーケティング、グローバルな技術トレンドとイノベーションなど、話題となっているトピックについての知見を共有しました。SHLは、最近発行したニューロダイバースな人材のアセスメントに関する白書から重要なポイントを紹介しました。要約が以下の1~6にあります。詳細な調査結果とポイントについては白書をお読みください。
カンファレンスで明らかになった重要なテーマは、障害者のインクルージョンとは旅に出るようなものであり、年々よりアクセスしやすくインクルーシブになるように、継続的に成長するものだと認識することでした。あなたの組織がこの旅の比較的初期の段階にある場合でも、すでに大きく進んでいる場合でも、前進し続けなければなりません。
障害者のインクルージョンとは、旅に出るようなものです。年々よりアクセスしやすくインクルーシブになるように、継続的に成長することです。
Purple Tuesday イベントで私が非常に良いと思った点の 1 つは、参加者が実行に移すことができる実用的なヒントの共有に重点を置いていることです。
- 知的能力アセスメントは、ニューロダイバージェントな人材を評価するための有望な選択肢です。得点差、所要時間、エンゲージメントと公平性に関する反応の調査に基づいています。
- ニューロダイバージェントな人材は、強みと課題の両方を備えた「とがったプロファイル」を持つ可能性が高いです。採用担当者がどのようにコンピテンシーを選び、測り、決定するかに影響を与えます。
- 強みと課題は状態によって異なります。状態には重複する部分もありますが、多少の差異もあります。調査結果を薄め、すべてのニューロダイバージェントな人材に一般化しないように、個別に検討することが重要です。
- 状態ごとにアプローチを適用することはできません。アセスメントに対する反応は、同じニューロダイバースな状態の人であっても、人によって異なるため、個別のアプローチを取ることが重要です。
- 多くのニューロダイバージェントな候補者は、調整が必要な状態について伝えることをためらいます。これは、ニューロダイバーシティを取り巻く偏見や否定的な固定観念、そして採用場面ということを考えれば、驚くべきことではありません。アセスメントプロセスを適切に実行するために必要なサポートを確実に受けられるように、さらなる取り組みが必要です。
- 小さな変更が大きな違いを生む可能性があります。ニューロダイバージェントな候補者からフィードバックを集めることは、受検体験を向上させるための具体的にどのようなことができるかを特定するのに非常に役立ちます。多くは実行するのにほとんど労力を要しませんが、大きな影響を与える可能性があります。
今年の初めに、私はニューロダイバーシティ研究プログラムのリーダーを拝命しました。このチームを率いることを非常に誇りに思っています。私たちは 2023 年のアジェンダを最終決定したばかりです。来年の年次報告書では、より広く、より深い知見や重要ポイントを共有できることを楽しみにしています。
研究チームを率いる新たなリーダーによる記事でした。彼女自身がニューロダイバージェントな人材です。当事者としての視点を生かして研究が一層進むことを期待しています。

このコラムの担当者
廣島 晶子
日本エス・エイチ・エル株式会社 主任