13年度採用が変革期とは言われておりましたが、今後採用の時期がどう変わっていくのか予想を教えて下さい。
日本経団連の倫理憲章の一部見直しやグローバル人材採用の促進、若干ながらも内定率が改善したことなどで「変革期」と言われているのでしょうか。
ただ、新卒採用は景気動向、経済環境に大きく左右されます。現在、日本経済は内需型企業の堅調な業績で何とか海外事業組の苦戦をカバーしている状況です。今後、内需が一息ついた時は、採用規模が縮小する危険もあります。また新興市場が極端に落ち込むことなく持ち堪えても、グローバル型企業は日本人学生だけ採用増とすることはないでしょう。
こうした点を考えますと、個人的にはこれ以上の採用の早期化は考えづらく、むしろやや後ろ倒しぎみになるか、逆に通年型の採用に近づいていくのではと予想します。
学生の学業優先という点から採用時期を限りなく卒業時点に近づけるならば、同時に就職活動前提の長期間のインタンーシップ制度の確立が必要になるとも考えます。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長