事務系職種におけるジョブ型採用は日本で定着するでしょうか?
新卒の事務系職種においては定着しないと考えています。理由は2つ。
ひとつめは応募者の事情です。多くの応募者は特定の職種を選ぶための準備をしていませんし、合理的な理由を持っていません。今のところ応募者にとってジョブ型採用は必ずしも魅力的であるとは限りません。
ふたつめは企業側の事情です。どの企業でも中途採用はジョブ型採用です。新卒採用でも、資格を必要とする専門職と技術系職種ではジョブ型採用が一般的です。ジョブ型採用は外からの戦力調達といえます。一方、事務系総合職の新卒採用は、職務知識とスキルを持たない未経験者採用であり、企業が教育を施してはじめて戦力となる、いわば原料の調達です。企業が教育コストを負担するのは、要員計画の柔軟性を得るためであり、つまるところ解雇規制の強い日本における組織戦略に起因するものなのです。
日本の労働者保護の考え方が、極端な雇用維持から円滑な労働移動の体制に基づく雇用の流動化へと変化すれば、ジョブ型採用は当たり前のものになるでしょう。
このコラムの担当者
清田 茂
執行役員
入社以来30年、HRコンサルタントとして日本の人事アセスメント界を牽引。大手を中心にコンピテンシーモデリングから選抜設計、サクセッションプラン構築まで広範なプロジェクトを完遂。特に経営層との対話を通じた次世代リーダー育成に高い実績を持つ。 2002年取締役、2020年より執行役員として直販部門を統括。最前線で「人と仕事と組織の最適化」を追求する傍ら、SHLグループのグローバル知見の国内導入も推進。