Z世代の新入社員の育成でメンターが気を付けるべきことについて教えてください。
「Z世代」と一括りにすることから止めましょう。多様性の時代の中で成長してきた世代ですから、単一的な対処は効果が期待できませんし、彼ら彼女ら自身も、自分たち個々人の個性を考えて対応してほしいという意識が強いです。インターンシップ参加者や内定者に対してアセスメント結果を活用してフィードバックを実施してあげる企業に対して高評価する学生が多いことからもわかります。
まずはそれぞれの新入社員の傾向をメンターに理解してもらい、そのうえでアドバイス、指導をしてほしいと伝えて下さい。新入社員は異なるバックグラウンドや考え方をもっており、それを尊重したうえで今後彼らが活躍できるように環境を提供していくことがメンターに求められているということです。また、学習スタイルや学習ペースも独自のものがあり、自ら学び、成長できるようなサポート体制を求めます。コミュニケーションもオープンで挑戦意識、アイデア出し意識が高いです。
こうした特徴を理解し、くれぐれも既存組織に早く慣れさせよう、皆一緒に成長できるように同じペースでやらせようというような組織同化のためのアドバイザーにならないようにして下さい。必要であれば、メンターへの研修も実施して下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長