若手や中堅の流出を防ぐためサクセッションプランを導入したいのですが、当社のトップは最前線の現場経験を積んでなんぼと考えています。サクセッションプランをやっている企業、やっていない企業にはどのような違いがあると思いますか。
サクセッションプランは社員の流出を防止するために行うものではありません。企業変革や経営陣の交代を円滑に行うことを目的として、最適な経営リーダーを計画的に準備し育成することがサクセッションプランです。最前線の現場経験を積んでなんぼという考え方に反する施策ではなく、むしろサクセッションプランには最前線の現場で修羅場経験をさせるというプログラムが組み込まれていることが一般的です。
様々な要因により変革が必要な企業は、本気でサクセッションプランに取り組んでいます。例としては既存ビジネスの転換が求められている企業、不祥事などにより経営陣の変更が求められている企業などです。これらの企業ほどの本気度ではないですが、人的資本開示でよい情報を出したい企業も粛々とサクセッションプランに取り組んでいます。
社員の流出を防ぐのであればサクセッションプランよりもリテンション施策の導入を検討してください。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員