対面での交流が減る中、デジタル空間で監視(マイクロマネジメント)に頼らず、メンバーが失敗を恐れずに発言できる状態をどのように構築するべきでしょうか?
簡単に言えば、出社勤務からテレワークへ移行する時代の流れの中で、どのようにコミュニケーションをもてばよいのかということでしょうか。
デジタル空間の中で「メンバーが失敗を恐れずに発言できる状態」ということですが、逆に考えると管理する側がデジタル空間という見えない状況の中で、どうしても監視したくなるということをどのようにして防ぐかということになります。マイクロマネジメントでは、人を監視する、ミスを防ごうとすることが目的となりがちで、そのために上司が報告を求める、答えをもつという仕組みになります。一方でメンバーが安心して発言できる状況では、お互いが情報を共有し、自然と相談が集まります。チームで答えを考える、ミスから学ぶことが目的となります。
テレワークなどのリモートでは見えないことで管理者は不安になりますが、「進捗を管理するのではなく、サポートが必要な人を見つける」姿勢でチームを見ていくことです。そのためには、質問をしやすい空気作りが大切です。「何かないですか」ではなく、「いま困っていることは何ですか」と聞いてみて下さい。管理職がつねに正解を求める姿勢ばかりでは、メンバーは失敗を恐れて隠すようになります。むしろ管理職側が、自分の失敗を共有するような姿勢を見せることで、失敗をしてもとがめられないという雰囲気を作っていきましょう。ミス報告も同様です。
出社勤務では自然と生じる雑談時間は、デジタル空間上では意識的に作らないと生まれません。雑談タイムを設けることでスムーズなコミュニケーションにつながります。デジタル空間では1on1の重要性が高まりますが、これを「上司が評価をする時間」とするのではなく、「メンバーをサポートするための時間」と位置付けることでメンバーの安心度が高まります。
デジタル空間では、偶然の会話や表情から得られる情報がリアルに比べて減ります。対面以上に「メンバーが安心して話せる場」になるよう意図的に設計する必要があるということです。
このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長