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DX人材の発掘・育成に関するご提案

多くの企業がデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進に係る人材(DX人材)確保の必要に迫られています。
本資料では、SHLグループのグローバルな知見をもとに、DX人材の採用・育成・社内登用に係る、DX人材のコンピテンシーと、確保・育成のためのプロセス、SHLからご提案できるサービスについてまとめました(全12ページ)。

こんな方におすすめ

デジタル人材の確保が喫緊の課題だ。
未経験者でもデジタル人材のポテンシャルを確認できる方法を知りたい。
DX人材の採用・育成にアセスメントを活用したい。

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人材要件定義のご提案

採用、配置、任用、能力開発などの人事施策を行うには、貴社の求める人材の要件について適切な基準が必要です。人材要件を定義することで、適切なアセスメントと人事施策の運用が可能になります。 日本エス・エイチ・エルは、質的調査・量的調査の両面から貴社に必要な人材を定義し、要件に適う人材の選抜から登用、能力開発に至るまでを総合的にサポートします。 詳細なサービス内容は、ダウンロード資料をご覧ください(全11ページ)。

こんな方におすすめ

採用や登用、能力開発の指針が曖昧だ。
データに基づいた科学的な人事を推進したい。
アセスメントを活用して基準作成を行いたい。

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人材可視化のご提案

タレントマネジメントシステムに集積するのは、過去の経歴や実績情報だけで十分でしょうか? 日本エス・エイチ・エルのアセスメントは、統計的に予測される社員ひとりひとりのポテンシャル情報を可視化し、未経験職種への異動、登用・抜擢、能力開発など、「未来」の人事的な意思決定をサポートします。 現在の職務では見出されていない隠れた才能や、主観的な評価の中で埋もれている人材を発掘しましょう。 詳細なサービス内容は、ダウンロード資料をご覧ください(全15ページ)。

こんな方におすすめ

組織・人材に関する課題を定量的に把握したい。
人材ポートフォリオを作りたい。
アセスメントを用いてタレントマネジメントを推進したい。

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セミナー・イベント

人材ポートフォリオと採用基準-人的資本経営における採用-

人材ポートフォリオとは、会社のどこにどんな人材がどれだけいるかを正しく把握するための人材マップのようなものです。これからの採用は、経営戦略と連動する人材戦略、その人材戦略に基づく人材ポートフォリオを前提に計画されるものとなります。 本ウェビナーでは人材ポートフォリオの作り方と、それを踏まえた採用要件定義、選考手法の検討方法についてご紹介します。

※本ウェビナーは2024年2月に録画したウェビナーのアーカイブ配信です。

こんな方におすすめ

アセスメントを活用して人材ポートフォリオを策定したい
経営戦略に基づく人材戦略や採用戦略を検討したい
人材ポートフォリオをふまえた採用活動を行いたい

講師

清田 茂

日本エス・エイチ・エル
執行役員

オンデマンド配信概要

時間

約30分

視聴期限

2025年10月30日(木)まで

配信方法

Zoomによる録画配信

受講料

無料

受講対象

企業および組織の人事に携わる方

※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
TEL:03-5909-7207
Eメール:event@shl.co.jp

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セミナー・イベント

採用を成功に導く採用要件定義

本ウェビナーでは、採用要件定義に関する基本的な考え方をご紹介し、既存の採用要件の見直しから新たな要件の作成まで具体的な進め方をお伝えします。

こんな方におすすめ

現在の採用要件が機能しているのか確認したい
採用要件定義の様々な手法を知りたい
客観的なデータをもとに科学的に採用要件を作成したい

講師

大川 真世

日本エス・エイチ・エル
HRコンサルティング2課 主任

オンデマンド配信概要

時間

約25分

視聴期限

2025年10月30日(木)まで

配信方法

Zoomによる録画配信

受講料

無料

受講対象

企業および組織の人事に携わる方

※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
TEL:03-5909-7207
Eメール:event@shl.co.jp

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現場で評価される技術者に偏っていた従来の人材選抜と育成体系。
これを一新して経営を担える人材を育てる、東京電設サービスの人材育成改革をご紹介します。

※本取材は2021年4月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

東京電設サービス株式会社

事業内容

発電、送電、変電設備の保守に関する工事及び作業。発電、送電、変電設備の分析、試験、診断ならびに図面作成・整備業務。電気設備の運転、監視業務。電気設備機器類の製作、買取り、販売。建設業(電気工事業、土木工事業、とび・土工工事業、塗装工事業、鋼構造物工事業、電気通信工事業)。測量業、建設コンサルタント業。建物にかかわる空調、防災、電気設備の保守管理ならびに建物清掃、警備業務。労働者派遣事業。電力設備の技術に関する研修及び広報の企画実施。前各号に付帯関連する事業。

業種

設備工事業

従業員数

854名(2021年3月末現在)

インタビューを受けていただいた方

石山 敢 様
佐々木 朋徳 様

東京電設サービス株式会社
人財・技術開発センター 所長 (写真右)
人財・技術開発センター 採用・育成グループマネージャー (写真左)

インタビューの要約

技術者が中心となる企業文化だったため、人材育成や任用が知識・技術の習得や現場での評価に偏っており、将来の管理職や経営を担う人材を育成するという視点を欠いていた。
アセスメント(万華鏡30)を利用して、個々人の特性や人材タイプ、ポテンシャルを可視化。個人の強みを活かしたキャリア開発ができるよう、アセスメントを用いた育成面談の手法を管理職に身につけさせた。
今後実現したいことは、人財育成管理システムを軸にした育成体系の構築。新しい事業領域に進出するための人材の登用や育成にも活用したい。

管理職育成の課題意識を背景に、人材可視化プロジェクトをスタート。

東京電力グループは、徹底した収益力の改善と企業価値の向上を目指していくという全体方針があります。当社も、もともとは送変電設備の保守・点検業務などを行っていましたが、オフィスビルや工場などの電気設備でのメンテナンスや、工事・施工管理業務も行うようになり、それに耐えうる人材を育成していく必要がありました。従来、発注者が親会社であり、電気のプロであるため、作業に関する詳細な指示がありましたが、一般のお客さまは当社をプロだと思って任せてくださるので、自分から課題を発見し提案を行う必要があります。これからの人材は応用力や、新しい課題に対応する力を身につけなくてはならないと考えています。

日本エス・エイチ・エルのアセスメントツール「万華鏡30」を導入したのは、どの人材がどのようなタイプのコンピテンシーを持ち、各タイプのコンピテンシーを強みとする人がどれくらい社内にいるのかを客観的に把握するためでした。最初のきっかけは、管理職が事業や経営に関する視座を持てるよう、底上げが必要だという意見が社長から出たことです。当社の処遇や任用の仕組みが、現場技術者としての評価に偏っており、将来の管理者や経営に関与できる人材を育成し任用するという仕組みになっていなかったことが、根本的な原因と考えています。「人あたりがいい」「現場での動きがいい」といった評価だけではなく、例えば、アセスメントを用いて幅広いコンピテンシーを客観的に評価し、全社共通の目線で育成施策を打つことが、改善の第一歩になるのではないかと考えました。

管理職育成の課題意識を背景に、人材可視化プロジェクトをスタート。

アセスメントデータを分析し、社員の傾向を把握。

日本エス・エイチ・エルのコンサルタントから説明を受け、アセスメント(万華鏡30)はたくさんの使い道があると感じました。たとえば、人事的な意思決定の資料にもなりますし、社員の全体傾向を見て、今後目指すべき人材像を特定したり、現状の不足部分を把握したり、今後の採用方針を決めたりすることもできます。当初の目的は管理職の底上げでしたが、今後会社を支える中堅や若手社員のポテンシャルを把握し育成することも重要ですので、一般職も含めてアセスメントを実施しました。

日本エス・エイチ・エルのコンサルタントに分析してもらったところ、管理職者は変化に適応したり、革新的なことを遂行したりするのがやや苦手な傾向があることがわかりました。中心になって組織を引っ張るべき管理職が変化を苦手とする傾向は、手を打つべき課題です。現状、社内で新しい施策の企画立案を担当するのは、親会社からの出向や転籍者が多い傾向がありますが、その役割をプロパー社員に伝承する必要があると感じます。実際に事業を回し、お客さまと直接向き合っているのは親会社の管理部門ではなく、子会社の担当者。ビジネスの源泉が子会社で生まれることもあるでしょうし、事業を最前線で担っている自負を持っていただく後押しができればと思います。

「育成=知識や技能の向上」ではない。 個々のポテンシャルを加味した部下育成を推進。

受検者自身がアセスメント結果を閲覧できるようにもしました。スタッフは自身の能力開発のために、管理職は部下育成のために、経営陣は全社員の傾向把握のために、アセスメント結果を参照できるようにしました。
また管理職を対象に、部下にアセスメント結果を活用したフィードバックを行うための研修を実施しました。この研修では、アセスメントの結果から人材タイプの大別方法、各タイプの強み弱みを踏まえた質問の仕方、育成目標を決める上で確認しておくべきこと(これからどのような仕事をやってみたいか、今後取得したい資格は何か、どのように強みを活かすかなど)を学びます。効果的に育成面談を進めてもらうことがねらいです。かつてのように、全員が一律に管理者を目指す時代ではなくなりました。スペシャリストとして技術や知識に磨きをかけることを志向する人もいると思いますので、自身の特徴をもとに、うまく気付きを促す機会になればいいと思っています。同時に、日ごろのOJTも踏まえ、マネジメントのポテンシャルが高い方は、適切に育成・任用します。この新しい育成の方針について、賛同を得られるか不安もありましたが、反対の声はありませんでした。実在する社員のアセスメント結果を使った解釈の例示もしており、一定の納得感を得られたため、受け入れられたのだと思います。

これまで当社は技術を重んじ、キャリア開発や人材育成も、技術的な知識の習得や技能の向上という観点で考えがちです。今後も技術力を磨いていくことに変わりはありませんが、こうした研修を機に、コンピテンシーという観点を加え、人材育成を推進できるよう、仕組みを変革したいと思っています。人材育成に関心のある管理職はアセスメントの導入をよい機会と捉えていると考えています。

現場でアセスメント結果が活用されるのは、まさにこれからです。現在、管理職は部下の評価を行っており、次の業績目標を立てるタイミングで育成面談を実施します。そして、その結果(社員の志向、興味関心)とそれに対する上司の所見などを人財育成管理システムに集約します。このシステムには、経歴や所持する資格、受講した研修、そして今回のアセスメント結果が入ります。これらの情報に基づいたOJT計画を各職場で作ることが目標です。ツールはそろっており、あとはいかに運用してくかが肝心です。

また先述の通り、新しい事業領域に進出していくための人材発掘にも人材データを活用します。現在、当社の売上構成比を、親会社からの受注を中心としたものから、親会社以外を中心としたものへと変化させていく計画があります。お客さまが変わると、当然、仕事の内容も変わるので、従来からの人事制度も変えなくてはなりません。将来的な改定に向けて社内で協議しています。

日本エス・エイチ・エルは、様々なアセスメント会社がある中で、あまりセールス色の強い会社ではないので、相談しやすいです。フラットにいろいろと相談させていただける、良きパートナーだと思っています。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント

小菅 和行

今回のお話をいただいたときに、東京電設サービスの「社員の育成体系の構築」、「新事業領域への進出」に携わることができるやり甲斐と責任感を感じました。
スキルや知識に加えて、ポテンシャルに焦点をあてた育成とキャリア開発の取り組みは、社員ひとりひとりが自分の強みを活かして自分らしく働くことができる会社になるためのものです。導入にあたって人材タイプの定義、各タイプの人材要件整理、各人材要件とアセスメントツールとの関連付けのために議論を重ねました。この議論が無ければ、石山さんと佐々木さんの目指すゴールにたどり着くことができなかったかもしれません。
まだこのプロジェクトはスタートしたばかりです。今後も東京電設サービスの皆様の声や思いに耳を傾け、本プロジェクトの成功のため支援させていただきます。

ポストコロナの航空便需要の回復で、人財の確保が重要な経営課題となった鈴与スカイホールディングス。
採用数を増やすだけではなく、人財育成の強化に取り組みました。

※本取材は2024年10月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

鈴与スカイホールディングス株式会社

事業内容

航空輸送における空港地上支援業務

業種

航空業

従業員数

686名(2024年10月1日時点)

インタビューを受けていただいた方

植松 謙治 様

鈴与スカイホールディングス株式会社
常務取締役

インタビューの要約

コロナ禍により人財流出が加速。航空便の需要回復により人手不足が経営課題となった。
既存の人財の流出防止と生産性向上のための育成に着目。属人的だった人財育成に対して組織的な支援を図る。
全社員に適性検査を実施。取得したパーソナリティデータから新たな気付きが得られた。
今後は、よりきめ細かく個人の育成にデータを利用する仕組みを構築し、アセスメントの活用を会社の文化として埋め込んでいく。

コロナ禍に人財が流出、需要回復に伴い人財不足に。

私は1982年に鈴与に入社し、まず物流業務を経験し、その後はシステム部門に長く在籍しました。2013年から全く経験のない航空事業に携わることになりました。鈴与グループに加わってから日が浅かったドリームスカイ名古屋と中部スカイサポートの管理業務を支援するためです。この2社は航空機の到着から出発までの様々な地上業務を分担しており、連携が求められます。2社を束ね求心力を高めるために2018年には鈴与スカイホールディングス(SSHD)が設立されて、現在この3社の役員を務めています。

2020年初頭から新型コロナの影響が出始め、その後の行動制限が厳しくなってからは、ほとんどの航空便がストップし、経営は致命的な打撃を受けました。雇用確保の取り組みを必死にしてきたものの、新型コロナ前は2社合わせて1000名弱いた従業員のうち相当数が離職してしまいました。そのため、パンデミックが落ち着いて航空便の需要が回復すると、極端な人手不足に陥りました。人財を確保するためのアプローチとしては、採用数の増加と人財流出の防止、従業員の生産性向上があります。ドリームスカイ名古屋と中部スカイサポートは業務の関係性は強いものの、それぞれの従業員のカラーや文化、仕事の性質はかなり異なります。採用に関しては各社で取り組んだほうが効率的なので、SSHDでは既存の従業員の育成や人財流出防止の中で各社が取り組みにくい領域にフォーカスすることにしました。

コロナ禍に人財が流出、需要回復に伴い人財不足に。

人が変わっても再現性のある仕組みを構築する

従来の人財育成は管理職や先輩社員の属人的スキル、言わば職人芸に依存している部分が多かったのは事実です。これに対して、システム化・効率化が可能な仕組みを会社が提供することによって人財育成を後押しし、その結果、従業員一人ひとりが意欲を持って能力を発揮できるような環境を作れないだろうかと考えました。人財流出防止のソリューションを調査していたところ、採用で適性検査を利用している日本エス・エイチ・エルのソリューションが目に留まり、当社では何ができるかを相談することにしました。紆余曲折がありましたが最終的には、採用時に取得したパーソナリティのデータを活用した育成を行うことができるよう、SSHDで育成の基礎的な枠組みを作成し、各社ではそれを状況に合わせて発展させてもらうことにしました。

まずは社員全員に適性検査を実施し、万華鏡リポートを出力しました。有難いことに、ほぼ全員が受検してくれました。そして各自が自分のデータを理解して腹落ちしてもらうために、結果の見方に関する講義動画を展開しました。加えて管理職に対しては、これまで自分の経験などから行っていた育成から万華鏡のデータに基づいた指導ができるように集合型研修を実施しました。

また、パーソナリティデータがあれば様々なリポートが出力できるため、ストレス耐性リポートなど個社のニーズに特化したリポートも出力しています。

アセスメントデータが新たな視点を提供

管理職向けの集合型研修のアンケートでは、自分自身の管理職としての特性に対しても、部下の特性に対しても「今まで気づかなかった視点が得られた」という声が比較的多くありました。同時に「結果をどのように育成に活かすかが難しい」という声もたくさんいただいています。実は、実施前には管理職の皆さんにどこまで消化してもらえるか不安もありましたが、幸いにも、人財育成には皆さんが問題意識を持っており、いかにデータを活用するかに目を向けてくれています。結果の読み取りは一朝一夕でできるようになるものではないので今後も浸透を図っていく必要があると思います。加えて、一人の管理職が20~30人の部下の万華鏡リポートを一人ずつ見ていくことは時間的にも難しく、管理職全員がコーチングやカウンセリングの経験を持っているわけでもないので、この点についてはさらに検討すべき点だと感じています。

また人事部門の責任者からは、人事異動を検討する際に、従来は「Aさんはこうだから」という個人の主観で議論を進める傾向があったものが、パーソナリティのデータを確認するようになって判断の参考情報として役立っている、という話も聞いています。

アセスメントデータが新たな視点を提供

客観データの活用を組織の人事プロセスに埋め込んでいく

今後は、この取り組みを継続していく仕組みが必要です。全員に受検してもらったのはよいですが、各人が結果を十分に理解して目標を持つところまでできているかというと、まだそこまでは到達していません。既存の年次別の研修などの機会に組み込んでいくことを検討しています。従来、このような研修では役割期待と自分とのギャップを検討し、今後の目標を立てていましたが、自分に関する情報は自分の思い込みだけでした。しかし、客観データが活用できるようになったので、パーソナリティの特徴と役割期待とをすり合わせて、目標や行動計画の立案に活かしていきたいと考えています。

私がシステム部門に在籍していた頃、電子メールの導入に携わったことありましたが、導入することでコストがどのくらい削減できるのかと問われることがありました。しかし、今となれば電子メールはインフラのようなものになり、コスト削減の効果という質問は意味を成さなくなりました。価値観が変わったのです。パーソナリティデータの活用も同様で、まだ社内で定着したとは言えませんが、一人一人の社員が能力を発揮する上で、こういう情報があって当たり前の世界になっていくと考えています。

具体的に育成に活かす仕組みをさらにブラッシュアップして、データを活用する文化を作っていければと思っています。そうすることで、当社において自分が腹落ちできる目標を持ち、その実現を目指して意欲を持って働くことができるようになるのではないかと考えているからです。そして、それが人財の流出を防ぐことにも繋がっていくのが目指す姿です。

日本エス・エイチ・エル様には、私たちが明確な答えを持っていない状態でご相談させていただくことになりましたが、よくここまでお付き合いいただけたな、丁寧に対応していただけたな、という印象を持っています。契約につながらなければ申し訳ないと思うほどに、非常にいろいろなことを対応していただきました。日本エス・エイチ・エルのアセスメントのデータはいかようにも活用できるという点も魅力です。半面、得体のしれないという側面もあるかもしれませんが、将来的に人事領域での新しい知見や枠組みが登場しても、それらに合わせてデータを利活用する方法を検討することができます。今後もデータの活用に関して、当社の文脈に即したご提案を期待したいと思います。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 名古屋オフィス長

髙橋 朗

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を多大に受ける中、人財獲得、リテンションをあらゆる角度からご検討されておりました。そんな中、当社がその施策の一端を担えたことは大変光栄なことでした。僭越ながら、植松様の素晴らしいところは、アセスメントの効能にも限界があることをよくご認識いただき、また人間の行動や心理がそう単純ではないことを理解されている点かと思います。私も大変勉強になることが多く、長らくこの業界にいると、個々人のパーソナリティを分かった気になることがありますが人事のお立場ではそう簡単にはいかない場面の連続だったことでしょう。今後はそんな難しい場面で、意思決定の一助となれるように、一般論ではなく、鈴与スカイホールディングス様のために効果的な施策を、業界・企業理解の精度を高めながら行っていくことが求められていると思っています。

経営戦略を実現するための新たな人事組織を立ち上げた積水ハウス。
次世代を担うビジネスリーダーを計画的・戦略的に育成するタレントパイプライン構築の取り組みをご紹介します。

※本取材は2020年9月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

積水ハウス株式会社

事業内容

戸建住宅事業、賃貸住宅事業、建築・土木事業、リフォーム事業、不動産フィー事業、分譲住宅事業、マンション事業、都市再開発事業、国際事業

業種

建設業

従業員数

16,616名(2020年4月1日現在)

インタビューを受けていただいた方

安信 秀昭 様
増田 貴久 様

積水ハウス株式会社
人事部 人材開発室 室長(写真右)
人事部 人材開発室 課長(写真左)

インタビューの要約

経営戦略を実行するために計画的なビジネスリーダーを育成するという課題があった。
次世代リーダー発掘プログラム「SHINE! Challenge Program」を創設し、タレントパイプラインの構築に着手した。日本エス・エイチ・エルのアセスメントを用いて、高業績かつ光る人材を効率的に選抜できた。
経営戦略の実現のため、人事制度の変革にも取り組みたい。
今後は採用や育成含めて、様々な場面で日本エス・エイチ・エルのアセスメントを活用していきたい。

人事戦略を実行するため、タレントパイプライン構築と人事制度変革に着手。

これまでオペレーショナルな業務が中心であった人事部を、10年後、20年後を見据えて経営戦略に沿った人事戦略を担う専門組織にすべく、人材開発室という新たな組織が作られました。様々な人事課題を検討する中で、まずは①タレントパイプラインの構築と②職能資格を中心とした年功序列的な人事制度の変革を、大きな柱として取り組むことになりました。日本エス・エイチ・エルに相談したのは、このタレントパイプラインです。

社長をはじめ、取締役・執行役員、そして一番のキーポジションである支店長のサクセッションプランニングが課題です。私たちは、中堅・若手クラスの中から将来のビジネスリーダーになれるような人を早期に発掘して計画的に育成する、人材プールの作成を経営層に提案しました。
この課題の背景には、過去の反省がありました。営業中心の会社ですから、これまで支店長になる人はどちらかというと業績重視でした。そこで、マネジメント能力や人格など、より多角的に評価を行い、計画的に人材を育成し、登用する必要があると考えました。

人事戦略を実行するため、タレントパイプライン構築と人事制度変革に着手。

次世代リーダー発掘プログラム「SHINE! Challenge Program」

私たちの組織が発足する少し前に、支店長養成研修「経営塾」がスタートしました。支店長や部長になる登竜門のようなもので、受講生の選抜方法は上長推薦です。1年間でリベラルアーツや行動経済学、DX、イノベーションなどを大学教授、外部有識者から学びます。幅広く勉強してもらい、その成果を支店経営に活かしてもらうことがねらいです。

続いて、35歳以下の選抜研修を新たにスタートさせました。「Sekisui House Innovators and Entrepreneurs」の頭文字をとって、「SHINE! Challenge Program」と名付けました。15名限定で約1年間、多くの外部講師や社内の最先端にいる人からインプットを得ます。普段実務に専念している人たちに、視野を広げ、視座を高めてもらい、将来の積水ハウスの価値創造を考える機会を提供しています。全体を通して外部コーディネータに伴走してもらいながら、得た知識をどう活かすかアクション・ラーニングを行います。最終的には、研修を通じて得た経営課題からビジネスプランを作成し、経営陣の前で発表します。参加者からは、日常とは異なる視座で会社を考える機会が得られた、他の参加者からよい刺激が得られたとの声が寄せられました。

アセスメントで光る人材をどう見つけるか。

「SHINE! Challenge Program」は名前の通り、イノベーターやアントレプレナーの素養がある人を探して輝かせることを目的としています。そのイノベーター、アントレプレナーをどのように見つけるのかについて、日本エス・エイチ・エルのコンサルタントに相談して、選抜方法を決めました。

基本的に人材開発室がプログラム参加者の15人を選んでいます。候補者は30歳前後から35歳ぐらいまでの社員約1,100名です。選抜基準は2つ。一つは人事考課などの実績、もう一つはポテンシャルです。日本エス・エイチ・エルのタレントアセスメント(知的能力検査、パーソナリティ検査OPQ、モチベーション検査MQ)を使ってポテンシャルを評価しています。特にOPQから算出されるマネジメント能力やアントレプレナーのポテンシャルに注目しています。

選抜基準の2つの評価を縦軸と横軸にとり(実績を縦軸、ポテンシャルを横軸)、各軸を3つのレベルに分けることで、9つの区分(9ボックス)を作り、右上の区分に入る人から15人を選んでいます。

アセスメントで光る人材をどう見つけるか。

日本エス・エイチ・エルには採用のアセスメントを長年提供してもらっており、何度も尺度や基準の見直しの相談をして、真摯に協力してもらいました。「SHINE!Challenge Program」の軸を作りたいとなったときに、他のアセスメントも検討しましたが、長年のデータ分析と活用の実績でわかったアセスメントツールの信頼性と妥当性の高さ、カスタマイズの柔軟性から日本エス・エイチ・エルのアセスメントを使うことに決めました。その後、担当コンサルタントと時間をかけて打ち合わせをしながら、選抜手法や評価軸の構造などを決めていきました。

採用でも引き続きご協力いただき、さらに進んだ人材データ分析を行いたいと思っています。また、育成の面では、現場からアセスメント結果をうまく使いたいという声もあがっています。職場風土を変革するために、上下関係や社員同士のコミュニケーションを改善したり、ダイバーシティを推進するため、アンコンシャスバイアスに気付かせたり、といった取り組みを進めています。その中でOPQ、MQを自己理解や他者理解の促進に使いたいと考えています。読みやすく、あつかいやすいレポートやユーザーインターフェイスでアセスメント結果を本人やマネジャーにフィードバックできるとありがたいですね。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 大阪オフィス 部長

岡松 太郎

中堅、若手社員の早期選抜は、今や多くのクライアントで取り組まれている重要テーマですが、SHINE! Challenge Programはオンラインアセスメントデータの活用先端事例と思います。自社で保有する業績指標(パフォーマンス)とSHLハイポテンシャルモデル(グローバル経営リーダーに必要な資質)を掛け合わせた人材選抜は、客観性と予測精度を担保できる仕組みと言えます。
また、入社時と現在でのアセスメントデータの変化や、業績、昇格スピード等の各種パフォーマンス指標との関連性など、多岐にわたり検証しながら進める機会をいただきました。
20年近く当社サービスをご利用いただいておりますので、私よりも当社サービスにお詳しい方々ですが、今後も全社的にご活用いただけるよう、支援させていただきます。

全社員にアセスメントを実施し、ポテンシャルやコンピテンシーの客観的情報をデータベース化。
あらゆる人事施策にアセスメント情報を活用している、理想科学工業の取り組みを紹介します。

※本取材は2021年3月に行いました。ご担当者の役職およびインタビュー内容は取材時のものです。

理想科学工業株式会社

事業内容

高速カラープリンターオルフィス、デジタル印刷機リソグラフのハード及び関連機器、消耗品の開発・生産・販売・保守を中心としたプリントワークソリューション

業種

機械製造業

従業員数

1,750名〔グループ全体 3,480名〕(2020年9月30日現在)

インタビューを受けていただいた方

小野 葉月 様

コーポレート本部 人事部 人事企画課 課長

インタビューの要約

人材情報に客観的な視点を取り入れるため、全社員にアセスメント(万華鏡30)を実施し、コンピテンシーやポテンシャルの情報をデータベース化するプロジェクトが発足。
全社員のコンピテンシーやポテンシャルの情報は、「プロフィールシート」として人事システム上で管理。海外マネジャー候補者プールや次世代リーダー候補者プールの作成、選抜型研修参加者の選定など、あらゆる人事施策にアセスメント結果を参考情報として活用。
今後実施したいことは、コンピテンシーとパフォーマンスに加えビジネススキルを加味した3軸での人材配置と、「スクリレ」をはじめとしたスタートアッププロジェクトへのメンバー選定にアセスメントを活用すること。

「人が人を評価する時のバイアス」を是正するため、 全社員のポテンシャル情報をデータベース化したい。

私は直販営業として入社し、営業支援スタッフ、広報、開発と様々な部門を経て、人事部に来ました。人事部では人事企画課長として着任し、人事課題を解決するための施策に着手しました。その中の一つである「全社員にアセスメントを実施し、ポテンシャル情報をデータベース化する」施策は着任後数か月で実施しました。当時、様々な人事上の課題(部長候補者の可視化など)がありましたが、課題の根本的な問題は、人が人を評価したり、登用したりするときに生じるバイアスを最小限に抑えなければならないというものでした。人が人を評価する際には、恣意的な判断や認知による歪みが必ず生じるので、それだけに頼るとどうしても不公平感が出てしまいます。人材評価を客観的に行うためには、アセスメント情報を活用する必要があります。アセスメント情報100%でもなければ、人の目100%でもない、自社にとってちょうどよいバランスに調整して、人材を評価し、育成することを目指しました。

「万華鏡30」の全社員受検を実施。

この考え方に基づき、当社の役員含め、全社員がパーソナリティアセスメントOPQ「万華鏡30」を受検しました。受検結果は賞与評価とは関係がないこと、受検結果による不利益はないことを説明して実施しましたので、社内からの否定的な反応はありませんでした。万華鏡30のフィードバック機能を使って、受検後すぐに自分の結果を見られるようにしました。今でも新入社員や中途入社社員にアセスメントを実施して、全社員のデータを維持しています。

全社員が受検した後、日本エス・エイチ・エルに職種別・階層別に社員のコンピテンシーとパーソナリティの傾向を分析してもらいました。データ分析の結果と自社のイメージには乖離がなく、納得感をもって受け入れることができました。たとえば営業職におけるハイパフォーマーの傾向なども、他社と異なる当社の事業環境が表れているな、という発見がありました。

「万華鏡30」の全社員受検を実施。

人事システム上でプロフィールシートとして管理されるほか、 本部ごとの人事施策の参考情報に。

万華鏡30の結果は、人事システム上にプロフィールシートとして格納されています。プロフィールシートには、顔写真、個人情報異動履歴、研修履歴などの人事データ、万華鏡30の結果(マネジャーポテンシャル、プロフェッショナルポテンシャル、アントレプレナーポテンシャル、チームタイプ)等が載っています。プロフィールシートは、役員とHR部門の部長、人事部の一部の社員にしか公開されていません。この結果は、選抜研修の参加者選定、海外マネジャーのプールの作成、次世代リーダー育成のための選抜などの参考にしており、人事場面で活用されています。
また、万華鏡30の結果は、各本部のHRスタッフのミーティングの中でもご説明しており、本部内での登用や異動の際などに、適宜参考情報として活用されています。

人事部が主催した、選抜型の女性管理職育成プログラム「エンカレッジ研修」。

万華鏡30の活用方法のうち、人事部で主催した研修についてご紹介します。女性活躍推進の一環として、「エンカレッジ研修」という、女性の非管理職者を対象にした選抜型の研修を、過去に2度実施しました。参加者候補は、万華鏡30のマネジャーポテンシャル得点とパフォーマンス評価点の2つの基準で選定しました。人事部が選出した参加者候補をベースに各本部が参加者を決定しました。

この研修の特徴は体験型という点です。自分が企画したプロジェクトを現場でやってみるというのがメインプログラムです。たとえば、自分の関わっている業務の改善プロジェクトを立ち上げ、プロジェクトリーダーとして業務改善を主導しました。研修で集まる時は、プロジェクトの情報共有、参加者間で相談や相互のアドバイスを行いました。期間は約2年間。比較的若い参加者や希望者には現職の女性管理職等がメンターとしてつき、月1回程度のミーティングを行いました。 実際に、参加者数名がマネジャーに登用されました。万華鏡30を用いてマネジャーポテンシャルを勘案した選抜を行ったことで、パフォーマンス評価だけの選抜よりも予測精度が上がったと思っています。

今後は、より効果的な人材配置を行うために、コンピテンシーとパフォーマンスだけでなく、ビジネススキルを取り込んだ3軸を人材情報として活用していきたいです。コンピテンシーとスキルが一部関連する部分もあると思いますが、基本的なビジネススキルをいくつか柱にして整理し、人材配置を行う必要性を感じています。

もう一点は、人間同士の相性に着目して、シナジーを生むチームの形成を行いたいと思っています。当社は新規事業「スクリレ」を立ち上げ、今年の4月よりサービスを開始します。このようなスタートアップの事業を、どのようなメンバーに任せるかの参考情報として、人材データを使いたいと考えています。また、各職務に適した人材を登用するだけではなく、メンバー同士のシナジー効果をデータで予測できるといいですね。

日本エス・エイチ・エルには、万華鏡30だけではなく、適宜いろいろなサービスをご提供いただいています。今後も何か当社に適したアセスメントツールがあれば、ぜひご紹介いただければと思っています。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 マーケティング課 課長

水上 加奈子

まだタレントマネジメントという言葉があまり一般的ではなかった7年前、当時の人事課題をご相談いただき、全社員のアセスメント受検プロジェクトをご提案、実施することになりました。背景には、事業環境の変化による危機感と今いる従業員の方のパフォーマンスを最大限に生かしたいという強い想いがあったと記憶しています。役員の方々を始め、全従業員の方にご協力をいただき、様々な観点で分析を行い、私自身も大変勉強になりました。一過性のプロジェクトとして終わらず、7年たった今もアセスメントデータの価値と意味を適切に理解し、様々な場面で継続してご活用いただいていることを、何よりも嬉しく思います。今後も、理想科学工業の様々な人事施策の力になれるよう、精一杯支援を行ってまいります。

導入事例

ブレークスルーを起こせる人材求む。ファイザーの人材要件定義プロジェクト。

ブレークスルーを起こせる人材求む。ファイザーの人材要件定義プロジェクト。

変化する製薬業界で大きな成果を出す、ファイザーの人材要件定義プロジェクトをご紹介します。

※本取材は2021年4月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

ファイザー株式会社

事業内容

医療用医薬品の製造・販売・輸出入

業種

医薬品製造業

従業員数

約3,600名 (直雇用社員数 2020年12月1日現在)

インタビューを受けていただいた方

岩崎聖子 様

人事・総務部門

インタビューの要約

製薬業界を取り巻く環境やビジネスモデルの大幅な変化を受け、採用要件を刷新。
優秀者の傾向分析や経営層へのビジョナリーインタビューを通し、採用要件を策定。新しい採用要件で選考できるように、評価シートの刷新と面接官へのトレーニングも実施。
今後は、トレーニングチームとの連携や配属先のマネジャーへのメッセージ発信を通して、受け入れ態勢の強化を行いたい。

変わりゆく製薬業界で、新たな人材像の必要性を実感。

私は新卒で入社し、営業と医薬品安全性統括部を経験した後、社内公募で人事企画グループに異動しました。人事企画グループでは、セミナー企画や就業規則の改定などの業務行い、その後再び社内公募で採用グループに異動し新卒採用と外部採用に従事しています。当社は同じ事業部内であっても業務を変える際は公募制を採用しており、各々が手を挙げることでキャリア形成を促します。

今回の採用要件の再定義を実施した背景には、ビジネス環境の激しい変化がありました。当社では10年ほど前に、日本エス・エイチ・エルに協力いただき、MR(医薬情報担当者)の採用基準を設計していました。しかし、医療業界を取り巻く環境に伴い、当社のビジネスモデルは、その頃と大幅に変化をしています。加えて、2年前にはCEOが交代し、企業目的も刷新しました。経営方針も、これまでは合併を繰り返して規模拡大を目指していましたが、サイエンスを原動力とする革新的なバイオファーマになるべく変わりました。

変わりゆく製薬業界で、新たな人材像の必要性を実感。

環境変化は医師への医薬情報提供活動にも影響が及んでいます。「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」が2019年4月1日より施行され、今後のMRには今までにも増して新たな役割が期待されるようになりました。更に、コロナ禍以前から病院への訪問規制が厳しくなっており、MRは規制の多い中、オンライン面会などデジタルを活用した新しい手法の提案を余儀なくされました。以前のように足しげく通うのではなく、透明性のある正確な情報を、医師の求めるタイミングで適切に提供することが必要となりました。また、希少疾患などの薬剤開発に伴い、専門医に対してより高度な情報提供が求められるようになってきています。

製造・臨床開発部門は、専門性の高い部門のため、選考においては現場のマネジャーの判断に頼っている部分がありましたが、改めて議論がなされました。臨床開発部門は、世界で同時に発売を目指すため、複数の国や地域で同時に行われる国際共同治験に日本も進んで開発に参加し、ドラックラグを無くすことでいち早く患者様に新薬を届けるため、グローバルな環境でもチームをリードできる人材が必要です。製造部門も世界各国にある約40か所以上の製造拠点がつながっており、各拠点と連携できる社員が必要です。また日本の成功事例を海外へ発信し、ファイザージャパンがグローバルファイザーの中で存在感を高めることに貢献できる人材が重要になってきます。

各部門の新卒採用に対する共通ニーズは、現場で働くスタッフを採用するのではなく、将来のファイザーを牽引するリーダー候補となり得る人材を採用することです。当社は大量採用を行わず、少数精鋭の優秀な人材の発掘に注力しています。日本から世界に発信し、社内外でのファイザージャパンの存在感を高め、ブレークスルーを生み出すことができる人材を意識して採用する必要があります。

優秀者の分析と経営層へのインタビューを通し、採用要件を策定。

採用要件の定義を実施するにあたり、現在活躍している社員の特徴を把握するため、各職種のハイパフォーマーへのインタビューとパーソナリティ検査による調査を実施しました。また今後の展望を踏まえた要件にするため、各部門のトップに対するビジョナリーインタビューを実施しました。総合的に議論し採用時に評価すべきコンピテンシーを採用要件としました。

現在の代表取締役社長である原田からは、既存の枠組みで活躍している営業社員ではなく、より先進的な営業手法を取り入れている業界の社員の特徴を参照すべきではないかという提案がありました。一方で現在活躍している営業社員の傾向を分析したところ、環境変化に強く創造性やエネルギーも持ち合わせていることが明らかになりました。これは、他の産業界でもリーダー層として活躍している人材のコンピテンシーと共通していることがわかりました。このように、他業界の傾向なども参照しながら、近い将来求められる人材について慎重に協議を行いました。

「新しい評価基準ではマル、でも現場でやっていけるかな?」 そうした人材も、採ってみようと後押しする。

今回新しく設計した採用要件できちんと選考を進められるよう、日本エス・エイチ・エルの面接官トレーニングも実施しました。参加者からは、実施してよかったという意見を数多くもらいました。これまで正式な面接トレーニングを行ってこなかったからかもしれません。ロールプレイで専門家にアドバイスいただき、自分の癖を見直すきっかけになったという声が多くありました。

当社のミッションを「患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす」に刷新したことも相まって、面接官の意識が現場目線の選考(例:医師に良い印象を与える人材か)から、経営目線の選考(例:今後のファイザーの将来を担う人材か)へと変わってきました。今まさに進行している面接でも、今後必要となる人材やこれまで見られなかった価値観を持つ人材を評価できていると実感しています。「この人材は、評価シートでは全部マルがつく。でも、現場でやっていけるかな・・・」。そういった人材に関しても、「採ってみましょう」と後押しする方向に動いています。

「新しい評価基準ではマル、でも現場でやっていけるかな?」 そうした人材も、採ってみようと後押しする。

採用要件は作成して終わりではない。 人材の受け入れ態勢と継続的なブラッシュアップが必要。

今回、採用要件を刷新しましたが、このあとは新しいタイプの人材を定着させる取り組みが必要です。これについては、二つの施策を検討しています。一つ目は、トレーニングチームと情報共有し、コンピテンシー開発を重視した研修を行うこと。二つ目は、受け入れ先のマネジャーと情報共有し、現場での能力開発を行うこと。採用要件は定義して終わりではなく、こうした施策がうまく連動することにより、現実的かつ効果的に機能するものだと考えています。
また、一度作成した要件が全てではなく、議論を重ね、更により良い内容にしていくことが大切であると考えております。新しい採用要件を用いることで、採用結果にどのような変化を及ぼしたのか、しっかりと検証を行っていく予定です。何よりも、今回のプロジェクトを実施することにより、採用部門の責任者とマネジャー、人事の採用の目線合わせを行うことの大切さを、採用部門が再認識することができたことが大きな成果でした。この採用要件を独自にブラッシュアップしていこうとする部門もあり、よい機会になったと考えています。

これまで採用できていないが、今後必要となるようなInnovativeな発想をもつ人材を採用するには、社内データの分析や社内議論だけでは、固定概念に囚われて不十分です。日本エス・エイチ・エルのような外部の専門集団のサポートを得ながら、豊富な他業界のデータを参照しじっくりと議論を行うこと、常にブラッシュアップしていくことが非常に大切だと考えています。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルティング2課 課長

横山武史

このプロジェクトはスタート前の議論に長い時間をかけました。リーダーを内部育成する組織において、現場スタッフに求められる人材要件と、リーダーに求められる人材要件を、どのように採用要件に織り込んでいくべきかが問題でした。
様々な案を検討した上で、今活躍している人材と未来に活躍する人材の違いを把握するため、各部門のハイパフォーマー調査(人材データ分析、インタビュー)と各部門トップへの調査(ビジョナリーインタビュー)を実施することとなりました。プロジェクト計画が立案された段階では、調査結果に基づきさらなる議論を行い、統合した採用要件を作成することとなっていました。しかしながら調査結果を見てみると、ハイパフォーマーの傾向が他業界のリーダーと多くの点で共通しており、また、ビジョナリーインタビュー結果とも多くの共通点が見られました。実行することの重要性を改めて認識しました。
今後もファイザーのタレントマネジメント施策の立案と遂行のお力になれるよう全力でサポートしてまいります。