入社1ヶ月も経たずに辞める新入社員をどう思いますか?(自社の事例ではなく社会全体として)
ここでの「新入社員」は新卒採用での新入社員を指しているのだと思います。毎年4月の入社時期後に「早くも辞める新人」が話題になります。ゴールデンウイーク明けになると、今度は「五月病で脱落する新人」となります。
結論から言えば、もう珍しいことではなく、昭和世代風の「根性、堪え性がない」ということで片付けられる問題ではないということです。
新卒の約1割が1年以内に、そして約3割が3年以内に離職している現状ですが、どうしてこのような早期離職が増えているのか。
採用に携わっている方はもちろんですが、大学等の教育関係の方々、ご家族が就職活動を経験した方々は、新卒の就活が大きく変わったことをご存じのはずです。
インターンシップから就活が始まり、全体的に活動時期が前倒し早期化しているため、短期間での就活により企業研究や仕事理解が進まないうちに企業から内々定を出され、そのまま入社したものの、入社後にミスマッチを意識して離職する――というパターンが増えていると言われています。
これは近年の就活や採用選考の変化に伴う構造的なもの。環境要因の影響と言えます。
加えて個人の価値観の変化もあります。従来は、「すぐに辞めるのは本人の忍耐力がないから。社会人としての覚悟がないから」だとして、採用コストをかけた会社に迷惑をかけているといった受け取られ方をしていましたが、いまの若い世代には、「自分に合わない会社にいても意味がない。早期に見切りをつけた方がよい」、「受け入れた会社側に問題があるからだ」と考える傾向が強いです。
働くことの意識、キャリア形成観が大きく変わって、現在では「合わない環境に居続けることを良しとしない社会になった」と考えるべきでしょう。
早期離職をした人を責めるのではなく、辞めざるを得なかった理由とその対策を社会として考えるべきであり、かつ離職した人が自分にあった企業、仕事にスムーズに就けるような仕組み作りを考えなければなりません。社会全体としての適材適所が望まれます。
このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長