「スキルベース組織」への移行を進める際、日本企業が最初につまずきやすい点はどこでしょうか?
スキルベース組織への移行は、日本企業に限らずどの国の企業にとっても簡単ではありません。つまずくどころか、最初の一歩を踏み出すことすら難しいのがスキルベース組織です。難しさを作っている要因は、ジョブの流動性です。
従来のジョブ型組織であればポストに人を当てはめる人事管理で済みましたが、スキルベース組織では、ビジネス目標を達成するために必要な業務をタスクに分解し、どのレベルのどのスキルが何時間分必要かという細かい需要を予測しなければなりません。正しく管理するには、全従業員の保有スキルと熟練度、各個人の稼働時間をリアルタイムで可視化したスキルデータベースが不可欠です。
さらに、発生したスキルギャップを埋めるアプローチも、社内人材のリスキリングやタスクの再アサイン、さらには副業やフリーランスの外部活用など多岐にわたるため、意思決定と調整のコストが跳ね上がります。このように、常に流動する「タスク」と「スキルの総量」をパズルのように組み合わせ続ける運用の煩雑さこそが、企業にとって大きな導入の阻害要因となっています。そして、これらの運用を人力で回すことは不可能であるため、スキルベース組織にはAIを活用したスキル管理とマッチングシステムが不可欠なのです。
このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員