セミナー・イベント

【7/31までアーカイブ映像配信中】
採用シンポジウム2025
「新卒採用 各社の挑戦」

2025年6月24日、弊社主催の採用シンポジウム「新卒採用 各社の挑戦」がライブ配信されました。当日は、アクセンチュア株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社ニコン、三井物産株式会社の4社の人事ご担当者にご登壇いただき、自社の人材獲得戦略の取り組みをご共有いただきました。現状の課題や今後の展望についての講演とパネルディスカッションを実施し、視聴者の皆さまからのご質問にも数多くご回答いただきました。7月31日(木)まで、期間限定のアーカイブ配信をご視聴いただけます。

こんな方におすすめ

企業の先進事例を具体的に知りたい
新卒採用を見直したい
新たな採用手法などを模索している

ゲスト講演・パネルディスカッション

牧村 夕貴 様

牧村 夕貴 様

アクセンチュア株式会社
人事本部 リクルーティング
新卒採用統括 マネージャー

笹倉 由衣 様

笹倉 由衣 様

大日本印刷株式会社
人財開発部 採用グループ

古澤 健太 様

古澤 健太 様

株式会社ニコン
経営管理本部 人事部 採用課

村田 祥太郎 様

村田 祥太郎 様

三井物産株式会社
人事総務第一部 採用企画室
新卒採用チームリーダー

アーカイブ配信概要

申込期限

2025年7月31日(木)12:00

視聴期限

2025年7月31日(木)

配信方法

Zoomビデオウェビナー

受講料

無料

受講対象

企業および組織の人事に携わる方

※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
✉ Eメール: event@shl.co.jp
☎ TEL:03-5909-7207

視聴お申し込みはこちら

セミナー・イベント

【7/31までアーカイブ映像配信中】
採用シンポジウム2025
「新卒採用 各社の挑戦」

2025年6月24日、弊社主催の採用シンポジウム「新卒採用 各社の挑戦」がライブ配信されました。当日は、アクセンチュア株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社ニコン、三井物産株式会社の4社の人事ご担当者にご登壇いただき、自社の人材獲得戦略の取り組みをご共有いただきました。現状の課題や今後の展望についての講演とパネルディスカッションを実施し、視聴者の皆さまからのご質問にも数多くご回答いただきました。7月31日(木)まで、期間限定のアーカイブ配信をご視聴いただけます。

こんな方におすすめ

企業の先進事例を具体的に知りたい
新卒採用を見直したい
新たな採用手法などを模索している

ゲスト講演・パネルディスカッション

牧村 夕貴 様

牧村 夕貴 様

アクセンチュア株式会社
人事本部 リクルーティング
新卒採用統括 マネージャー

笹倉 由衣 様

笹倉 由衣 様

大日本印刷株式会社
人財開発部 採用グループ

古澤 健太 様

古澤 健太 様

株式会社ニコン
経営管理本部 人事部 採用課

村田 祥太郎 様

村田 祥太郎 様

三井物産株式会社
人事総務第一部 採用企画室
新卒採用チームリーダー

アーカイブ配信概要

申込期限

2025年7月31日(木)12:00

視聴期限

2025年7月31日(木)

配信方法

Zoomビデオウェビナー

受講料

無料

受講対象

企業および組織の人事に携わる方

※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
✉ Eメール: event@shl.co.jp
☎ TEL:03-5909-7207

視聴お申し込みはこちら

セミナー・イベント

【8月29日まで期間限定アーカイブ配信】
成功率を上げるデータドリブンなリーダー選び
~サクセッションプラン最新研究×最先端ツール「Insight Platform」

本ウェビナーでは、サクセッションプランの成否にかかわる重要な要素、「コンテクスト(リーダーを取り巻く環境)」に関するSHLグループの知見をお伝えするとともに、その知見を活用した次世代リーダー発掘のための最新ツール「Insight Platform」をご紹介します。

※2025年5月20日にSHLタレントマネジメントウェビナー「成功率を上げるデータドリブンなリーダー選び ~サクセッションプラン最新研究×最先端ツール「Insight Platform」」が開催されました。8月29日まで、期間限定のアーカイブ配信でご視聴いただけます。

こんな方におすすめ

サクセッションプランの情報を収集している
次世代の経営リーダー育成や後継者計画の改善を図りたい
サクセッションプランについて最新の知見を知りたい

講師

清田 茂

日本エス・エイチ・エル
執行役員

開催概要

時間

約60分

視聴期限

2025年8月29日(金)まで

配信方法

Zoomによるアーカイブ配信

受講料

無料

受講対象

企業および組織の人事に携わる方

※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
TEL:03-5909-7207
Eメール:event@shl.co.jp

視聴お申し込みはこちら

サクセッションプランとは

サクセッションプランとは、将来組織のリーダーを担う人材を計画的に発掘、育成、選抜する仕組みです。経営トップや事業責任者など、組織の持続的な成長に欠かせないポジションにおいて、誰が役割を引き継ぐのかをあらかじめ定めておくことで、不測の事態にも備えられると同時に、戦略的な人材育成にもつながります。

サクセッションプランとは

サクセッションプランの必要性

サクセッションプランの必要性が世界中で高まっている主な理由は二つあります。一つ目は経営環境の不確実性が高まり、予期せぬリーダー交代が組織の大きなリスクとなっているから。二つ目はリーダー人材の獲得競争が激化し、自社内での育成が重要になっているからです。加えて、社会の価値観が多様化していることで、経営リーダーに求められる要件が急激に変化していることも影響を与えています。
ハーバードビジネスレビューシニアエディターのエベン・ハレル氏が行った研究では、退任するCEOの後任をすぐに見つけられない企業は平均で18億ドルの株主価値を失い、社外から採用されたCEOの平均報酬は社内出身のCEOの平均報酬よりも320万ドル高いことが述べられています。

サクセッションプランを行うべき組織

今すぐにでもサクセッションプランに着手すべき組織はどのような特徴を持っているのでしょうか。以下の6つのいずれかに該当する企業にとってサクセッションプランは重要課題と言えます。

サクセッションプランの進め方

次に、サクセッションプランの進め方についてです。サクセッションプランは以下のステップで構成されます。

1. 現状把握とキーポストの決定

経営層や人事が中心となり、経営戦略と連動した組織の将来像を描き、サクセッションプランの対象となるキーポストを決めます。キーポストには経営層や事業トップだけではなく、企業にとって必要不可欠な重要ポストを含める必要があります。キーポストが決まったら、各ポストについて後継者候補の有無を確認し、現状と将来像の人材ギャップを明確にします。

2. 後継者候補のアセスメントと選抜

従業員のなかから後継者候補をリストアップし、アセスメントを実施します。アセスメントを行うためには事前に各キーポストの人材要件を定義しておく必要があります。人材要件を定義するにあたって考慮すべき要素は、実績、コンピテンシー、ポテンシャルの3つです。実績は、業績、職務経験、保有資格、研修歴など今までの職務成果に関連する情報です。コンピテンシーは発揮された能力や行動特性です。定期的に行われる上司評価や360度評価によって得られる情報です。ポテンシャルは資質や潜在能力と呼ばれる保有している能力や才能です。仕事場面で顕在化していないことがある個人属性のため、アセスメント(認知能力測定、パーソナリティ測定、モチベーションリソース測定など)を使って測定する必要があります。

3. 育成プランの策定と実行

アセスメントによって選抜された後継者候補に対し、個々のスキルや経験のギャップを明確にし、それを埋めるための具体的な育成計画を作成します。例えば、戦略的視点を高めるためのプロジェクト参画、戦略的な異動による実務経験、メンタリング、外部研修など多様な方法を組み合わせます。育成の状況を上司や人事、キャリアコーチが定期的に確認し、必要に応じて柔軟に内容を見直すことが重要です。

4. メンテナンス

定期的に候補者の成長度合いや組織の状況変化を踏まえ、サクセッションプランが機能しているかを確認し、調整します。例えば、候補者が適切に育っているか、候補者の状況に変化はないか、重要ポストに変化がないか、部門責任者が役割を果たしているか、施策が経営や人事に貢献しているかなどをチェックします。必要に応じて対象ポストや候補者、育成方針の見直しを行い、仕組み全体の精度と実効性を高めていきます。ここでは経営層と人事が密に連携し、柔軟に対応することが求められます。

導入にあたっての注意点

一方で、サクセッションプランの導入にあたっては以下の点に注意が必要です。

導入にあたっての注意点

おわりに

サクセッションプランは未来の経営リーダーを育てる最も重要な人事施策の一つです。しかしながら、次の社長候補者を客観的な選抜と計画的な育成によって万全に準備できている企業は極めて少ないことが現状です。突発的に経営陣の交代を余儀なくされる場合のみならず、経営環境の変化に対応できる経営陣を育成し、円滑な後任への引継ぎを行うことは企業価値を向上させるうえで極めて重要です。
Insight Platformは、現在の複雑な経営環境に適応できる経営リーダー候補者の選抜に適したアセスメントツールです。オンラインで簡便に実施できるパーソナリティ測定と職務経験サーベイで、経営リーダーとしてのポテンシャルを測定し、人材選抜に対する有用なインサイトを提供します。

参考:Succession Planning: What the Research Says
Most organizations aren’t prepared. by Eben Harrell
From the Magazine (December 2016)
https://hbr.org/2016/12/succession-planning-what-the-research-says

はじめに

SHLのアセスメントは、民間企業だけでなく様々な公的機関や法人を含め、組織やチームのパフォーマンスを最大限にいかすために活用されています。ビジネス場面の利用だけでなく、過去には、南極レースに参加するメンバー選抜カーレーサー発掘プロジェクトのサポートなどにSHLアセスメントが活用された事例があります。
今回のコラムでは、SHLグループ本社があるイギリスの海軍におけるリーダー研究をご紹介します。

はじめに

イギリス海軍のリーダー選抜の課題

イギリス海軍は、上級士官に関してある課題を抱えていました。海軍は、イギリスの他の民間組織と異なり、人事異動や再配置が頻繁に起こります。通常、上級士官が同じ役職にとどまるのは約3年ほどです。これまで、イギリス海軍は任命・昇進の決定を、ほぼ例外なく年次評価報告書のみに依存していました。
この方法は、個人業績の満足度を伝えるには効果的ですが、特定の役職に誰がより適しているか、個々の卓越した強みがどの分野にあるかを区別するにはあまり役に立たないという課題がありました。
今回研究を行ったのは、30年以上イギリス海軍に勤務する経験を持つマイク・ヤング大佐(博士・MBE;大英帝国勲章メンバー)で、イギリス海軍のリーダーシップ評価および育成アドバイザーとして、上級士官のサイコメトリックアセスメント実施、コーチング、能力開発施策の設計を行っています。

上級士官にSHLアセスメントを実施

今回の研究ではイギリス海軍の上級士官における①パフォーマンス評価、②ポテンシャル(将来性)、③昇進率と一般知能、パーソナリティ、モチベーションリソースとの関連性を調査しました。
具体的には、300名を超えるOF5からOF7(大佐から少将と同等の英国海兵隊の階級を含む)の正規士官に、SHLアセスメントである一般知能検査G+、パーソナリティ検査OPQ32r、意欲検査MQ、を受検してもらいました。
イギリス海軍では、成功するリーダーとそうでないリーダーを組織内で独自に研究して確立した「指揮・リーダーシップ・管理(the Command, Leadership, and Management (CLM))」のコンピテンシーモデルを持っており、このモデルにOPQとMQの関連因子をマッピングし、対象者の各種評価項目とSHLアセスメント結果との関連性を分析しました。

 CLMコンピテンシーモデル:
 Conceptualize(概念化):達成すべきことを理解し、それを明確に伝える
 Align(方向性を合わせる):コントロール可能な行動に集中する
 Interact(関わり合う):他者と協働し、他者を通じて業務を遂行する
 Create Success(成功を創造する):習慣的に成果を出す

結果

各因子と有意に相関があった項目は以下の通りです。

CLMモデル SHLアセスメントのマッピング ①パフォーマンス ②ポテンシャル ③昇進率
Conceptualize
(概念化)

達成すべきことを理解し、それを明確に伝える
G+ 一般知能
OPQ 創造的
OPQ 堅実
OPQ 概念性
OPQ 好奇心
OPQ 律義
MQ 興味 +
MQ 柔軟性 +
Align
(方向性を合わせる)

コントロール可能な行動に集中する
OPQ 几帳面 +
OPQ 説得性 +
OPQ 先見性 +
OPQ 指導性 ++
OPQ 批判的
MQ 権限
MQ 活力
Interact
(関わり合う)

他者と協働し、他者を通じて業務を遂行する
OPQ 人間への関心 ++
OPQ 協議性 ++
OPQ 友好性
OPQ 抑制
OPQ 独自性
MQ 帰属
MQ ステータス
Create Success
(成功を創造する)

習慣的に成果を出す
MQ 達成 + +
MQ 競争 +
MQ 没頭 ++ ++
MQ 失敗の恐怖 + ++
MQ 昇進 ++ ++
MQ 快適と安定
MQ 成長 ++

高:当該因子の高得点の特徴を持つ

低:当該因子の低得点の特徴を持つ

++/+ 有意に正の相関がある

–/- 有意に負の相関がある

論文のTable 6を元に筆者が作成

  1. パフォーマンスとの関連性:
    (OPQ)仕事を最後までやり遂げる
    (MQ)仕事に精力をつぎ込む、失敗しないために活動的になる、リスクがあっても気にしない
  2. ポテンシャル(将来性)との関連性:
    (OPQ)主導権を取ることを好む
    (MQ)目標を達成しないと気が済まない、失敗しないために活動的になる、昇進/キャリアアップによって意欲があがる
  3. 昇進率との関連性:
    (OPQ)新しいやり方を好む、ルールに縛られない、交渉を好む、長期的な視点を持つ、人を分析する、広く相談して意思決定する
    (MQ)変化や刺激を好む、流動的な環境を好む、目標を達成しないと気が済まない、人と比較されることで成果を出す、昇進/キャリアアップによって意欲があがる、能力開発やスキルアップで意欲があがる

全体として、マッピングされたアセスメントの各因子とパフォーマンス・ポテンシャル・昇進率には相関がみられ、CLMモデルがこれらの予測に有用であることが分かりました。
分解してみていくと、MQは優れた予測因子であることが示され、昇進の早い上級士官の重要な差別化要因であることが明らかになりました。これは、リーダーが「どう行動するか(How)」だけでなく、「なぜそう行動するのか(Why)」を理解することの重要性を浮き彫りにしています。こうした深い内面の動機を無視すると、一見有能に見えても、長期的に成功するための“内なる原動力”を欠いた人物を誤って昇進させてしまうリスクがあります。

いずれの指標とも関連性が見られなかった一般知能については、高次の思考を支える要素ではあるものの、それだけでは「優れたリーダー」と「少し良いリーダー」とを区別する決め手にはならないと解釈されました。むしろ、一般知能は“ある水準までは必要な基礎的能力”とされ、それ以上になると、より重要なのは他の要素であるようだと大佐は述べています。

これらの結果を用いて、イギリス海軍では、データに基づいたサクセッションプランや能力開発プランの意思決定を行えるようになりました。SHLではイギリス海軍に向けてオリジナルのリーダーシップ開発レポートも作成し、支援しています。

結果

おわりに

軍組織のリーダーにおけるサイコメトリックアセスメントとの関連性が示された興味深い事例です。ビジネスの組織とはミッションも体制も異なることは明らかですが、今回の上級士官のリーダー研究結果はビジネス場面にも通じる「リーダーとしての素養」として頷ける部分もあります。
民間企業であれ、軍隊であれ、組織運営は人が行う以上、介在する人の能力やスキル、意欲、人同士(チーム)の組み合わせで成果差が出ます。この捉えづらい人の能力やスキル、意欲を可視化する当社のアセスメントツールは、組織パフォーマンスの向上に深く貢献できます。
なお、論文の中では、今回の研究でなぜSHL社のアセスメントを評価ツールとして採用したか、信頼性や妥当性などに言及しながら説明しています。当社の評価ツールとしての品質を知る上でも参考になる論文かと思います。

参考文献:
Anchoring Talent Decisions in Science: Insights from Senior Leader Research in the Royal Navy
The Royal Navy Modernizes Leadership Development and Selection with SHL
General intelligence, personality traits, and motivation as predictors of performance, potential, and rate of advancement of Royal Navy senior officers

優秀な候補者に感じる”違和感”の正体

採用面接で出会う「優秀な候補者」に違和感を感じたことはないでしょうか。スキルや経験は申し分なく、話しぶりも堂々としていて即戦力としての期待も高まる。しかしどこかで「この人が本当にチームに馴染むだろうか」という一抹の不安が拭えない。それは”対人関係面のリスク”のサインかもしれません。
たとえば傲慢さや過度な自己主張、他者批判といった特徴を持つ候補者は、短期的には成果を上げるかもしれませんが、長期的には組織に摩擦をもたらすことがあります。しかし、リスクがあるからといってすぐに不採用と決めつけてしまえば、優秀な人材を逃す可能性もあります。かのスティーブ・ジョブズ氏も性格的には自己中心的で協調性に欠けるなどの問題があったと言われていますが、一度は追い出されたApple社に復帰して、同社を世界有数の企業に成長させています。
そこで本稿では、候補者が持つ”対人関係面のリスク”を正しく見極めつつ、それを上回る価値をもたらす人材かどうかという、より現実的な視点での人材評価について考えてみます。

優秀な候補者に感じる

「対人関係面のリスク=悪」とは限らない

対人関係面のリスクとは、ある人物の性格的傾向や価値観に基づく言動で、周囲に悪影響をもたらし、組織の生産性を低下させる危険性があるものを指します。典型例としては、「優秀だが他者を見下す」「目的達成のために他者を利用する」「自分の考えややり方を押し付ける」といった行動が該当します。
こうした特徴は応募書類には表れず、候補者が自ら進んで申告することもありません。だからこそ採用面接では「表面的な優秀さ」に引き込まれず、その背後にあるリスクの兆候を丁寧に拾い上げる必要があります。
一方で、リスクは必ずしも“悪”ではありません。たとえば、自我が極端に強い人でも、それを補うだけの実行力や成果への執着心があれば、組織に大きな利益をもたらす可能性があります。また、自社のビジネスや組織が危機に瀕しているときは、多少強引でも改革を断行できる強い意志を持った人物が求められます。ある研究では、治安の悪い地域に住む人は、品行方正なリーダーよりも手段を選ばずに悪と対峙する”ダークなリーダー”に救いを求め、その実行力に期待するという傾向が見られました。ご存じの方は、ゴッサムシティとバットマンの関係を思い浮かべてみるといいかもしれません。
大切なのは「対人関係面のリスクをもつ人材を排除すること」ではなく、「そのリスクを把握したうえで、自分たちの組織で許容できる範囲内か、それ以上に得られる価値があるか」を冷静に見極めることです。

採用面接における確認方法

対人関係面のリスクを採用面接で見極めるには、単なる印象ではなく、候補者の過去の行動や反応から手がかりを得る必要があります。その際、過去の経験を尋ねるだけではなく、「どのように人と関わってきたか」に注目することが重要です。特にチーム内での対立や調整、目上の人との意見の食い違いといった場面を深堀りすることが有効で、たとえば、「メンバーや上司(先輩)と意見が衝突した経験を教えてください。そのとき、あなたはどう対応し、結果的に何を学びましたか?」といった質問は人との関わり方が見えやすくなります。
また、「成果を出すためにチーム内で妥協した経験」や「苦手なメンバーと協力する上で工夫した点」を尋ねることも効果的です。そして、候補者から語られるエピソードの中身に加えて、候補者が使う「言葉」にも注目してください。たとえば、相手の反対意見を「文句、反抗」と表現すれば、自分が常に正しく、相手が間違っていると決めつける人物である可能性があります。また、自分がとった行動や決断を相手がどう感じたか尋ねたときに「たぶん○○だと思う」と答えれば、相手に確認はしておらず、他者の感情変化に関心が薄いことが分かります。
対人関係面のリスクについては、ダークトライアド(サイコパシー、マキャベリアニズム、ナルシシズム)、組織機能阻害行動など国内外で様々な研究がなされていますが、採用面接で比較的確認しやすいリスクは以下の5つです。

①共感性の欠如(相手の立場、意見、感情への共感が乏しい)
②他者利用(目的達成の手段として他者を利用する)
③攻撃的な自己主張(自分の考えややり方を押し通す)
④他者批判(他者を見下し、批判する)
⑤反抗的な態度(指示やアドバイスに従わない)

これから採用面接を受ける方もいるので詳細な評価項目をここで紹介することは差し控えますが、対人関係に関する候補者のエピソードや使う言葉から、周囲をどうとらえ、どう関わっていく人物なのかを予測することができます。ただし、繰り返しになりますが、「対人関係面のリスクを持った人材の排除」をゴールにしないことです。
全ての人材には長所と短所があります。リスクを正しく把握した上で、配置や育成、マネジメントで補うことができないかを検討し、能力とリスクのバランスを考慮して採否を判断することが重要です。

採用面接における確認方法

おわりに:能力と人柄の両輪で採用を

人材採用において、候補者の能力の評価は今も昔も、そしてこれからも欠かせない判断基準の1つです。しかし、それだけでは組織にとって“持続可能な人材”とは言えません。人柄や価値観が組織文化と調和できるかを見極めることも、長期的な人材活用には欠かせません。対人関係面のリスクは、時に強さや個性の裏返しでもあります。採用場面では、それを“排除すべき不安要素”として断じるのではなく、“マネジメントすべき特性”として冷静に受け止め、リスクを上回るだけの能力や将来性があるかを総合的に判断することが、優秀な人材の採用には必要不可欠だと言えるでしょう。

資料ダウンロード

総合適性検査「玉手箱Ⅲ」

玉手箱Ⅲとは、SHLが提供する受検者の総合的な適性をより短時間で測定するWeb適性検査です。職務パフォーマンスに関わる言語・計数・英語の理解力を扱った知的能力と、作為的な回答がしにくい形式で仕事に関わる30のパーソナリティを測定します。マークシートテストIMAGESのWeb版です。玉手箱Ⅲの帳票は、ご利用用途にあわせて、能力特性予測と面接シートを兼ねた「面接ガイド版形式」、面接前の短い時間で受検者のイメージが浮かぶように設計された「コメント形式」の2つのバージョンから選択可能です。

ダウンロードはこちら

公開型(LIVE配信)トレーニング

人事コンサルタントの職務分析スキルを学ぶ
コンピテンシーデザインコース

本講座は、LIVE配信で実施いたします。
インターネットに接続されたPC、タブレット、スマートフォンから受講可能です。
受講者の方へは、事前に受講用のURLとパスワードをお送りいたします。

※Webカメラ、ヘッドセットをご用意ください。
(カメラ、マイクが端末に内蔵されている場合は不要です)

このような方にオススメ

社内でコンピテンシーデザインのプロジェクトを企画、実行、マネジメントしたい
異動、昇進昇格、次世代リーダー選抜など、社内の様々な人事要件の見直しや再定義を行いたい

このセミナーで得られること

職務分析・人材要件定義における専門技術(インタビュー、コンピテンシーライティング、プロジェクトマネジメント)が身につきます
自社独自のコンピテンシーモデル作成や、従来のコンピテンシーモデルの検証が内製化できるようになります
SHLグループが持つ世界標準のコンピテンシーフレームワーク(UCF)を活用し”MECEな”モデルを作ることができるようになります

プログラム

本コースは、2日間通しでの開催となります(両日ともに10:00~17:00)。
※事前課題あり(プレコースガイドの読込とワークへの回答)

時間 テーマ 主な内容
1日目 講義 コンピテンシーと職務分析法の概要説明、プレコースワークの回答確認等
講義 演習 カード分類法の理解と体験
講義 演習 クリティカル・インシデント手法の理解と体験
講義 映像 ビジョナリー・インタビュー手法の理解と体験
講義 演習 レパートリー・グリッド手法の理解と体験
2日目 総合演習 総合演習の説明、準備
総合演習 インタビューの実施
総合演習 コンピテンシーデザイン
総合演習 発表と振り返り
講義 コンピテンシーデザインプロジェクトの進め方
講義 総括
  • ・適宜休憩を挟みます。
  • ・上記は本セミナーの標準的なプログラムです。当日の進行上、プログラムを一部変更したり、終了時間が若干前後したりする場合があります。
  • ・コースご参加に際し、事前課題がございます(コース当日、回答内容をお持ちいただきます)。
  • ・実習(グループワーク)の際、ご自身のこと(業務等)についてお話しいただく場合があります。予めご了承ください。

参加者のご感想

インタビュー時に注意すべきことが、演習を通して実感ができました。(自身があまり先入観を持つと上手くいかない等)

広告

すべて活用できると感じました。今後に活用したいと考えています。また、少人数、個別対応に近い形式が非常に良かったと感じています。

金融

開催概要

主催

日本エス・エイチ・エル株式会社

開催日時

開催日程はお問い合わせください

講師一覧

※当日の担当講師は予告なく変更する場合があります。

対象者

企業の人事・採用・育成業務に従事されている方(同業者、学校法人、個人の方はお申込できません)

定員

6名(先着順受付)
開催人数に満たない場合、セミナーを中止させていただく場合があります。
開催中止の際は、10営業日前までにご連絡いたします。

参加費

参加者1名様につき350,000円(消費税等別)※2日間コース

お支払い方法

セミナー終了後、当社他サービスの利用料金と併せて請求させていただきます。

※振込手数料は貴社ご負担にてお願いいたします。

お申し込み方法

フォームよりお申し込みください。お申し込み受付後、原則2営業日以内に受付完了のメールをお送りいたします。

申込日程の変更及びキャンセルについては、10営業日前17時 までにご連絡ください。

それ以降は下記のキャンセル料を申し受けます。予めご了承ください。

10営業日前17時から1営業日前17時まで

半額

1営業日前17時以降から当日

全額

※お申込みいただきました場合には上記キャンセルポリシーを承諾したものとみなします。

お申し込み期限

セミナー開催日の10営業日前16時

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 セミナー事務局
Eメール training@shl.co.jp

お問い合わせフォーム

お問い合わせ

ご不明な点がございましたら、担当コンサルタントまたは「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

面接は、適合度、資格、潜在的な貢献度を評価し、適切な人材を見つけるための入り口です。しかし、採用プロセスの他の部分とは異なり、一貫性、正確性、公平性に対する厳密さに欠けていることがよくあります。今こそ、それが変わる時です。 本コラムではSHLグループのブログ記事をご紹介します。

良いチーム作りは良い面接から始まる

効果的な人材獲得戦略では、面接はサイロ化され、トレーニング、ツール、測定への投資がほとんど行われないことがあります。面接は測定が難しい人間同士のやりとりと見なされているため(面接の ROI を測定している組織は半数未満)、またほとんどの人が自分は「人柄を判断するのが得意」だと考えており、面接を透明性が高い、データに基づいた科学的な評価手法にする方法をほとんど検討していないためです。

米国労働省は、不適切な採用により、企業は従業員の初年度収入の 30 パーセントを失う可能性があると推定しており、最初の採用で適切に採用を行うことが重要であり、面接は以下のような理由から、依然として選考プロセスの基礎となっています。
  1. 候補者の適合度: 面接は、候補者の資格、文化的適合度、コミュニケーション能力を評価する機会となります。
  2. 意思決定ツール: 面接により、採用担当者は認知テストや技術テストなどの定量的評価を補完する定性的な洞察を得ることができます。
  3. 候補者エンゲージメント: 面接により、候補者は組織と役割について知ることができます。候補者が入社するかどうかの決定に影響を与えます。

貴社の面接は採否の決定に役立っていますか、それとも悪影響を与えていますか?

ほとんどの組織は、面接とアセスメントを別のものとして考えています。しかし、真実は、面接はアセスメントです。そのようになっていない場合、採用プロセスに不必要なリスクをもたらすことになります。

面接がうまくいっていると思う方は、ぜひ以下の点を検討してください。
「面接は完全なブラックボックスです。何が質問されているのか、何が話されているのか全く分かりません。実際の記録も残っていません。」 (大手米国銀行の採用責任者)

面接をアセスメントとして扱うと何が起こるでしょうか?

面接は、他の採用アセスメントと同様に構造化され予測的なものとすることが可能です。企業が面接にアセスメントの科学を適用した場合に起こることは、以下の通りです。

おわりに

面接が採用プロセスの中核をなす場合、面接は他のアセスメントと同様に厳格で予測的である必要があります。構造化された科学的根拠に基づく面接は、採用の精度を向上させるだけでなく、プロセス全体をより公平で効率的、そして候補者フレンドリーにします。

貴社では面接を本当にアセスメントとして扱っていますか? そうでないなら、今こそ始める時です。

この「人事コンサルタントの視点」コラムでも客観的な面接については繰り返し取り上げてきましたが、SHLグループは2025年2月5日、新たな面接ソリューション、スマートインタビュープロフェッショナルをリリースしました。科学的な面接を一層推し進めるソリューションです。カスタマイズ可能な面接ガイド、構造化面接を支援する採点ツールやプロンプト、AIトランスクリプトと要約、スケジュール調整を容易にする仕組み、そして面接官の分析、被面接者向けのサーベイ、この二つを組み合わせた全体分析まで行うことが可能です。本ソリューションをリリースに先んじて導入いただいた企業では、分析を活用して面接の実践を改善し、競争優位性を得ています。日本語でのサービス展開は準備中ですが、ご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたらぜひご連絡ください。
コンサルティング

人材要件定義コンサルテーション

職務遂行に必要なコンピテンシーをアセスメントデータ分析、インタビュー等で特定します。

人材要件定義とは?

選抜、配置、任用、能力開発などの人事施策を行うには適切な基準が必要です。人材要件を定義することで適切な基準と運用方法がわかります。

アセスメントデータの分析、高業績者へのインタビューなどを通じて各ポストの職務遂行に必要なコンピテンシーを特定します。調査対象の設定、調査(適性データ収集、データ分析、インタビュー、アンケートなど)の実施、コンピテンシーの決定、コンピテンシーの活用を支援します。

人材要件定義 2つのサービス

  • 人材要件定義支援
  • 人材要件定義のノウハウ提供

人材要件定義支援

特定の職種やポスト等の人材要件を定めるために、アセスメントを用いたデータ分析や経営者やキーポジションの方にインタビューを行います。定量的なデータと定性的なインタビューの情報を統合し、人材要件定義を作成します。今後必要とされる自社独自の人材要件とコンピテンシーのマッピング支援も行います。データ分析ではオリジナル尺度の作成も可能です。

人材要件定義のノウハウ提供

自社で要件定義を行うためのインタビュースキルトレーニングやアセスメントデータの統計分析手法のトレーニングを行います。当社の豊富な実績を元に、実践的なスキルや手法を学ぶことができます。 自社で主体的に要件定義を行うことで、今後の要件の変化にもすばやく対応することが可能です。

導入シーン

採用の求める人物像の作成や見直し

データを元に科学的に求める人物像を定義できます。経営戦略の転換や新たな事業で求める人材が変化した場合も、未来に必要な人材要件の定義が可能です。

昇格の選抜基準の作成

社内の人材選抜もその後のパフォーマンスの観点から妥当な選抜基準を作成することが可能です。

配置・配属の参考

社内の各ポストに求められる人材要件と社員の人材情報を結びつけ最適な配置を実現します。

資料ダウンロード

人材要件定義のご提案

資料ダウンロード

お問い合わせ

ご不明な点がございましたら、担当コンサルタントまたは「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ