本ウェビナーでは、多様化する若手社員の「個」に合った育成を行うために、パーソナリティ検査結果を上手に活用する方法について情報提供いたします。

※2024年2月にSHLタレントマネジメントウェビナー「定着を促す「個」にフォーカスした若手社員育成とは」が開催されました。期間限定のアーカイブ配信でご視聴いただけます。

こんな方におすすめ

若手社員と上司や先輩社員とのコミュニケーションがうまくいっていない
新入社員が定着しない
アセスメントを活用した若手育成施策を知りたい

講師

森山 蓮

日本エス・エイチ・エル
HRコンサルティング4課 課長

オンデマンド配信概要

時間

約60分

視聴期限

2025年10月30日(木)まで

配信方法

Zoomによる録画配信

受講料

無料

受講対象

企業および組織の人事に携わる方

※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
TEL:03-5909-7207
Eメール:event@shl.co.jp

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アセスメント

WebMQ

「どのような要因(モチベーションリソース)が個人の意欲(モチベーション)を増減させるか」を予測し、やる気の源を特定して最大のパフォーマンスを引き出します

測定項目 意欲(モチベーションリソース)
所要時間合計 15分
ノルム 成人一般
実施形態 Web

MQとは

「どのような要因(モチベーションリソース)が受検者のモチベーションを増減させるか」を予測します。

パフォーマンスの予測力にも影響を及ぼすモチベーションリソースを定量化

時としてパフォーマンスにも大きな影響を及ぼすモチベーションリソースは、パーソナリティと比較して状況や環境によって変化する可能性があります。「その人が今まさに何を求めているか(もしくは、何に悩まされているか)」を定量化できるため、即時性の高い人事施策に応用することが可能です。

綿密な研究と調査による裏付け

SHLグループでは、基礎的な動機づけ理論を含む様々な学術研究と、大規模データによる妥当性調査をもとに、MQは開発されています。これによって、①個人を強く動機づける要因(やる気を起こさせる要因)、②個人の動機づけを損ねる要因(やる気をなくさせる要因)、③いずれの効果も与えない要因を特定することができます。

短時間で網羅的にモチベーションリソースを測定

15分の質問紙に回答するだけで、意欲に影響する環境要因を4領域18尺度に分類し、受検者のやる気がそれぞれの因子にどう反応しそうか、を測定できます。

MQの科目の特徴

モチベーションリソースを測定します。

4つの環境要因に関する記述の中から「自分が最もやる気になる仕事環境」を1つ、「自分が最もやる気がなくなる仕事環境」を1つ選択します。

意欲に影響する環境要因を4領域18尺度に分類し、受検者のやる気がそれぞれの因子にどう反応しそうかを測定します。

ご利用シーン

利用料金

受検料

2,500円/名

※上記費用に消費税は含まれておりません。

お問い合わせ

ご不明な点がございましたら、担当コンサルタントまたは「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ

測定項目 価値観
所要時間合計 10分
ノルム 成人一般
実施形態 Web

V@Wとは

キャリア開発を支援

キャリア開発の核となるのは自己概念です。中でも、仕事の「目的」とも考えられる価値観の自己概念を定量的に捉えることは、キャリア開発を進めるための一助となります。

適材適所の促進

仕事をする上で、 価値観やパーソナリティが仕事内容とマッチしているほど、やりがいを感じて生き生きと仕事をすることができます。一人ひとりのエンゲージメントを高めて適材適所を実現できます。

V@Wの科目の特徴

受検者が仕事にどんな価値観を求めているか測定します。

4つの異なる価値観の中から「自分が最も価値を置いているもの」を1つ、「自分が最も価値を置いていないもの」を1つ選択します。

仕事に関する価値観を4領域13尺度に分類し、受検者が仕事上で何を重視するかを測定します。

利用料金

受検料

1,300円/名

※上記費用に消費税は含まれておりません。

お問い合わせ

ご不明な点がございましたら、担当コンサルタントまたは「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ

導入事例

初任配属への課題意識から、全社のコミュニケーション改善へ。岡谷鋼機の全社員アセスメント。

初任配属への課題意識から、全社のコミュニケーション改善へ。岡谷鋼機の全社員アセスメント。

「相手に自分の知らない一面があると思えば、かける言葉も変わるのでは。」初任配属での経験から、コミュニケーションにおける相互理解の重要さを再確認し、全社員アセスメントに踏み切った岡谷鋼機の取り組みを紹介します。

※本取材は2020年9月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

岡谷鋼機株式会社

事業内容

鉄鋼、特殊鋼、非鉄金属、電機・電子部品、化成品、機械・工具、配管住設機器、建設関連、食品などの国内販売・輸出入

業種

卸売業

従業員数

連結:5,115名 単体:683名 (2020年2月期) 

インタビューを受けていただいた方

岡村卓也 様
小本紗由香 様

岡谷鋼機株式会社
人事総務本部 名古屋人事総務部 人事室 室長(岡村卓也 様:写真右)
人事総務本部 名古屋人事総務部 人事室 プロジェクトリーダー(小本紗由香 様:写真左)

インタビューの要約

新入社員の初任配属をもっとフォローしたいという思いをきっかけに、全社員のパーソナリティ受検を実施。新入社員とOJTの先輩の間のみならず、上司・部下間も含めた、全社的なコミュニケーションの向上を目指す。
社内の協力に不安があったが、予想以上の受検率。さらに、現場が率先して活用しコミュニケーションをとる様子も見られた。
今後は、パーソナリティの相互理解によってコミュニケーションを活性化する取り組みをもっと推進したい。目指したいのは、デジタル×アナログのタレントマネジメント。

初任配属でよいスタートを切ってもらうために、 新入社員のまだ見えていない側面が見たい。

当社は、採用段階から人をよく見て、どういったところに配属されると活躍するのか、いいスタートを切れるのかを一人一人時間をかけて検討しています。新入社員の初任配属に際しては、採用時に得た情報や入社後の様子、適性また配属先の仕事内容、先輩社員など可能な限りの情報を収集したうえで配属を決めます。その情報の一つとしてパーソナリティ検査OPQを活用したいなと思ったのが最初のきっかけです。配属先と新入社員をマッチングするために人事が新入社員一人一人と面談を重ねるのですが、新入社員のOPQを活用する事で、私たちが見えていない、表面的ではない部分の人物像が見えるのではないか、と考えました。

昨今の新入社員は自分のやりたいことがしっかりとあって、キャリアに関する理想像もあるので、「なぜこの部署に配属になったのですか」という質問に対して、フィードバックを行う事もあります。いいスタートが切れる事、その後しっかりと活躍する事を念頭に「君にはこういう良いところがあって、こういう仕事が合っていて、こういう先輩と一緒に仕事をすることで、なりたい自分に近づくよね」というメッセージを送っています。また、配属後は配属全部署の上長に対して、OPQや配属までに得た全情報を活用して、教育方法のアドバイス含めた申し送りを実施しています。

初任配属でよいスタートを切ってもらうために、 新入社員のまだ見えていない側面が見たい。

「相手に自分の知らない一面があると思えば、かける言葉も変わるのでは。」 初任配属での苦い経験をもとに、全社員受検に踏み切る。

初任配属でのミスマッチの問題は、OJTでつく先輩とのミスマッチとして表れることがあります。非常にタフな仕事であっても、OJTの先輩と合うメンバーは比較的頑張っていけますが、合わないメンバーはスタートでつまずいてしまうという印象があります。その中で過去に一人、人事としてもう少し違うフォローができたのではないかと悔やまれる事例がありました。事後的に、日本エス・エイチ・エルの担当者にこの事例を相談したところ、OPQの結果から配属前に私たちが見えていなかった本人の特徴が読み取れることがわかりました。もし事前にわかっていれば配属部署により良い申し送りができたのではないか、よいスタートを切れたのではないか、と悔しい思いをしました。
こうした経緯で新入社員のOPQをもっと活用したいと考えたのですが、そうなるとOJTの先輩の結果も気になります。さらに全社でOPQを活用すれば社内のコミュニケーションの質をもっと高められると考えました。初任配属の問題に限らず、上司が正しく部下の特徴を理解しないまま指導しているようなケースも存在すると思います。もし、相手に自分の見えていない一面があるかもしれないと思ったら、かける言葉も変わるでしょう。全社員にアセスメントを実施すれば、上司が部下の知らなかった一面を見る機会が生まれ、コミュニケーションや関係の質が向上していく。こんなことを考えていました。

この構想を上司に話し、育成者の対人関係能力を強化することを人事の目標として掲げ、世の中のビジネス環境を鑑み、OJTのあるべき姿を描いていきました。本部長から「そう思うのであればやってみたら」と即承認をもらいました。これは当社の社風です。一部、社内のコミュニケーション能力が低下しているとは思わないという反対意見もありましたが、ビジネス環境の変化に対応するためには今動き出さなくてはならないと主張し、プロジェクトを開始しました。

心配をよそに、驚異の受検率。背後には、社内共通の成長意欲も。

社員に受検を案内したら予想以上に多くの人が受けてくれました。初期の受検率は98%以上です。はじめは受けてくれなかった方も色々な方法でお願いしたところ、ほぼ全員が受けてくれました。受検後に返される結果報告書(万華鏡)のサンプルを提示したことも奏功し、社員の自分自身を知りたいという思いと強い成長意欲に繋がったのだと思います。

現場では予想以上に積極的に活用。今後はもっと仲間を増やしていきたい。

今後は課長に対してOPQ結果を用いた研修を行う予定です。
予想以上に現場はOPQを活用してくれています。私がOPQ活用の施策を出す前に、ある部署では部署内で結果を開示しながらコミュニケーションをとっているという話も聞きました。入社時の結果がある社員に対して上司がOPQを使ってパーソナリティの変化について対話したケースも出てきました。
私としては、OPQを使ってコミュニケーションを活性化しようとする仲間を増やしていき、全社に波及させたいと思っています。そのために1on1ミーティング等コミュニケーションの幅を広げるアイデアを社内に紹介していきたいです。

今後はデータとアナログを掛け合わせたタレントマネジメントをやっていきたいです。部署ごとに人材データを分析して、そこに敢えて違うタイプの人材を入れ、どのように組織が成長していくかを試していくのも面白いと思います。

従来の採用・配属の方法では特定の人材タイプを採用・配属しがちですが、実際には色々なタイプの人が活躍しています。職務や職場環境と活躍する人材の関係を構造的にとらえ、採用・配属等の人員配置に活用出来ればと考えます。また、アセスメントを定点観測のように活用し、育成目的のフィードバックで使いたいとも思っています。

日本エス・エイチ・エルのコンサルタントには、本当にお世話になっています。アセスメント結果の解釈に不安があるときは、担当コンサルタントに相談して助けていただいています。今後もサポートいただけるとうれしいです。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント

柳 成美

「気になる社員がいらっしゃるのであれば、OPQではどのように読み取ることができるか試してみませんか?」全社員受検のプロジェクトが決まる約1年前、その様にお声がけしたことを今でも覚えています。配属のミスマッチの問題に直面した時に、原因を社員だけに求めるのではなく、人事としてもっとやれることがあったのではないか?という想いを持ってご相談をいただけたこと、本当にうれしく思います。
この様な新しい施策を導入いただく際、取り組んだ内容がうまく社内に浸透する場合と途中で立ち消えてしまう場合があります。もちろん岡谷鋼機での施策は前者であると、その後の反響を追ってみても強く感じています。施策がうまく社内に浸透するためには、明確な「困った」を解決することを目的としていることと、その「困った」は経営・人事・現場等多様な立場にとって共通した問題であるということが重要です。今回はこの条件が揃っていたことに加え、岡谷鋼機という組織が長年社員一人一人を大切に育てるという風土で取り組んできたことによる賜物だと感じています。
今後は、OPQの活用がより進むような勉強会の実施やデータの分析などで少しでもお役に立てればと考えています。

導入事例

「自分に合ったスタイル」での成長を促す、日産自動車の販売会社店長育成戦略。

「自分に合ったスタイル」での成長を促す、日産自動車の販売会社店長育成戦略。

販売会社の優秀店長像をアセスメントのデータ分析とインタビュー調査によって明らかにした日産自動車。
販売会社の店長を対象としたタレントマネジメントの取り組みを紹介します。

※本取材は2020年12月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

日産自動車株式会社

事業内容

自動車の製造、販売および関連事業

業種

自動車製造業

従業員数

22,717名(単独)(2020年3月現在) 

インタビューを受けていただいた方

岩村令子 様

日産自動車株式会社
日本戦略企画本部 中期戦略企画部/プログラムダイレクターオフィス 主担

インタビューの要約

販売会社の採用・育成方針の策定に役立てることを目的に、販売会社の優秀な店長像を明らかにするためのアセスメントおよびインタビュー調査を実施した。
全国の販売店店長約1300名がアセスメント(万華鏡30)を受検し、クラスター分析によって4タイプの異なる強みを持った優秀店長像が特定された。
各タイプの優秀店長の代表者数名に対面でインタビューを実施し、それぞれの強みを発揮するために日々実施していることなどを詳細にヒアリングした。
分析・インタビュー結果を各販売会社に報告し、採用・育成・登用の資料として活用してもらった。また、日産自動車本体においても、今後の販売会社への採用・育成支援の方針が得られた。

販売会社の優秀な店長像を特定し、採用や育成に生かすため、 アセスメントおよびインタビュー調査のプロジェクトが発足。

私は中期戦略企画部に所属しています。販売会社の採用や育成、教育を担当する部署は別にありますが、今回のプロジェクトは中長期的な目線で、販売会社の優秀店長とはどういう人材なのかを科学的な手法で明らかにし、それを中長期の採用育成に活かしていこうという、当時の役員の問題意識からスタートしました。

販売会社によって店舗数には違いがあります。数店舗を運営している販売会社であれば、それぞれの店長の特徴を把握できますが、数百店舗を有するような販売会社では、個々の店長に関して経営層が詳細な情報を把握することは困難です。目まぐるしくビジネス環境が変化する中で、今後どういった店長が求められるかを検討したいが、販売会社1社では横断的な分析は難しく、地域的な偏りもある。販売会社からこのような声が挙がっていたことを受け、プロジェクトが発足しました。

販売会社の優秀な店長像を特定し、採用や育成に生かすため、 アセスメントおよびインタビュー調査のプロジェクトが発足。

約1300名の店長の特徴をクラスター分析して見えてきた、複数の優秀店長像。

最初に考えたのは、私には人事系のバックグラウンドがないので、アセスメントに関しては、プロフェッショナルの力を借りる必要があるということでした。その上で、複数社にお声がけをしましたが、日本エス・エイチ・エルを選んだ一番の理由は、シンプルな調査を低コストで受けられるという、続けやすさ。今回は日産自動車が主体で調査を行うが、今後販売会社主体でアセスメントを継続する可能性を考えたときに、販売会社にとって続けやすいプライスであることは必須条件でした。

約1300名の店長にアセスメント(万華鏡30)を実施し、優秀者のタイプを抽出するクラスター分析を行いましたが、まず何をもって優秀者と定義するかが最初に議論になりました。たとえば、優秀な店長でも、困難な状況にある店舗の立て直しを担っている方は、業績が低いです。逆に立地にめぐまれていたり、部下に優秀な人材がいたりすると、店長の実力は隠れてしまいます。ですので、今回は店舗の売上台数等の数値指標に加えて、役員や社長から見た優秀な店長は誰なのか、という定性情報もアンケートで拾い上げていきました。その際は、「どういう観点で優秀としたか」という理由も書いていただいたんですが、育成に長けているとか、とにかくきちんと台数を売り上げるとか、台数だけじゃなく収益管理ができるとか、様々な観点が挙げられました。最初の目的が優秀な店長のタイプ分類だったのですが、店長は個々人が自身の強みやバックグラウンドを活かして仕事をしている個人芸のような部分があり、日産自動車社内でも「タイプ分類は相当難しいぞ」という声がありました。不安を抱えながらのスタートでしたが、日本エス・エイチ・エルの担当者と二人三脚で分析を進めていきました。

各優秀タイプを代表する店長に、インタビューを実施。 現場にとってわかりやすい人材像へと落とし込む。

クラスター分析によって、最終的に抽出された優秀店長のタイプは、異なる強みをもつ独立した3タイプと、ハイブリッド型1タイプの、計4タイプ。かつては、一つの優秀な店長像があって、それを目指せと言うのが基本的な指針だったと理解しています。今回の分析は、「優秀なタイプというのは複数あり、まずはどういうマネジメントの仕方が自分に合っているのかを選び取りながら成長していきましょう。その次は、さらにバランスの取れたこの店長像を目指しましょう」と、だんだんレベルアップするような考え方を可能にしています。それは今までとは異なる新しい育成の考え方でした。

各優秀タイプを代表する店長に、インタビューを実施。 現場にとってわかりやすい人材像へと落とし込む。

その後、ロジカルな分析結果を各タイプの優秀店長像に落としこんでいく際には、実際にそれぞれのタイプに当てはまる優秀店長数名にインタビューを繰り返しながら、ペルソナ的に人材像を具体化していきました。ヒアリングの内容は、その人が強みにしているコンピテンシーはどういう経緯で組み立てられてきたのかを探るキャリアの経緯や、過去に一番心に響いたこと、そのコンピテンシーを日常的に発揮する方法を探るために、一日の仕事の流れや、気を付けていることなどを全て聞いていきました。このヒアリングの結果は冊子にして、最終的に販売会社に配布しました。優秀な店長は毎日何をしているのか、どれくらいスタッフの管理に力を入れているのかをまとめた資料なので、気に入ってくださった販売会社は各店長に「これを読んでおきなさい」と配布してくれたそうです。優秀な店長の取り組みは本当に素晴らしく、私もヒアリングをしていて勉強になりました。

全国にいる販売会社店長の約半数をカバーした大規模調査で、 新しい店長像を見出せた。

その後、販売会社を回って、個々の店長のタイプ分類と、販売会社ごとの店長のタイプ構成比などを報告していきました。最初、アセスメント結果に納得していなかった販売会社の社長にも直接話して、「気になった人、これは違うと思った人を教えてください」と一緒に読み解いていき、各タイプについて説明すると、結果に対する信頼が生まれて、「確かにうちの会社はこういうタイプが多いかもね」と納得してくれました。また、各タイプの人財イメージを表すのに著名なスポーツチーム監督の例を挙げたり、現場で活用しやすいように、腹落ちしやすいストーリーづけをすることを意識しました。
結果の活用法についても、会社ごとに様々なご意見がありました。店長へのフィードバック面談を普段から行っている会社では、フィードバックの際にこのアセスメント結果も一緒に使っていこうという声がありました。また、役員をどんなタイプの人財から選ぶか、タイプ構成比を見ながら登用を考える会社もありました。さらに、販売会社によってあるタイプの店長が非常に多い・少ないといった傾向も明らかになったので、より望ましい方向にカルチャーを変えていこうとする試みもあります。このような取り組みは販売会社ごとに行っていただき、日産自動車サイドでは、今度の店長の育成における基本のコンピテンシーを作る材料にしようとしています。

このプロジェクトの成果は、販売会社が自社の店長のタイプを把握する客観的な資料が得られたことです。「あの店長ってこういうタイプだよね」と、なんとなく思っていたことを裏付けてくれる資料になりますし、逆に「あれ、実はこういう側面があるのかな」といった、一人一人の店長をより深く理解するための材料になりました。日産自動車としても、これまで優秀な店長の形をきちんと把握していませんでした。今回の調査は、全国にいる店長の半数以上をカバーする大規模なものですので、日産における新しい店長の人材像を見出し、今後の販売会社支援の材料になったかと思います。その知見が今、販売会社の育成を支援しているチームに引き継がれています。

日本エス・エイチ・エルのサービスを利用して良かった点ですが、まずアセスメントの一人あたりのコストが安くて、かつ豊富に実績があり、分析の結果にも独自の知見があって信頼性があるところ。もう一つは、データ分析の過程で何度も通っていただいて、一緒に分析の結果を見ながら、このクラスター分類はピンと来ないとか、何点をクラスター分類の閾値にするかといった、細かい点を相談させていただけたことです。定性調査のインタビューでも、全国各地の店長に話を聞きながら迅速にレポートをまとめていただいて、我々が資料を作成する上でもプロの視点でのご指摘やご意見を頂けたのはありがたかったです。ある意味、二人三脚でプロジェクトを進められたのが助かりました。全国津々浦々にわたる調査となり、大変だったと思いますが、すごく感謝しています。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント

佐藤 有紀

「優秀な店長にはいくつかのタイプがあると思っている。各店長が、自分に似たタイプの優秀者をお手本にして、自分の強みを活かしながら育っていけるような育成支援をしたい。」最初にそのようなご相談を頂いたときに、その自由で新しい発想に心が躍りました。
「個性を活かした活躍」が推奨される昨今においても、教育の個別化は進んでいるとは言いがたく、依然として画一的な優秀さを目指して努力されている方が多いのではないでしょうか。日産自動車の取り組みは、個々人がより自分らしいスタイルで成長でき、自分の強みで勝負できる、新しい育成のありかたを示すモデルケースになると思っております。私どもも、二人三脚でこのようなクリエイティブな挑戦ができたことを、大変嬉しく思います。誠にありがとうございました。

導入事例

応募者エンゲージメントと選抜の精度を向上させた、川崎汽船の採用プロセス改革。

応募者エンゲージメントと選抜の精度を向上させた、川崎汽船の採用プロセス改革。

コロナ禍によってオンライン化した採用プロセスと応募者に生じた変化に危機感を覚えた川崎汽船。
応募者のチーム行動の特徴を理解するために採用プロセスの改革に取り組みました。

※本取材は2023年11月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

川崎汽船株式会社

事業内容

海上運送業、陸上運送業、航空運送業、海陸空通し運送業、港湾運送業等

業種

海運業

従業員数

単体:843名 (陸員638名、海員205名)  連結:5,458名

インタビューを受けていただいた方

橋本 征樹 様

川崎汽船株式会社
人事グループ 採用育成チーム

インタビューの要約

コロナ禍によりチーム活動の経験があまりない応募者が多かった。初対面した際、オンライン選考中に受けた印象と異なることも。
2次選考を対面のグループディスカッションと面談に変更。応募者一人ひとりにじっくりと時間をかけて対人面の行動を理解する。
選考の所要時間は大幅に増えたが応募者からは好評だった。面接を担当する社員からも肯定的な反応を得た。
今後は、応募者のニーズに答え、より多くの社員の生の声を聞ける機会を増やしていきたい。

パンデミックによる影響を色濃く受けた応募者と選考プロセス。

私は2018年に入社し、1年間グループ会社に出向して自動車輸送に関するドキュメンテーション業務を担当しました。その後本社に帰任し、極東から北米への自動車輸送に関わるオペレーションと営業を3年間ほど経験し、2022年4月に人事グループへ異動して採用と育成に携わっています。

すでに採用活動が始まっていた中での着任だったため、23卒採用は一人の面接官として関わりました。その中で、これまでの世代では部活動などチームで何かをするのが当たり前でしたが、コロナ禍で学生生活を過ごした23卒採用の学生はそうではなく、中には大学に友人がいないと聞くこともありました。また最終面接以外は全てオンライン選考でしたが、最終面接で初めて対面した際に応募者の印象が大きく異なるケースもありました。24卒採用においても同様の状況が生じる可能性があると考え、採用プロセスの改革に取り組みました。

パンデミックによる影響を色濃く受けた応募者と選考プロセス。

人を採ることに手間を惜しまない。

1次選考は、多くの人が参加できるようオンライン面接を維持し、2次選考を変更しました。1対1だけでなくグループの中でどのように他者と接し、チームに貢献するのかが分かるように、対面のグループディスカッションを実施しました。さらに、同日中に1対1の面談も行いました。グループディスカッションと面談を同日に実施することで、グループでは目立たなかったけれども、1対1で魅力が出てくる人(相手に良い印象を与えながら論理立てて話ができる人など)を見つけることができ、応募者の特徴を多面的に捉えることができました。

オペレーションの負荷は大きくなりますが、今日のような状況下では応募者を惹きつけたり理解したりすることに十分な時間をかけるべきだと考えています。これからはさらに労働人口は減少するので、人材確保はより重要な課題となります。

評価を担当する現場の管理職の方々には事前の評価者トレーニングや選考当日の終日拘束などで大きな負担をお願いすることになってしまったのですが、昨今の学生の事情を説明し、コミュニケーション能力を確認したいという思いをしっかりと伝えることで賛意を示していただくことが出来ました。

応募者のエンゲージメントを高めつつ、能力を理解する。

応募者の所要時間が長くなる点がこの選考プロセスの不安要素でした。しかし、参加者からは「他社のグループディスカッションでは一体何を見られていたのか分からなかったが、(川崎汽船では)面談もあったので自分のことをよく見てくれていると感じた」と肯定的な反応が多くありました。当社としては、所要時間が長い分、入社意欲の高い方が参加してくれること、休憩時間に応募者の自然な様子を知ることができてその後のサポートがしやすくなることがメリットです。

応募者のエンゲージメントを高めつつ、能力を理解する。

内定後も途切れることなく人事がコミュニケーションを取ります。当社では配属を決める際に、本人の希望を提出してもらい、日本エス・エイチ・エルのアセスメント結果も参考にしながら向いている部署を検討します。入社後も階層別研修を実施し、一貫して社員の成長をサポートしています。

今後の採用施策では、身近な社員の「生の声」を聞きたいという応募者の要望に応えていく取り組みを行います。社員との対話セッションを毎月行って社員と直に接する機会を増やしていきます。

私自身の今後の展望として、広範な人事業務に携わり、その後は現場で人事としての知見を活かしたいと思っています。

日本エス・エイチ・エルは私たちの課題によく耳を傾けて、目的にかなった最適なサービスを必死に考えてくれます。また、アイデア段階で今回の取り組みを伝えた際に「人にコミットしていますね」とコメントをもらいました。この言葉が後押しとなり自信を持って進めることができました。今後も引き続き宜しくお願いします。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント

前川 智美

橋本様をはじめとする、採用担当の皆様のお考えがとにかく素敵です。採用担当は様々な業務をこなす必要があり、工数削減に目を向けるのは当然のことだと思います。しかし、川崎汽船様は工数がかかったとしても、応募者をしっかりと理解することに労力を惜しみません。この姿勢、魅力的です。
私は母集団形成や選考辞退のお悩みを持つお客様からご相談をいただくことが多くあります。採用選考自体が学生にとって有意義であること、学生を意欲形成するための仕掛けが含まれていることがこのお悩みを解決するための大事なポイントだとこのプロジェクトを通じて気づかされました。
より良い採用選考が行えるよう気を引き締めてご支援いたします。今後とも宜しくお願いいたします。

導入事例

学生のWill(意志)を尊重し、「選び、選ばれる関係」を目指す、住友商事の新卒採用。

学生のWill(意志)を尊重し、「選び、選ばれる関係」を目指す、住友商事の新卒採用。

応募者のキャリア観の変化に合わせて、配属先確約型のWILL選考を採り入れた住友商事。
同時に自社をよりよく理解してもらうための様々な取り組みを行いました。

※本取材は2024年7月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

住友商事株式会社

事業内容

全世界に展開するグローバルネットワークとさまざまな産業分野における顧客・パートナーとの信頼関係をベースに、多様な商品・サービスの販売、輸出入および三国間取引、さらには国内外における事業投資など、総合力を生かした多角的な事業活動を展開。

業種

総合商社

従業員数

5,152人(連結ベース79,692人)

※2024年3月31日時点

インタビューを受けていただいた方

佐々木 亮 様

住友商事株式会社
HR企画戦略部 フューチャータレントアクイジションチーム チーム長

インタビューの要約

学生の立場に立った広報施策の実行と初期配属先を確約する選考形式で多様な応募者の惹き付けをはかった。
面接を構造化し、面接官にはロールプレイを含むトレーニングを実施。面接受験者から面接体験アンケート結果を回収し、面接のさらなる質の向上に取り組む。
今後も、採用広報・選考・オンボーディングにおいて、十分に自社の魅力を伝えられるように試行錯誤と挑戦を続ける。科学的なトラッキングも実施したい。

ポテンシャルの高い人財を獲得し、その力をアンロックする

住友商事は2019年に創立100周年を迎えました。そのタイミングでリリースされたコーポレートメッセージが「Enriching lives and the world」です。住友商事グループの社員一人ひとりがこの言葉を抱きながら、世界中で日々業務に励んでいます。

そして、当社の人財戦略では、“Unlock Your Power“という言葉を掲げています。変化が激しく複雑で予測のつかないビジネス環境下において、多様な知識・経験を持つ社員一人ひとりが、これまで以上にエンパワーされ、Enriching lives and the worldの実現に向けて夢中になる職場で、新たなビジネス創出や課題解決にあたることを追求しています。

このような考え方の下、新卒採用とキャリア採用のベストミックスで採用活動を行っています。数年前までは新規採用の大半が新卒採用でしたが、ここ数年でキャリア採用者数もかなり増加してきています。
新卒、キャリアに関わらず、当社の未来を支える能力、ポテンシャルの高い挑戦意欲に溢れる人財に入ってきていただき、それぞれが持っているパワーをアンロックし、最大化する。そういうことをこれから更に加速していきたい、と考えています。

ポテンシャルの高い人財を獲得し、その力をアンロックする

応募者のニーズをとらえた施策を実行、「選び、選ばれる関係」を目指す

さて、ここからは当社が新卒採用において抱えている課題と打ち手についてご紹介させていただきます。

まず、我々として抱えている課題感としては、「学生のキャリア観が大きく変化してきていること」、「ミスマッチを減らすこと」、「女性管理職比率向上させること(2030年に20%が目標)」、「自社の実態とイメージの乖離を払しょくすること」、「新たな事業を創っていける人財を獲得すること」等があります。

このような課題に対し、私たちの求める人財がもつニーズに対して何ができるかを考えてスピーディに実行し、結果として応募者の方と当社が「選び、選ばれる関係」になることを目指してきました。ここでは具体的に行った取り組みを3つご紹介します。

1.Sumisho Career Seminar
主に女性の求職者にターゲットを絞ったSumisho Career Seminarというセミナーを実施しました。Web形式のセミナーで、女性の人事執行役員と若手社員がパネルディスカッション形式で仕事、働き方、キャリア、プライベートについてざっくばらんに語ってもらうイベントです。一部の学生にとって、総合商社業界は、「ハードワーキング」「体育会」「男社会」というような古いイメージがまだ残っており、ハードルが高いと感じてしまう方が少なくないようです。そのようなイメージを払しょくしたい!そして、もっと女子学生にもご応募いただきたい、という想いから企画しました。セミナー当日は、非常にカジュアルな雰囲気でトークが展開され、当社の魅力や女性社員が活躍しているイメージがよく伝わったようで、セミナー後のアンケート結果を見ても、大変好評な企画になりました。

2.Sumisho Radio
学業や課外活動、アルバイト等、大変お忙しい日々を過ごしておられる学生の皆さんは、所謂「タイパ」を意識して効率的に就職活動をされています。そこで、我々としても、限られた時間の中でも当社のことを効率的に上手く伝えることができないかと考え、Sumisho Radioというイベントを企画しました。こちらもWeb形式のセミナーで、学生の隙間時間であろうランチタイムや放課後の時間帯を狙って開催しました。セミナーは、若手採用担当者数名が掛け合いをしながら、セミナー中にリスナー(学生)から投稿される質問にリアルタイムで回答するというイベントです。リスナーは、必ずしも画面を見る必要はありません。隙間時間に耳だけ傾けていただくことで、当社のこと、就職活動の進め方、キャリアに対する考え方等の情報を効率よく入手いただけたのではないかと思います。こちらの企画も非常に評判が良く、視聴者は平均で毎回300人程度、その中で数多くの質問が寄せられました。結果的に複数の内定者からもSumisho Radioを視聴していた、という声を聞きましたし、良い企画になったと考えています。 なお、この企画は、当時入社一年目だった採用担当者が提案してくれたものです。やはり、「若い人の気持ちがわかるのは若い人だな」とあらためて実感する機会となりました。

3.WILL選考の導入
冒頭でも少し触れましたが、昨今、学生のキャリア観や会社選びの基準は変化してきていると感じます。私は十数年前も当社で新卒採用を担当していたのですが、その頃の当社への学生の志望動機の多くが「グローバルな環境で働きたい」「スケールの大きな事業に携わりたい」「経営者になりたい」といったものでした。一方で近年は、「入社して、具体的にどのような仕事をしたいか」が明確な方が増えてきています。当社でも、一部の学生からは「入社後、自分の希望とは異なる部署に配属されるのではないか」と思われ、所謂「配属リスク」を危惧して、最終的に他社を選ばれてしまうということはこれまで少なからずありました。 そこで、25卒向けの新卒採用より、学生の意志(Will)を尊重した形での、配属先決め形式の採用選考方式である「WILL選考」を導入しました。現場の理解や選考運営の複雑化等、様々な困難はありましたが、結果としてこれまで十分にリーチできていなかった応募者層(理系大学院生等)にも多くご応募いただくことができ、当社の新卒採用活動にも非常にポジティブなインパクトをもたらしてくれたと実感しています。今後の課題としては、募集部署それぞれの募集内容について、情報提供をさらに充実させることだと考えています。25卒のWILL選考では、応募人数は部署によって濃淡があり、イメージが先行して魅力を伝えきれていないと感じる面がありました。

面接の構造化と応募者アンケートで質の向上を目指す

「面接の質の向上」に向けた取り組みについても少し紹介させていただきます。25卒新卒採用では面接官への案内について一部内容の変更を行いました。当社では今まで、「総合商社で活躍してくれるポテンシャルを持った人財」を選んでもらうよう面接官には案内していました。多様な人財に入ってきていただきたい当社にとって、以前のガイドも決して悪かったとは思いませんが、評価基準が曖昧であるという課題感がありました。そこで、25卒からは評価軸を明確に定め、面接の進め方のガイドをより具体的にしました。所謂、面接の構造化です。また、面接官予定者については原則全員に事前の面接官トレーニングを受けてもらっているのですが、そのトレーニングの中で、ロールプレイを導入、その時間を長く取る等の変更も行いました。

加えて、新たに選考受験者向けの面接体験アンケートを導入しました。面接後すぐのタイミングで、第三者機関から面接を受けてくださった学生へアンケートを発信、無記名で答えていただくもので、面接の雰囲気等に関する質問が含まれています。結果はまだ分析中ではありますが、当社の面接における改善すべきポイントのようなものも見えてきている気がしますので、この結果を今後の面接官へのガイド等にも活かしていければと考えています。
応募者の皆さんは貴重な学生生活の一部を使って住友商事に会いに来てくださっていますので、当社での面接の時間が有意義な時間となってもらえればと強く思います。面接の質の向上に向けた取り組みは、引き続き積極的にチャレンジしていきます。

面接の構造化と応募者アンケートで質の向上を目指す

社会の変化とともに、新卒採用を取り巻く環境もどんどん変化していますので、今後もトライアンドエラーを繰り返しながら、様々なチャレンジを積極的にしていきたいと思っています。
採用広報活動と選考活動の領域では、当社のビジネス、仕事、キャリアについて、今よりもっと学生の皆さんに理解いただけるような取り組みを行うこと、当社ならではの独自性をより効果的に伝え、求職者を惹きつけるブランディングを展開すること、そして、行った活動の成果を可能な限り定量化してPDCAを回していきたいと考えています。なお、ちょうど今月(2024年7月)にインスタグラムの公式アカウントを開設しました。我々の新たなチャレンジです。こちらでも採用関連の情報を積極的に発信していきます。

オンボーディングの領域では、内々定から入社までの間の情報提供をさらに充実させて、内定者にとって当社で働くことの解像度を高めてもらえるような取り組みを検討しています。

また、今後の大きな課題の1つとして、これまで蓄積しているOPQデータの活用があります。今は採用選考時の参考資料のひとつという位置づけですが、採用時のデータが入社後にどうなっているか科学的にトラッキングする、初期配属のマッチングをより合理的に行う、要員配置計画の参考にするなど、様々な場面で活用できるのではないかと考えています。実際にどのようなことができるかエス・エイチ・エル様と相談しながら模索していきたいです。

エス・エイチ・エル様の当社担当の清水様は非常に真摯で信頼できる人だと感じています。以前、選考でとある相談をした際に、率直かつ丁寧なアドバイスをしてくださったことがとても印象的でした。良いことも悪いことも当社のために伝えてくれるありがたい存在です。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント

清水 智昭

2025年卒の新卒採用活動は住友商事様にとってチャレンジングな年だったと思います。キャリアセミナーや入社1年目の採用メンバー発案によるSumisho Radio、WILL選考や新たな採用クールの実施、面接精度向上の施策。求職者のニーズに寄り添いつつ、人財戦略の達成に向けた新たな試みの数々は、常に新鮮な取り組みを実施していこうとするスタンスを強く感じます。
OPQデータの科学的な活用を通じて、住友商事の活動を最大化(Unlock your power)できるように今後もご支援してまいります。

導入事例

ジョブ型人材マネジメント制度を推進する、NECのジョブマッチング採用。

ジョブ型人材マネジメント制度を推進する、NECのジョブマッチング採用。

組織と個の対等な関係の構築を目指して人事エコシステムを変革し続けるNEC。
採用ではジョブと応募者とのマッチングをさらに進化させました。

※本取材は2024年7月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

日本電気株式会社

事業内容

ITサービス事業、社会インフラ事業

業種

電気機器

従業員数

単独 22,210名、連結 105,276名、2024年3月31日現在

インタビューを受けていただいた方

松尾 敬信 様

日本電気株式会社
人材組織開発統括部 プロフェッショナル

インタビューの要約

時代に応じた価値を提供し続けるために、組織と個人が対等な「選び・選ばれる関係」の構築を目指す。
ジョブ型人材マネジメント制度の下、新卒採用もジョブ型に。職場受け入れ型インターンシップを拡充。
挑戦したい職種に文理問わず応募できる形に変えたことで、応募者数は増加し、従来であれば応募がなかった層を惹きつけることができた。
今後もリクルーター制度の変革やマッチング方法の見直しなど引き続きジョブ型マネジメント制度を進化させていく。

ネットワーク、IT、AIの技術の強みを軸に、時代に合わせた価値を提供する

私は、大学卒業後、他業界を経験後、2019年にNECに入社しました。現在は新卒採用チームのリードとともに、全社の文化変革を推進するカルチャー変革統括部も兼務しています。

NECは1899年に日本初の外資系合弁企業として設立されました。安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指すことをPurposeとしています。

NECは「ネットワーク」「IT」「AI」の三つのテクノロジーを用いて、国や企業、地方自治体など様々なお客様に対してソリューションを展開しております。「ネットワーク」領域では、海底ケーブル事業や宇宙との通信、「IT」領域では量子コンピューティング、「AI」領域では顔認証に代表される生体認証、日本語生成AIなどの活用があります。

ネットワーク、IT、AIの技術の強みを軸に、時代に合わせた価値を提供する

ジョブ型人材マネジメント制度における採用

当社の人材戦略は、会社としての「適時適所適材」と個人の「キャリア自律」を実現し、「選び・選ばれる」関係の構築を通じて社会価値を創造し続けることです。今年度から全社員にジョブ型人材マネジメント制度を導入していますが、そのためには人事のエコシステム全体を変える必要があり、2018年頃から人事制度や働く環境をスピーディーに細かく変化させていきました。採用活動では、2018年からキャリア採用を強化しています。2023年度の新卒採用と中途採用の比率はおよそ1:1で、あわせて約1,200人の方に新たに仲間に加わっていただきました。また、適時適所適材を実現するための施策の一つとして、NEC Growth Careersという社内公募制度を拡大し、社内で様々なポジションを募集しています。

新卒採用を変革する施策として、ジョブマッチング採用への変革とインターンシップに注力しています。インターンシップはテーマ別(部門別)に学生を受け入れる職場受け入れ型として、およそ150のテーマを用意し、学生が興味を持った領域にチャレンジできる環境を構築しています。今年度は約1,000名の学生を受け入れる予定です。

新卒採用のプロセス全体を見直し、ジョブ型採用を導入

従来は、技術系の職種は理系学生を対象とした学校推薦による部門別採用とし、営業・スタッフ職や一部のSE職は、自由応募による文理不問の採用活動を行っていました。つまり、職種により応募できる範囲に制限がかけられていた状態でした。昨今の学生は、文系学生でも個人的にプログラミング知識を身に着けている方もいらっしゃったり、多様な選択肢の中で自由に企業を選択したいといったニーズもあり、当社が選ばれ続けるためには、応募方法や、文理といった専攻に関わらず、挑戦したいと思った職種に応募できる仕組みとすることがベストと考え、プロセス全体を見直すに至りました。これにより、文系学生でも、専門的な理系知識を必要としない技術系の職種に応募をすることができるようになったり、学校推薦でなくとも技術職に応募をすることが可能となりました。制度導入前は応募者が減少するのではないかと心配もありましたが、ふたを開けてみれば応募者が増加し、一部の職種については修士課程の学生の応募が増えるなど、ポジティブな変化がありました。企業が選択肢を提供することを応募者はポジティブに捉えたのだと思います。また、従来であれば別業界に行くような専門性の高い応募者が「その職種だったら受けてもいいかな」と、NECを選ぶことが増えたと感じています。

新卒採用のプロセス全体を見直し、ジョブ型採用を導入

ジョブマッチング採用の継続的な改善で、人材戦略を実現する

今後の課題はたくさんあります。まずはリクルーターによるフォローの強化です。部門と職種を詳細に分けて募集をするジョブマッチング採用では、きめ細やかなフォローが必要となりますが、同時にマンパワーが必要となり、十分にフォローが行き届かない可能性が高まります。そのため、現在のリクルーター制度を大きく転換しなければならないと考えています。また、営業職の部門別採用への切り替えも大きなテーマです。その実現にはジョブと個人の志向性とのマッチング精度を高めつつも、学生の期待値と企業側の期待値の調整が極めて大切だと考えています。仮にマッチング精度を高めるために各ポジションに求められるケイパビリティを詳細に設定した場合では、当社であれば数百ポジションのジョブディスクリプションを一時期に一斉に公開し、学生はその中から1つのポジションを選択し応募しなければなりません。しかし、近年の学生は配属ガチャへの警戒感を抱きつつも、スピード感を持った就職活動を行いたいと考えていることが現実だと捉えています。例えば、社会課題解決のためにアフリカ諸国へテクノロジーを活用したソリューションを提供したいと考えているけれども、その国がケニアなのか南アフリカなのかは就職活動時点では決まっていないケースがほとんどです。そのため、企業は学生の期待値に応えたポジション設計と情報開示が必要となり、あまりに細かすぎると、逆に選ばれなくなる可能性もあるため、営業職の部門別採用をどの粒度で実行するかについては、市場の動向なども見極めた上で検討しなければならないと考えています。

その他にも、インターンシップのさらなる強化など、引き続き変革を推進していかなければならないと考えています。

日本エス・エイチ・エルは漠然とした相談にも丁寧迅速に対応してくださり、感謝しています。今まではインターンシップと本選考の参考情報としてアセスメントツールを使用していますが、今後はアセスメントデータの活用と選考プロセスを変革することへの積極的な提案を期待しています。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント

横山 武史

10年前、東京でのキャリアをスタートしたとき、最初に担当した企業の一つがNECでした。昨年、数年ぶりに担当に復帰して、松尾さんとやり取りをしたとき、日本の伝統的な大企業という印象が一変しました。NECが実行してきた「ジョブ型人材マネジメント制度」や「キャリア採用強化」、「NEC Growth Careers」などを通じて、確かに変革が進んでいると感じました。また、インターンシップの強化や、AIの利用を含めたマッチング方法の見直し、さらには部門側の工数削減など、様々な変革が推進されています。今後も変革を続けるNECの力になれるよう、全力でご支援していきたいと思います。

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