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面接

研修やマニュアルから面接基準設計まで、構造化された面接手法のサポートを行います。

面接の予測力を向上するには?

人材採用で最もポピュラーな選抜手法である面接。その極意は、応募者のベストを引き出しつつ、求める人材の要件を客観的に見極めることです。SHLでは専門チームによる面接官の質問や評価スキル向上のトレーニングや、面接精度向上のための面接評価シート設計やマニュアル作成まで、面接精度向上のための知見と技術を提供しています。

面接に役立つサービス

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リクルーター

誰をマッチングすべきか?どう学生をフォローするか?リクルーターの活動も当社の知見でサポートします。

より良いリクルーター活動の支援

人材獲得競争が激しさを増す中、応募者と密に接点を持つリクルーターの存在は採用に欠かすことができないものとなっています。我々はリクルーターとしての適切な振る舞いや情報提供の仕方に関するトレーニングを提供できます。また、アセスメントを元に応募者とリクルーターのよりよいマッチングもサポートします。

講師派遣型トレーニング

講師派遣型トレーニング

お客様のご要望に合わせたプログラムで実施できるトレーニングです。

お客様のご要望に合わせた プログラム

お客様のご要望に合わせたプログラムで実施できるトレーニングです。
内容はお客様のニーズや業界に合わせて調整でき、実際の環境でのデモンストレーションや実践的な演習を行うことで、効率よくスキルを身につけることができます。

こんな時におすすめ

【面接】「自社の採用基準」をもとに、面接官の目線を揃える

一人一人の面接官のスキルを高めるとともに、「自社の採用基準」に基づいて判断基準のバラつきを改善し、評価の目線を整えるためのトレーニングです。

【その他選抜手法】グループ討議評価者の評価のバラつきを改善する

「行動」を評価する手法としてニーズが高まる「グループ討議」アセスメントについて、講義、演習を通じてグループ討議への理解を深めつつ、評価者としての目線を整えるためのトレーニングです。

【能力開発】自社社員の能力開発を効果的に行う

「パーソナリティ検査」結果の解釈理解を深めつつ、講義、演習を通じて、効果的な自己理解や部下育成を支援します。

サンプルプログラム:面接官トレーニング(半日開催)

時間テーマ主な内容
13:00~14:05基礎講義・面接の目的、面接官の役割について
・面接に向けた準備、面接の流れ
・有効な質問、避けるべき質問
・面接官の留意すべき点
14:05~15:05演習(1)・面接映像を使用した評価演習
15:05~16:50演習(2)・面接ロールプレイ演習「面接を体験する」
(複数回実施)
16:50~17:00総括・まとめ、質疑応答

お問い合わせ

講師派遣型トレーニングをご検討されている方は
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はじめに

「当社の志望動機を教えてください」。採用面接では当たり前のように投げかけられる質問の一つです。あまたある企業の中から自社を選択して応募した理由は、純粋に面接官の気になるところでしょう。一方で、「面接 志望動機」とインターネットで検索すると対策があふれています。果たして面接で志望動機を聞く意義とは何でしょうか?今回はこの素朴な疑問について探索したいと思います。

対策できる「志望動機」の回答で評価を行うのは難しい

試しに、ChatGPTに「人事アセスメント会社の面接で志望動機を言うとしたらどんな内容がよいか」と聞いてみると、志望動機の構成例とその例文を出してくれました。①業界や会社への関心を伝える、②具体的なサービスや理念に触れる、③自分のスキルや経験が活かせる点をアピール・・・など5つの構成ポイントを一瞬にして教えてくれました。さらに、これらの要点をふまえて実際の例文を200字程度にまとめて出してくれます。
応募者がこのような形で準備・理論武装した上で回答する「志望動機」を元に、なんらかの客観的な評価を行うことは難しいです。簡便に対策が可能であるため、「志望動機」の回答内容はばらつきづらく、志望意欲の強弱を見極めることは困難です。また、納得感のある回答で合理性を推し量ることも事前対策のために難しいです。 では、「志望動機」の質問をどのように面接で使うとよいのでしょうか?
1つ目は、意欲形成を行う質問として有用です。志望動機から価値観を掘り下げていく中で、応募者の価値基準が見えてきます。価値基準に合致する自社の特徴を伝えることで、応募者の意欲を高めることが可能です。
2つ目は、緊張をほぐすための質問として機能します。準備していることを準備したとおりにやってもらうことは、面接という緊張感のある場面でできるアイスブレイクの一つです。応募者の「想定内の質問」をまずは投げかけることで、よりリラックスした面接の雰囲気を醸成します。

「志望動機」を主観評価する場合に気を付けること

それでも、「志望動機」で評価を行いたい、行えると考える面接官もいらっしゃるかもしれません。主観的な評価はどんなことに対しても可能ですので、主観評価を前提にすれば志望動機も評価できます。
その上で、組織の採用選考を前提に以下の点には注意が必要です。
面接官は組織を代表して評価を行う選考官です。自分個人がその価値観や合理性に納得できるかは二の次で、あくまでも「組織の価値基準」に合うかどうかを判断すべきです。難しいですが、組織を代表した「主観評価」であることを肝に銘じて評価する必要があります。また、オンライン面接を実施する場合は、熱意が伝わりづらいという研究があります。熱意や入社意欲が低いと感じる場合でも、対面で会ってみるとまた異なる印象を持つ可能性がある点は注意が必要です。

おわりに

面接において、あまり意味をなさない質問は一部存在します(例えば、言質を取る質問など)。しかし、面接官が投げかける質問の多くは、質問それ自体よりも、その後の掘り下げ方によって多分に良し悪しが決まります。面接に一発必中のキラー質問はありません。よい面接とは、あくまでも、対話によって相手のスキルやポテンシャル、考え方などを掘り下げて応募者自身を理解することに尽きます。本コラムが人事ご担当者や面接官の参考になれば幸いです。

面接は採用選考において最も一般的な評価手法です。採用面接は、面接官に質問内容や評価基準を委ねて候補者と自由に対話する「非構造化面接」と、あらかじめ決められた質問内容や評価基準、面接の手順に沿って構造的に対話と評価を行う「構造化面接」に大きく分かれます。一般的に構造化面接のほうが妥当性(面接時の評価と将来の職務業績との関連性)が高いため、構造化面接、その中でも特に「コンピテンシー面接」が多くの企業で実施されています。
コンピテンシーとは、職務で成果を上げるために必要な行動特性を指します。営業職なら高い売上予算を達成するための「ヴァイタリティ」、研究職であれば、事象や問題を構造的に分析して論理的な結論を導く「問題解決力」などが該当します。コンピテンシー面接とは、確認するコンピテンシー、質問、判別指標をあらかじめ決めておき、それらに沿って評価を行う面接手法です。しかし、コンピテンシーによっては面接で評価しにくいものもあるため、別の選考手法で補完、または代替したほうが望ましい場合もあります。
そこで本コラムでは、当社が定義する「様々な職務の遂行において一般的に必要とされる9つのコンピテンシー」を例にとり、面接での評価のしやすさ・しにくさを紹介します。

評価しやすいコンピテンシー

面接で評価しやすいコンピテンシーは以下の4項目です。
  1. ヴァイタリティ(困難な目標をやり遂げるのに必要な体力・気力がある)
  2. 人あたり(人に対してよい印象を与え、思いやりと節度を持った態度がとれる)
  3. チームワーク(チーム全体の目標に向かって、協力・協調ができる)
  4. 状況適応力(状況に合わせて行動する。自分の行動を客観的に眺められる)
「ヴァイタリティ」は高い目標に挑戦し、困難を乗り越えて課題をやり遂げるエネルギーに関連する項目です。過去の成果・実績から評価しやすく、多くの企業で評価対象になりやすい項目の1つです。しかし、「静かに淡々と話すが、実はエネルギーが高い」、「好きなことのみにエネルギーを発揮できる」という候補者もいるため、態度や話し方だけ、高い成果を上げたことだけ、に注目してしまうと判断を誤る可能性があります。そのため、話の内容の具体性に注目して目標の高さや取り組んだ期間、成果をよく確認し、本人の価値観、動機、興味関心に注目して取り組んだ理由や意欲的になれた・なれなかった場面を確認し、「ヴァイタリティ」を発揮できる環境が自社にあるか検討してください。

「人あたり」と「チームワーク」はいずれもメンバーの一員としてチームに貢献した経験を詳しく掘り下げることで確認していきます。「人あたり」は相手を思いやる行動を指し、話し方や言葉の使い方から評価します。「チームワーク」は自分よりチームの成功を優先し、メンバーと協調して課題解決にあたる行動を指し、他者と協力して何かを成し遂げた経験から評価します。どちらも面接で評価しやすいコンピテンシーですが、グループ討議などのグループ型演習を実施すると、より明確に評価することができます。

「状況適応力」は相手や状況に応じて、自分の考えや行動を柔軟に変化させることができるかを示すコンピテンシーです。これまで経験した最も大きな変化や、海外生活や留学など今までと全く違う環境に身を置いた経験などを尋ね、その時の対応を詳しく確認していきます。面接以外の手法では、その場で候補者に特定の役割や設定を与えて課題に取り組んでもらうシミュレーション演習によっても評価することができます。

評価できるが注意が必要なコンピテンシー

面接で評価できるが注意が必要なコンピテンシーは以下の4項目です。
  1. 創造的思考力(斬新で創造力豊かなアイデアを思いつく)
  2. 問題解決力(問題を構造的に捉え、合理的な手順で適切な推論を行う)
  3. プレッシャーへの耐力(緊張の強い場面でも冷静で、自分を見失わない)
  4. 統率力(周囲の動きに注意を払い、先頭に立ってチームをまとめる)
「創造的思考力」は、アイデアを提示させるような質問をしたり、何かを改革した経験を尋ねたりして、独自の視点から数多くアイデアを出せるかどうかを確認していきます。ただし、斬新な発想や画期的なアイデアを評価するには、面接官側にも高い「創造的思考力」が求められます。筆者は以前、ある会社でイノベーション人材の要件定義を支援したことがありますが、要件に合致した応募者は面接選考で全員不合格となってしまいました。「発想が非現実的」、「常識が無い」といったコメントが多かったため、人事の方と相談して、翌年度の採用ではその会社のイノベーション事業部の社員だけを面接官にしたところ、数名が採用に至りました。入社された方々は、のちに新規事業を立ち上げたり、部門業務を大幅に効率化するアイデアを提案・実現したりするなど活躍されています。このコンピテンシーの評価は面接官の人選がカギになると言えます。

「問題解決力」は様々な観点から情報を収集し、問題を分析して適切な結論を導くためのコンピテンシーです。過去の実績以外に話し方からもある程度評価できますが、中程度以上のレベルの候補者は「中程度」か「高い」かの判別が難しいので評価者間のばらつきが大きくなります。また、事前に想定問答で練習してから面接に臨んでいる候補者の場合、受け答えがスムーズで納得感のある回答が多くなるため、候補者本来の問題解決力を評価しにくくなります。そのため、知的能力テストや、多くの資料を読み込んだ上で課題に対する結論や理由を記述、あるいは発表させるイントレイ演習やプレゼンテーション演習といった選考手法も実施できると、より評価精度を高めることができます。

「プレッシャーへの耐力」はプレッシャーを過度に強く受け止めず、冷静に対処するためのコンピテンシーです。強いプレッシャーがかかった経験を尋ねてその時の対応を詳しく確認する、あるいは意表をついた質問を投げかけて想定外の場面での行動を観察するなどして確認していきます。ただ、面接では「プレッシャーへの耐力」が低い人は分かるものの、高い(強い)人の見極めは困難です。過去の経験の確認では、当時をある程度冷静に振り返れるようになっていることと、意表を突いた質問1つ2つの反応を見るだけでは「高い(強い)」とまで判断することは難しいためです。そのため、たとえば候補者の質問に対して面接官が様々な反応を示す「逆面接」演習のように、先の展開が予想しにくく、その場で相手との当意即妙なやり取りが一定時間求められる演習のほうが適しています。

「統率力」はリーダーシップに関わる項目であり面接で評価できますが、学生を対象とする新卒採用の場合は注意が必要なコンピテンシーです。企業における「統率力」とは、様々な年齢、立場、価値観の人々をまとめることを指しますが、学生からはゼミやサークルなど「自分自身に近い存在の集団」をまとめたエピソードが挙がりやすく、その中で発揮した「統率力」が社内でも発揮できるとは限りません。そのため、できるだけ幅広い年齢、経験、考え、文化を持った人たちをまとめた経験を確認してください。




評価しにくいコンピテンシー

面接で評価しにくいコンピテンシーは以下の通りです。
  • オーガナイズ能力(緻密で慎重で計画的である)です。
「オーガナイズ能力」は無理と無駄のない計画を立て、適切に進捗管理を行う能力に関連する項目です。面接では自ら計画を立てて物事に取り組んだ経験や、集団の中で手配や段取りを付ける役割を担った経験を尋ねて確認しますが、計画や進捗管理が適切だったかどうかは「失敗」という結果にならない限り判断が難しいため、面接だけでは評価しにくいコンピテンシーです。面接よりも、課題に対処する優先順位を決めたり、対処するための行動計画を立てたりするイントレイ演習のほうが評価に向いています。

ここまで、面接で評価しやすい・しにくいコンピテンシーについて紹介してきました。面接は、質問の仕方や内容を変えることで候補者の様々な能力を評価できる汎用性の高い選考手法です。また、よく構造化された面接は高い妥当性を持つことが研究でも明らかになっています(Smith & Robertson, 2001)。しかし、面接は万能ではありません。面接選考の特徴や限界を理解した上で、場合によっては別の選考手法に切り替えることで、より適切に候補者を評価することができるようになるでしょう。

採用は企業にとって極めて重要です。適切な人材を採用することは、現在の業績に貢献するだけでなく、企業文化の形成を通じて、将来の成功を左右します。採用選考では面接が広く行われていますが、従来の面接手法だけでは応募者のポテンシャルや実際の働き方を完全には把握し切れない場合があります。そこで注目されるのが「逆面接」です。このコラムでは、逆面接の特徴と利点について解説します。

逆面接の概念

逆面接は、文字通り面接官と応募者の役割を逆転させる面接形式を指します。この手法は、管理職アセスメントで用いられる「ファクトファインディング演習」に基づいて開発されました。ファクトファインディング演習は事実確認を目的としたインタビューを模擬的に行う模擬面談演習です。「当社のサービスに対して顧客からクレームを受けている」など、何らかのトラブルが起きている状況が応募者に与えられます。応募者はその解消に向けて、問題解決の糸口となる様々な情報を保有する「ファクトホルダー(評価者が演じる)」に質問して情報を収集します。ファクトホルダーは応募者の質問に応じた情報を提供しますが、重要なのは、ファクトホルダーが自ら情報を提供することはなく、適切な質問がなされなければ解決策に至る情報が得られない点です。

逆面接の実施方法

逆面接では、面接官が応募者に「当社があなたの就職先として適切かどうか、質問してください」などのテーマを提示します。応募者は制限時間内で自由に質問を行い、その質問の仕方で質問力や対応能力を評価されます。質問力とは、限られた時間で求める情報を引き出し、自身の仮説を検証して適切な結論に至る能力です。これは、不確実なビジネス環境において極めて重要なスキルです。

逆面接のメリット

1. 質問力の評価
通常の面接では評価しにくい質問力を直接測ることができます。ビジネス場面では、仕事に必要な情報が最初から揃っている状況はまずありません。質問力は、上司の曖昧な指示や顧客の隠れたニーズを理解するために不可欠です。

2. ストレス耐性の確認
不明瞭な質問や脈絡のない質問がなされた場合、面接官は「要点がよく分からなかったのですが、具体的に何を知りたいのでしょうか」「なぜ、今それを聞きたいのですか」と聞き返します。これらの「逆質問」への対応から応募者のストレス耐性や臨機応変さを評価できます。

3. 応募者の志望意欲と興味の把握
質問の内容や具体性から、応募者がどの程度会社や業界に興味を持っているかが明らかになります。また、どのような情報を求めているのかによって、応募者の価値観やキャリア志向を知ることもできます。例えば、社風や人間関係を尋ねる応募者は職場環境を、仕事内容を詳しく尋ねる応募者は仕事の価値や身に付くスキルを重視していると予想できます。

4. 会社の魅力のアピール
応募者の質問に応じて、自社の利点や特色を効果的に伝えることができます。例えば、面接官が研修体制の充実度を強く訴えても、仕事そのものの魅力を知りたい応募者には響きません。一方的に情報を発信するよりも、応募者のニーズに応じた情報を提供することで、会社への興味を更に深めることが可能です。

従来の面接は、過去の経験を掘り下げてスキルやポテンシャルを評価しますが、逆面接は現在の応募者に注目します。緊張する場面で面識のない(または浅い)相手に冷静かつ的確に質問できるか。面接官の想定外の反応に機転を利かせて柔軟に対応できるか。これらの「その場で示される行動事実」を確認できるという点で、逆面接は従来の面接では測りきれなかった要素を評価、補完することができます。そのため、逆面接の活用によって採用の質の向上が期待できるでしょう。